アンケートのご回答ありがとうございました。
温かいメッセージを、ひとつひとつ大切に読ませていただきました…!
いただいた内容は、今後コンテンツ等でお返しできればと思います。(ジャージ当選者の方にはメールをお送りしました)
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今回のアンケートの最後に、「1年以内に購入したウェアブランド」について質問しました。
サイクリングアパレルのトレンドを考える上で僕自身とても興味のある内容だったので、見解とともにまとめておきたいと思います。
ウェアブランドの今後の展望について
1年以内に購入したウェアブランド(上位10位抜粋)
※複数回答可/のべ回答ブランド数 571
集計データ:カテゴリ別ブランドシェア
海外大手 | Rapha, ASSOS, dhb, Castelli, Le Coq等 |
ポストRapha | MAAP, Café du Cycliste, PNS等 |
国内大手 | パールイズミ, シマノ, カペルミュール |
その他 | 上記以外の国内ブランド, チームジャージ等 |
回答と集計から読み取れること
LOVE CYCLISTの読者による回答という前提があるため、市場全体とは一定の乖離があると思いますが、今回の内容と1年半前に行ったアンケートとの比較から、マーケットの変化を次のように読み取ることができます。
- Raphaはかつては一部のサイクリストが選ぶ特別なブランドでしたが、今では購入率No.1となりマス向けのブランドになりました。「Raphaが売上を重視するようになる」ということは以前書きましたが、それが忠実に再現されています。これにより「Rapha=おしゃれ」という等式が単純に成り立ちづらくなったことは、読者をはじめとした多くのサイクリストが気づき始めています。
- かつてRaphaがいたポジションに、ほかの海外ブランドが入ってきており、これらを1カテゴリ(ポストRaphaブランド)として捉えると購入率は他カテゴリを上回るようになりました。
ただし、あまりにも優れたブランドが多数存在するため、今後「第2のRapha」のような、どこかひとつのブランドが突出するということはなさそうです。それぞれのコンセプトやデザインに共感するサイクリストがゆるくつながる細かなビオトープのようなマーケットが生まれていく、と考えています。 - 国内のマス向け大手ブランドは引き続き高い購入率となっていますが、以前のアンケート結果からの推移を見ても、Raphaのマス化の影響を少なからず受け、シェアを落としています。
- 以下の傾向が見られ、国内ブランド勢と海外ブランド勢の間に分断があります。
・国内大手ブランドを買う人は、Raphaは買うが、ポストRaphaブランドは選ばない傾向がある
・ポストRaphaブランドを買う人は、Raphaは買うが、国内大手ブランドは選ばない傾向がある
今のマーケットや各プレイヤーの動きを見る限り、この分断は埋まりにくいのだろうと思います。
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このように、サイクリングアパレルは「機能性ウェア」の時代から「ファッション」の時代へと突入しています。
デザインと呼べるものが存在しなかった時代は同じウェアを何シーズンも着続けましたが、今はシーズン毎にトレンドを考えてウェアを選択する、という方向に。
もちろん高価なサイクルウェアをいくつも買い足すのは大変なので、お気に入りのブランドを2〜3見つけて、シーズンごとに気に入ったジャージ1着を購入するというローテーションでも、充分サイクルファッションは楽しめるもの。
そうしてサイクリングシーンが更に彩られていく世界を見ることが、僕自身とても楽しみです。