ロードバイクはフロントとリアにそれぞれギアがあるので、初心者の頃はどう使い分けるべきかシフトチェンジしながら最適な方法を試行錯誤します。特にフロントの変速は、ペダルの重さが一気に変わるので使いどころの判断がわかりづらいところ。
そこでギアの使い方が難しいと感じている方のために、シフトチェンジの基本的な考え方と、フロントとリアをどういうタイミングで切換するのが効率的なのかをお伝えします。
1. シフトチェンジの基本的なコツ
変速のタイミングでは回しながらトルクをかけない
シフトレバーを押してペダルを回転させるとギアが切り替わりますが、そのときに力を入れて踏み込まないようにします。トルクをかけた変速だと、「ガッチャン」と大きい音が聞こえると思いますが、それを続けるとスプロケットやチェーンの寿命を縮めることに。
スムーズなシフトチェンジのためには、力を抜いて回すようにします。レバーを押したら小さい音で「カチャッ」っと変速されるのがきれいなシフトチェンジです。
フロント変速のコツ
最初はフロントギアをインナー(内側)からアウター(外側)へ変速するのが難しく感じますが、シマノの場合は以下のステップを踏むとしっかりフロントのシフトチェンジが決まります。
- 1. シフトレバーをぐっと押し込んだままペダルを回し続け、チェーンがアウターに移動しているのを感じる
- 2. アウターにチェーンがすべて入ったと認識できたら指を離す
フロントを変速するタイミングではリアも同時に変える
フロントギアを変速するとペダルの重さが一気に変わるので、「うわっ」となる前に一緒にリアギアも変えて適切な重さに調整することが必要です。
例:フロントをインナーに落とす→同時にリアを2〜3枚上げる
フロントとリアの変速がほぼ同時にできるようになると、ペダリングのロスが少なくなるので、何度も変速しながら慣れていきます。
2. フロントは普段アウター/インナーどっちにいれておくべき?
平地巡航など通常時はアウターに入れておいて、坂を上るときインナーに入れるのが基本的な使い方です。
ロードバイクを始めたばかりでまだ脚力がついていないときは、インナーがメインになることもありますが、筋力がついてくると自然とアウター中心になっていくと思います。
3. ギアを変える場面はここ
フロントギアを変える場面
坂の上りに差し掛かる手前:アウター→インナー
これから坂に入るとなったら、フロントは必ず上る手前でインナーに入れるようにします。
上りながら変速すると、トルクがかかってチェーンから「ガッッチャン」という不快なフィードバックが返ってくるので、上っている途中ではフロントはなるべく変えないようにします。
ただし、坂の距離が短かったり、斜度が5%程度までであればアウターのまま進むこともあります。これはそのときの路面状況と自分の脚力で判断します。
疲れたとき:アウター→インナー
ロングライドの後半などで脚に力があまり入らなくなったときは、フロントをインナーにしてくるくる回したほうが楽になります。
「疲れてきたと感じたら、早めのインナー。」おすすめです。
リアギアを変える場面
漕ぎ出し:シフトダウン
信号などの停止・発進時にはシフトダウンしてギアを軽くした方が疲れにくくなります。
コツは停止前の減速時にあらかじめギアを軽くしておくこと。そうすれば発進がスムーズになります。
もし重いまま止まってしまったら、シフトレバーをクリックしたあと、サドルを持ち上げて後輪を浮かせた状態でペダルを回せば変速できます(ビンディングペダル使用前提)。坂で不意に停止してしまったときなどに有効です。
巡航速度を上げていくとき:シフトアップ
巡航速度を上げるときには1枚1枚徐々にシフトアップしていきます。
大事なのはケイデンスを一定に保つこと。ギアが重くなっても同じケイデンスを維持することができれば、シフトアップするごとに1〜2km/h加速していくのでスムーズに高速域に達することができます。
ダンシングして加速するとき:シフトアップ
弱ペダで鳴子くんが小野田くんに教えた「2クリックダンシング」(ギア2枚シフトアップしてのダンシング)はとても理にかなっています。
加速用のダンシングは踏み込む力に体重を乗せるため、シッティングから移行したときに同じギアのままだと力が逃げて無駄なダンシングになってしまいます。
鳴子くんが教えるように、「さぁ立ち上がって加速するぞ」というタイミングでギア2枚分シフトアップするとギアがちょうどいい塩梅になります。
そしてカチカチッというダブルクリック音は自分を奮い立たせるスイッチにもなるのでぜひお試しを。
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シフトチェンジをうまく使えるようになると、路面対応力がついて長い距離を走ることが楽になります。練習しながらコツを身につけていってくださいね。