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チェーンルブは使っているうちに汚れるのが当たり前だと思っていたので思考停止して受け入れていたが、汚れないワックス系チェーンルブ『Squirt(スクワート)』を使ってからは手放せなくなった。
review / Tats(@tats_lovecyclist)
Contents
1. スペック
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『スクワート』はワックス系のチェーン潤滑剤(120ml 1,540円)。
液体を塗布して乾燥するとワックスが固まり、チェーンがきれいなままで長時間持続するという仕様(カタログ上の持続距離は480-640km)。
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通常のモデルと、Eバイク用、低温用の3種類ある
2. 導入の目的
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チェーンルブに大したこだわりはないので(ちゃんと走れてある程度持続すればそれで良い)、これまでは実績のあるブランドを選んでいた。ただ1年前から車載することも多くなり、なるべくチェーン汚れが出ない方が良いとはなんとなく思っていた。
半年前にBlack SheepアンバサダーのMasayuki氏とチェーンルブの話になって、汚れなくて600kmブルベにも使えたという『スクワート』をおすすめしてくれてた。ちょうど使っていたMuc-Offが切れそうなタイミングだったので買って使ってみることに。
最初の施工方法
① チェーン汚れを完全に落として乾燥させる
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まずはディグリーザーとブラシを使って駆動系を脱脂する。最初だけちょっと面倒だがこれをやらないと効果が出ない
② ボトルをよく振ってから注油する
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ピン、プレート、ローラーの隙間に塗布
③ 5分経過後にもう1周注油する
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2周やるのが基本(2周目はちょっと少なめにしている)
④ クランクを回しながら変速をして、チェーンリングとスプロケットにオイルを浸透させる
⑤ 6時間以上放置する(拭き取りは不要)
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一晩寝かせて完成
3. Pros/Cons
Pros
汚れにくい:完全に汚れないわけではないが、オイル系に比べると差は歴然。ふくらはぎのチェーンタトゥーも出ないし、チェーン落ちしたとき手を汚さずリカバリーできる。
持続性の高さ:1回の施工で500km以上持つ。以前使っていたMuc-OffのC3セラミックドライルブは300-400km程度だった。防汚性と持続性の関係で見ても優秀。
抵抗が低い(らしい):個人では定量的な判断ができないが、一般的なオイル系と比較してスクワートは抵抗が低いという検証結果が出ている(下図)。ほかのオイルと比べて違いは感じられないので、抵抗に関しては問題なさそう。
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グレーの線がスクワート。UFO dripやabsoluteBLACKなどの高級ルブに次ぐ抵抗の低さ(出典:Bike Rumor)
コスパ良し:スクワートは120ml ¥1,540 。Muc-Off C3セラミックドライルブは120ml ¥2,970。UFO drip New Formluaは180ml ¥7,480(120ml換算で約¥5,000)。安い!
継ぎ足しOK:スクワートを補充する場合は、残留物を取り除かずに継ぎ足しOK(とのことだが、カスが出るのでときどき綺麗にしている)。いちいちディグリーザーを使わなくて良いのでメンテナンス時短になる。
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使っているとカスが出るので適宜取り除く
Cons
冬のグラベルはNG:仲間がスクワートを施工したグラベルバイクで冬の泥道を走ると、ルブが固まってしまったせいなのか、汚れがチェーンに付着してチェーンが回らなくなった。スクワートには低温用のルブがあるので真冬はそちらを使う方が良さそう。
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4. 結論
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防汚性をうたうチェーンルブはほかにもあるが、オイル系は粘度を下げることで汚れが付着しないようにしているので長持ちしなくなる。そうなると注油頻度が上がるのでメンテナンスが非常に面倒になる。
汚れなくて長持ちするチェーンルブを探しているなら、スクワートが良い選択肢。最初の脱脂だけ面倒だが、その後はメンテナンスが楽になった。
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著者情報
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Tats Shimizu(@tats_lovecyclist) 編集長&フォトグラファー。スポーツバイク歴11年。ロードバイクを中心としたスポーツバイク業界を、マーケティング視点を絡めながら紐解くことを好む。同時に海外ブランドと幅広い交友関係を持ち、メディアを通じてさまざまなスタイルの提案を行っている。メインバイクはStandert(ロード)とFactor(グラベル)。 |