
ELEMNT ACEまでが許容されるという事実上の“配慮”
自転車競技の統括団体『UCI』が、GPSサイコンとジャージに関する新たなルールを発表した。
UCIはこれまでもソックスの高さ、ハンドル幅、放尿行為などに制限を設けてきたほか、最近ではジロ・デ・イタリア・ウィメンの有力選手を20gの重量超過を理由に失格としたばかりだった。
GPSサイコンのサイズ規制
UCIは走行中の画面注視が注意散漫の要因と捉え、現行サイズを超える大型化を危険とみなした。
声明では、「サイクルコンピューターの最大寸法は126×71mmに制限される。これは現在市場で入手可能な最大サイズに相当する」と述べている。これは現時点で最大の製品であるWahoo Ace(125×70mm)を念頭に置いたものだ。
大画面はデータを見やすくするという主張もあるが、UCIは受け入れていない。UCIの説明は以下の通り。
・この決定は、車載テクノロジーが選手の認知負荷に与える影響を考慮して下された
・複数の研究により、競技中に選手が利用できるデータ量の増加が認知的作業負荷を高め、事故発生の主要因となることが示されている
・サイクルコンピューターのサイズ制限は、レース中に利用可能なデータの過剰な増加を防ぎ、選手の安全を守ることを目的としている
2028年1月から禁止開始となる。ただし、開始日をすでに設定している一方で、さらなる調査が必要だとも示唆している。
フロントポケットの全面禁止
UCIは安全性の向上と競技の公平性を保つため、ジャージのデザインに関する規定を厳格化した。最大の変更点は、ジャージの前面へのポケット配置の全面禁止だ。今後、ポケットの設置は原則として背面のみに制限される。唯一の例外として認められるのは、レース用無線機(レースラジオ)を収納するための専用フロントポケットのみとなる。
この規制が導入される背景には、近年のプロ集団で見られる「行き過ぎたエアロダイナミクスへの傾倒」がある。
近年の風洞実験やCFD解析により、ライダーの胸やお腹のあたりに物体を配置して前面投影面の形状を滑らかにすることで、大きな空力メリットが得られることが証明された。
これに目をつけた一部の選手やチームが、ジャージの内側に設けられた前面ポケットに補給食などを大量に詰め込み、意図的に空力特性を向上させる手法を採用し始めていた。
しかし、UCIが調査したところ、これらのポケットに入れられた補給食はレース中に取り出すことが極めて困難であり、実際にはほとんど消費されていなかった。つまり、純粋な補給目的ではなく、「事実上のカウリング(整流パーツ)」として悪用されていたのが実態だ。
こちらは2026年7月1日から施行される。ちょうど同日に開幕するツール・ド・フランスから、選手たちはこの新しい規定に従うことになる。
参考記事: VELO (Road Gear)















