DMT『POGI’S SUPERLIGHT』レビュー:ポガチャルが勝つためのシューズは、我々の週末ライドに最強に溶け込んでいく。

ポガチャルのために開発されたDMTの『POGIS SUPERLIGHT(ポギズ スーパーライト)』。
個人的な印象として、以前の試着では幅がタイトに感じられたことや、ブランドを象徴するオレンジの存在感、ポガチャルを軸にしたプロモーションが印象に残り、自分のスタイルとは少し距離があると受け止めていた。
しかし最新モデルに触れて、その先入観は心地よく覆された。

著者情報

Tats Tats Shimizu@tats_lovecyclist
編集長&フォトグラファー。スポーツバイク歴12年。海外ブランドと幅広い交友関係を持ち、メディアを通じてさまざまなスタイルの提案を行っている。同時にフォトグラファーとして国内外の自転車ブランドの撮影を多数手掛ける。メインバイクはStandert(ロード)とFactor(グラベル)。

*本レビューのシューズは、DMT代理店のミズタニ自転車より一定期間の貸与を受けてテストしたもので、レビュー内容はLOVE CYCLISTオリジナルのものです。

text / Tats@tats_lovecyclist)[PR]

POGI’S SUPERLIGHT

POGI’S SUPERLIGHT(¥66,000)

POGI’S SUPERLIGHTは、タデイ・ポガチャルと共同開発された完全な競技用シューズだ。

一般的にイタリアンブランドのシューズは、幅が狭く甲が低いイメージがある。
ただDMTにおいては、近年になって3Dニットアッパーが採用されて以降、柔軟性が生まれて幅広の足にも合うようになっていった。
そして『POGI’S SUPERLIGHT』を含むハイエンドモデルは、意図的にトーボックスが広く設計されている。そのためこれまでイタリアンシューズが合わなかった日本人の幅広な足にとって、DMTは新たな選択肢になっている。

スペック

アッパー素材 超軽量フルエンジニアード3Dニットアッパー
アウトソール 高強度スーパーライトカーボンファイバーソール
クロージャー シューレース
重量 195g(サイズ42)
サイズ 37-45
*ハーフ39.5-43.5

*45は取り寄せ対応のみ
カラー White、Black/Grey
発売日 2025年8月
税込価格 ¥66,000

スペックの中でも重量195gという数字が目を見張り、軽量ロードシューズの中でも最軽量の部類に入る(Shimano SH-RC903PWR/230g、Giro EMPIRE SLX II/195g、TREK RSL Knit /243g)。

*他ブランドでもNimbl ULTIMATE AIRだけ165gという異常値を叩き出しているが、値段も異常なので(¥110,000)ここで比較するのは避ける

全面ニットアッパー:1本の糸で編み上げられたシームレスな構造。靴下のように足を包み込むため、足あたりが柔らかく、通気性が高い。

超軽量カーボンソール:薄さと剛性を両立したカーボンアウトソール。踏み込んだ力を効率よくペダルに伝えつつ、足裏の感覚をダイレクトに保つ設計となっている。

シューレース:軽量化に一役買うのが、極細なシューレースを使ったクロージャーシステムだ。紐は足の形状に合わせて圧力を分散させやすいが、脱着が面倒というデメリットがある。でも素早く開閉できる留め具によって、普通のシューレースタイプよりも緩める/締める手間がかなり減っている。

タンの部分には、結んだ紐を収納して空気抵抗を減らすためのポケットがある。世界最高の選手ポガチャルの要求を形にした「勝つための道具」であると同時に、見た目をスマートにする美学が備わる

 

最高峰競技シューズの履き心地

フィット感が、これまで履いたどのシューズよりも次元が高い
3Dニットアッパーの柔らかさと、シューレースの均等な圧力分散が相まって、足の甲にぴったりと沿う。ロードシューズではないかのような優しい一体感で一瞬戸惑ったが、レザー系シューズのような「慣らし」の期間は不要で、最初から完璧なフィットを得られることがわかる。
かつて感じたDMTの狭さもない。トー側がワイドでつま先に余裕がある。かかとのホールド感は極めて高く、くるぶしへの干渉もない。このアッパーの柔軟性は、僕のような純ジャパニーズの足型(幅広/甲高)にちゃんとフィットしてくれる

