ロードバイクの安全性を確保するためのライト。走行中は、夜間だけではなく、早朝や夕方などの薄暗い時間帯でも、車からの視認性を高めるためには点灯させておきたいもの。
実際にライトを選ぶときは、道交法に則ったものであることはもちろんのこと、用途に応じて明るさや機能を選択する必要があります。本記事では、初めてのライト選びだけでなく、ある程度慣れたサイクリストの次のライト選びの参考となるように、用途別にフロントライト・リアライトの選び方とおすすめのライトをお伝えしていきます。
1. ライトの選び方① ルーメン
最も重要な指標が、明るさの単位を示すルーメン。ライトのパッケージには必ずルーメンが記載されているので、選択時はこの数値を参考にします。
基本的にライトは2〜3段階で明るさを調整できるので、「大は小を兼ねる」はライトにも適用され、より明るいライトを選んでおけばどのような状況にも対応しやすくなります。ただ予算との兼ね合いもあるので、以下の用途に応じて目安となる明るさを選びます。
街乗りメインの場合
フロント:100-300ルーメン
リア:10-20ルーメン
街灯の多い道路をゆるく走る場合は、フロント100〜300ルーメン程度が標準的。価格も手頃なので、最初にロードバイクを買うときに最も選ばれるクラスです。
ナイトライド – 都市部の場合
フロント:400-800ルーメン
リア:30-60ルーメン
街灯の比較的多い都市部を長時間高速で走る場合はフロント400〜800ルーメンが目安となります。乗り慣れているサイクリストであればこのクラスのライトを持っている場合が多いと思います。
ナイトライド – 郊外の場合
フロント:1000ルーメン以上
リア:100ルーメン以上
街灯の少ない郊外を走る場合、確実に路面を広く明るく照射できる1000ルーメン以上のライトが必要になります。ただしこのクラスになると、ライトの重量が200-300gと重くなるため、昼間の走行がメインの場合には不向きです。
また夜間を長時間走る場合、800ルーメン程度のライトを補助として使うなど、バッテリーの持ち具合に応じて2〜3灯付けするかたちで調整します。山間部を走る場合は、これに加えて視界の先を照らすことができるヘルメットライトも必要。
2. ライトの選び方② バッテリー
ライトの電源はUSB充電式か乾電池式の2択ですが、現在はUSB充電式が主流で、乾電池式は一部を除きエントリーモデルに採用されているのみです。
USB充電式の方が高価になりますが、乾電池式と比べると、明るさ・サイズ・持続性すべての面で勝ります。ナイトライドでバッテリーの持ちが気になる場合でも、USB式のハイエンドモデルであれば、ローモードをうまく使うことで一晩持たせることが可能です。
ランニングコストも少なくて済むため、予算に余裕があるのであればUSB充電式をおすすめします。
3. ライトの選び方③ デザイン
メーカーによってライトのデザインに個性が現れています。デザインについては個々の好みに拠るので好きなものを選んで問題ありません。参考情報として、国内で流通量の多い3メーカーの特徴は以下の通り。
CATEYE(キャットアイ)
コスパ・信頼性が高く、取り扱いショップも多いため、国内で最も使用率の高いジャパンブランド。デザインは機能性重視の形状。
LEZYNE(レザイン)
アメリカのブランドで、美しいアルミボディの無駄のないデザインが特徴。そのため、どのバイクに付けても馴染みやすい。オンラインで購入する場合はWiggleなど海外ECの方がお得。
GENTOS(ジェントス)
業務用ライトで技術を培った日本メーカーで、工業製品っぽい無骨なデザイン。ヘルメットを模した形状やエアロダイナミック形状など、個性溢れる意欲的なプロダクトデザインにも取り組んでいる。
4. 用途別おすすめライト一覧
街乗りやナイトライドなど用途に応じた最適なライトを、上記3メーカーを中心にピックアップしています。すべてランニングコストのかからないUSB充電モデル。自身の乗り方に合わせてセレクトしてください。
街乗り用
フロントライト(¥2,000-4,000)
メーカー | 製品名 | 最大lm | 重量 | 購入リンク |
CATEYE | VOLT100XC | 100lm | 42g | Amazon |
VOLT200 | 200lm | 58g | Amazon | |
LEZYNE | KTV | 180lm | 45g | Wiggle Amazon |
ZECTO DRIVE | 250lm | 47g | Wiggle | |
GENTOS | XB-555LR | 150lm | 75g | Amazon |
AX-007GR | 220lm | 70g | Amazon |
リアライト(¥1,800-3,500)
メーカー | 製品名 | 最大lm | 重量 | 購入リンク |
CATEYE | LOOP2 | – | 18g | Amazon |
