LOVE CYCLIST

Cycling & Fashion Journal for Road Cyclists

【レビュー】MUUR バンコク生まれの独創的サイクルジャージ

 

【2017】この春に着たい心踊るサイクルジャージ7選で紹介したタイ・バンコクのブランド『MUUR – ミュール』。
恥ずかしながら、ここ最近までタイにサイクリングアパレルがあるという認識がありませんでした。タイ発のウェアは、世界的に流通しているヨーロッパ系のブランドとどのように違うか非常に興味深いと思い、今回MUURの方と連絡を取り合いサイクルジャージをレビューさせてもらうことになりました。

━━━━━━ 目 次 ━━━━━━

1. MUURについて

MUURは2015年にバンコクで創業したブランド。サイクリングとデザインワークを愛するPom JitpratukTawatchai Cheevanonの2人が、独創的で品質の高いサイクルウェアをリーズナブルな価格で提供するために立ち上げました。
すべてのサイクリストのために(性別も、社会的地位も、プロ/アマも関係なく)、サイクリングの文化的価値を高めることを哲学として掲げていて、Pomがデザインするウェアにはすべてその理念が反映されています。

大量生産やマーケティングはあまり得意ではなく、サイクルウェアのメインストリームと呼ばれるところ(世界的に展開しているRaphaやPNSなど)とは違うポジションにいますが、代わりにこの独創的なデザインを好む特定のセグメントにフォーカスして、本当にこのデザインパターンが好きなサイクリストのためにウェアを展開しているのがとても好印象です。

また熱帯地域タイのブランドなので、その暑い気候にも耐えうるためにイタリアの生地を選択。そして製造はイタリアのボルツァーノに拠点を置くメーカーに委託しています(このメーカーはいくつかのトップブランドやチームにもウェアを提供している)。そのためフィッティングもヨーロッパ基準になっており、タイのウェアでもヨーロッパのブランドと同じような感覚で選ぶことができます。

レビューにも書きますが、ウェアの作りも独自の理念が反映されています。例えば、違う生地同士のつなぎ目は普通であれば縫い合わせるところを、MUURのウェアは接着することで、高い柔軟性と摩擦低減を狙っていたり、またバックポケットの一部防水加工を施して大事な物を濡れないようにするなど、独自の工夫が見て取れます。

ちなみにタイではここ数年でサイクリングブームが起きており、サイクリングロードの整備も進んでいるようです*。
数年前に訪問したときはまだブームの片鱗は感じられませんでしたが、実際にInstagramなどを見るとタイのサイクリストがライドの様子をアップしているのを良く見かけるほど(そしてみんなおしゃれ!)。
今回はそんなホットなタイで展開するMUURのウェアについて、詳細にレビューしたいと思います。

*【タイ】サイクリング・ブーム、課題も山積(GLOBAL NEWS ASIA)

今回レビューするウェア

muur york menjersey

“YORK” MEN JERSEY(¥11,270)

 

2. 詳細レビュー

muurジャージ表 muurジャージ裏 白ベースの爽やかな印象のジャージ。
腕から脇の下にかけての黒い部分が通気性の高い素材のため、炎天下でも熱が篭もらないように工夫されています。さすがタイのブランド。ほかの部分の色は白なのでどうしても透け感がありますが、目を凝らさないとよく見えないくらいなので大丈夫。
※念のため白ジャージは総じてインナーを着た方が良いですね

muurジャージ生地 イタリア製の素材は密度が高くて丈夫です。伸縮性はほかのブランドと比べると少なめに感じるのでサイズ選びには注意(後述します)。

muurジャージ袖裏 袖は前後2枚合わせになっていて、前半分にシリコングリッパーがついています。このグリッパーが相当強力で、脱ぎ着するときにしっかり腕に張り付いてくるくらい。

muurジャージ袖 その分着てしまえばぴったりとするので、ほかのジャージでアームウォーマーがずり下がるといった悩みがあれば間違いなく解消されます。

muurジャージ脇 脇には「PRO EVO」と書かれた通気性を高める穴が開いています。

muurジャージジッパー 丈夫なYKK製のジッパーで、襟元にはジッパーガードもしっかりついています。

muurジャージ裾前 ちょっと見づらいですが、前身頃の裾にも白いシリコングリッパーがついています。がっちり捉えてずらさない意思を感じるジャージ。

muurジャージ生地裏 袖や裾の裏面を見るとわかりますが、切りっぱなしの状態で生地を接着してつなぎ合わせている部分があります。これは仕上がりが甘いのではなく、柔軟性と摩擦低減を狙った意図的なもの。
生地同士を縫い付けてしまうと縫い目部分が柔軟性を失ってしまいますが、接着することで少し伸縮するようになり、ライド中に体を動かしてもストレスがかかりにくいです。また素肌で着用すると、生地の境目を感じないほど滑らかにフィットします。とても面白い設計。

muurジャージバックポケット 頑丈にできている3つのバックポケット。入り口のゴムが固めなので、走行中に何かを取り出すときに少し苦労するかもしれません。その分中のものを落とさない安心感はあります。
また左側のポケットだけ内側が防水加工となっているので、湿らせたくないものはここに差し込んでおくことができます。

muurジャージ4thバックポケット 第4のポケットが左側についていて、この中も防水加工が施されています。またサイクルジャージには珍しく、なんとイヤホンコードを通す穴があります(タイではイヤホンOKみたい)。ただ日本では骨伝導以外はイヤホンNGなのであまり使い途がないかもしれません。

* * *

このように機能面で独自の工夫が施されており、オリジナリティが溢れる意欲的なウェアだと感じます。

デザイン面でも今回レビューした”YORK”ジャージは一番シンプルなラインですが、過去に紹介したようにとてもポップでかわいいデザインが揃っています。下記のポイントを抑えた上で、お気に入りのデザインがあるか探してみてください。

優れたポイント

・ヨーロッパブランドにはない独自のデザイン性
・タイトなレースフィット
・高気温でも快適な通気性

課題点

・袖のシリコングリッパーが強力で、着るときちょっとひっかかる
・バックポケットの入り口が少し固め

 

3. サイズ感について

各ウェアの詳細ページにジャージの平置きサイズが記載されているので、それを参考に選んでください。

MUURサイズガイド

メンズジャージのサイズ表

僕の場合、手持ちのジャージを計測した上で、近いサイズのXSを選択しました。ただ、若干生地の伸縮性が低いため他ブランドと同サイズでも小さく感じます。そのため余程強い締めつけ感が好きでない限り、1サイズ上げたものを選択することをおすすめします(参考までに、僕の胸囲は87cmです)。

* * *

最後にMUURのブランドムービーを紹介。映像で見ると良くわかりますが、やはりアジアのブランドだけあって、アジア系の顔立ちに似合うデザインだと感じます。またタイの広い平野を駆けるグループライドの姿は素直に羨ましくなります。。。

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MUURMUUR公式サイト(メンズ/ウィメンズ)