シューレースは、留め具でかっちりホールドされるため、一度締めれば走行中に緩まない。ダイヤル式のように走りながら細かく調整することはできないが、最初から完璧なフィットを得られるため不便は感じなかった。

アッパーがニット素材だけれど、パワーをかけたときにソールがたわむ感覚はない。柔らかいアッパーが足を包み込みながら、強固なソールがパワーをペダルに伝えるというイメージ。世界の第一線で戦っているシューズだけに、そのあたりは何も心配しなくていい。心地良さと力強さが同居している。すごい。

またほかのシューズと履き比べると、明らかに足元が軽いと感じる。スペック上の重量差は数十グラムに過ぎないけれど、実走感は数値以上に軽やか。常に回転運動を繰り返すなかで、この重量差が疲労軽減に役立つことは間違いない。

軽さと同時に感じるのが、風抜けの良さ。履いているソックスの柄が透けて見えるほどで、生地の隙間を風が通る。
テストを行った2〜3月では、常に冷気が足元を通り抜けるのを感じた(むちゃくちゃ寒かった)。ニットアッパーの素材感は冬のウェアとは視覚的なミスマッチも感じるので、冬場はオーバーシューズが必須となる。ただ夏場のライドではこれ以上ない快適性になるはず。

目立つかなと感じていたオレンジの差し色は、実際に履いてみると全く気にならなかった。
その理由は、POGI’S SUPERLIGHTのシルエットが洗練されているからだ。ボテッとした形ではなくつま先がシュッとして足元が端正に仕上がる(でもつま先はちゃんとスペースがある)。
白を基調としたカラーバランスも適正で、遠目から見ると全体のスタイリングを引き締める良いアクセントになっている。軽やかな夏服に合わせれば、このシューズの美しさは完成するだろうと思う。

注意点を挙げるなら、ホワイトのニット素材が汚れやすいこと。
汚れが生地の隙間に入り込むので、走行中についた汚れはその場では落としにくい。ただ、帰宅後にシューズ洗濯ネット(ズックリーンネット)に入れて洗濯機で洗えば、ほとんどの汚れは落ちる。だから個人的にはメンテナンスの手間自体は、他のシューズと大きく変わらない。

 

サイズ感

DMT POGI’S SUPERLIGHTは「41」を選択。
ほかのブランドの適合サイズは、Suplest42、Specialized42、LAKE41、Nimbl42、Udog41、Shimano41。足形は甲高・幅広の典型的な日本人型。
39.5〜43.5の間はハーフサイズ展開なので、自分に合ったサイズを見つけやすい。

※オンラインでのサイズ確認は本国サイトの商品ページを参照
※試着したいときは「取り扱いショップ一覧」を参照

 

「ポガチャルが使っているから」ではなく。

「ポガチャルが使っているから」という事実は、多くのサイクリストがこのシューズに興味を持つ最大のきっかけになるだろう。しかし、実際にそれを自分の装備として選ぶ段階になると、何よりも自分の足に合うか、自分のスタイルに溶け込めるかが最も重要だ。

もちろんPOGIの実績による信頼性が担保されているという点は強い。他を寄せ付けないほど最強の信頼性だ。
でもPOGI’S SUPERLIGHTは、レーススペックの信頼性に加えて、フィット感も最高級なのがほかと違う。

かつてDMTを遠ざけていた僕のような幅広・甲高な足を、今では優しく、完璧に包み込んでいる。それは、過酷なレースの現場で磨き上げられた「勝つための道具」が、我々のような一般サイクリストが求める「究極の快適性」と地続きであることを示している。

ポガチャルのための特別な一足を、自分の週末を最高なコンディションで踏むための一足として履きこなす。それが、このシューズを手に入れる最も明確で、贅沢で、実利のある選択だ。

POGI’S SUPERLIGHT取扱店舗一覧を見る(全国約100店舗)

text / Tats@tats_lovecyclist
[PR]提供 / ミズタニ自転車