LEZYNE | KTV2 Drive | 10lm | 41g | Wiggle |
Knog | Blinder Mini Niner | 11lm | 18g | Wiggle |
おすすめ組み合わせ
エントリーグレードで充分な性能を発揮するキャットアイのVOLT100とLOOP2。機能は最小限ですが、価格も安くUSB充電のため、気兼ねなく使うことができます。
ナイトライド – 都市部用
フロントライト(¥4,000-11,000)
メーカー | 製品名 | 最大lm | 重量 | 購入リンク |
CATEYE | VOLT400 | 400lm | 120g | Amazon |
VOLT800 | 800lm | 140g | Amazon | |
LEZYNE | HECTO DRIVE 400XL | 400lm | 100g | Wiggle Amazon |
MICRO DRIVE 500XL | 500lm | 118g | Amazon | |
LITE DRIVE 800XL | 800lm | 114g | Wiggle |
リアライト(¥2,500-5,000)
メーカー | 製品名 | 最大lm | 重量 | 購入リンク |
CATEYE | RAPID MINI | 25lm | 21.5g | Amazon |
RAPID X2 | 50lm | 22.5g | Amazon | |
LEZYNE | KTV Drive Pro | 75lm | 41g | Wiggle |
ZECTO DRIVE | 80lm | 47g | Wiggle | |
fabric | FLR30 | 30lm | 36g | Amazon |
おすすめ組み合わせ
すっきりした外観と充分な明るさを持つレザインのLITE DRIVE 800XLと、加速度センサーにより後方へ減速を瞬時に知らせることができるファブリックのFLR30は信頼性の高い組み合わせ。個人的にもこの2つを常用しており、機能性だけでなくデザイン面でも至高。
ナイトライド – 郊外用
フロントライト(¥10,000-17,000)
メーカー | 製品名 | 最大lm | 重量 | 購入リンク |
CATEYE | VOLT1600 | 1600lm | 260g | Amazon |
LEZYNE | MACRO DRIVE 1100I | 1100lm | 195g | Wiggle |
SUPER DRIVE 1500XXL | 1500lm | 345g | Wiggle |
リアライト(¥5,000-6,000)
メーカー | 製品名 | 最大lm | 重量 | 購入リンク |
CATEYE | RAPID X2 KINETIC | 150lm | 30.5g | Amazon |
LEZYNE | STRIP DRIVE | 150lm | 69g | Wiggle |
ZECTO DRIVE | 250lm | 69g | Wiggle |
おすすめ組み合わせ
ハイエンドライトの中では抜群の明るさ1600ルーメンを誇るVOLT1600と、加速度センサーがあり照射角の広いRAPID X2 KINETICは郊外を走るナイトライドの前後を守る最適な組み合わせ。
ナイトライド – ブルベ用アクセサリー
長時間のナイトライドをさらに便利に・安全に走るためのアクセサリー。ライドの幅を拡げることができます。
ヘルメットライト
真っ暗な夜道に必要なヘルメットライト。キャットアイの専用マウントを使えばフロントライトを取り付けることが可能(対応モデルのみ)。ほかにもLEZYNEが専用ライトをラインナップしています。
メーカー | 製品名 | 最大lm | 重量 | 購入リンク |
CATEYE | ヘルメットマウント | – | – | Amazon |
LEZYNE | FEMTO DUO | 15lm | 50g | Amazon |
MACRO DRIVE DUO | 700lm | 93g | Amazon |
複数ライト用マウント
ライトを2灯以上付ける場合に、ハンドル周りが混雑しないように取り付け位置を拡張するもの。ハンドルやヘッドスペーサーに取り付けたり、ホイールのハブに装着したりするものがあります。
メーカー | 製品名 | 重量 | 購入リンク |
MINOURA | ハンドルバーマウント | 74g | Amazon |
KCNC | ハブマウント | – | Amazon |
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このように、ライトひとつをとっても、ライドの内容に応じてさまざまな組み合わせを検討する必要があります。上記を参考に、用途に応じた自分にぴったりのライトを見つけて、歩行者・車・障害物などに十分気をつけてライドを楽しんでくださいね。ご安全に。