至高の存在ロングスリーブ。
気温が引き潮のようにさっと下がり、外に出た瞬間に秋を感じるようになる時期。そんなとき着るものをまとめて切り替える「衣替え」が行われます。
これはただ気温の変化に対応するだけでなく、今までと違う衣をまとうことで新しい季節へ向かうための気持ちのスイッチにもなります。
サイクルウェアの場合は「半袖+アームウォーマー」から「長袖ジャージ」に切り替わる時期がそのときで、私服よりもちょっと遅いタイミングの11月あたりがそう。外を走ることが次第に厳しくなる季節に向けて、「この冬も走れるだけ外を走る」という強い意思を込めて、ウェアも気持ちも、余すことなく準備をします。
その2018-2019秋冬シーズン入りに合わせ、MAAPから新たなロングスリーブジャージが発売されました。
CYCLISMよりその1枚を提供いただいたので、今年の衣替えは、大好きなMAAPのウェアからはじめたいと思います。
Escape Pro Winter LS Jersey
Escape Pro Winter LS Jersey(¥23,500)
MAAPはいつもマーケットの先端を走り、僕らに驚きのウェア体験を与えてくれるブランド。
LOVE CYCLISTではずっとサイクルウェアのトレンドを追っていますが、2-3年前と比べると、サイクルウェア自体のスタイルが遥かに洗練されており、その流れの形成にMAAPの存在が大きな役割を果たしていることを強く感じます。
このイタリア製の新しいウェアも、MAAPの開拓精神を例外なく反映させているもの。
何が優れているか
サイクルウェアは「機能的にこうあるべき」というセオリーが決まっているので、差別化が難しいジャンルです。違うブランドでも実は同じ工場で作っているということはよくあり、そういう場合はデザイン面で差別化をしているだけというケースも。
MAAPはクリエイティブ性の高いデザインによって何よりも洗練されていることは明確ですが、同時にウェアの設計もオリジナル。
色彩とデザイン
鮮やかなロイヤルブルーの発色。
流通しているほとんどのジャージは、布を織ってからプリントする「後染め」で作られていますが、このジャージは糸の段階で染める「先染め」の生地でつくられています。予め染めてから後加工するためコストはかかりますが、色落ちがしづらくなり、そして色の出方がものすごく綺麗。何度洗っても、鮮やかなまま着ることができます。
この色を見たとき、これほど綺麗なブルーに対してはどう全身をコーディネートすべきか最初迷いましたが、いろいろ考え、ほかのアイテムをモノトーンで組み合わせるのがベストだと感じました。
そうすることでジャージが持つ「青の存在感」が鮮やかに浮き出ることに。
ビブショーツの裾と同じ袖口
左: MAAPビブの裾/右: MAAPジャージの袖口
設計面で特に面白いのが、袖口にビブの裾と同じ素材を使っていること。
ふつう袖口は伸縮性の高いゴム素材を使うのがセオリー。ただモノによって手首が締め付けられることがあります。
でもMAAPビブに使われる、レーザーカットした2枚の生地を接着した素材をあてがうことで手首への当たり方が優しくなり、見た目も細くシュッとしてエアロな形状に。
伸縮性は低いため脱着に少し手間取りますが、着てしまえばぴたっと手首に吸い付く状態が心地良いんです。
細部へのこだわり、プレミアムな縫製
左: 一般的なジャージの縫い目/右: MAAPジャージの縫い目
生地の縫い合わせにはフラットロックステッチを用いるのがサイクルウェアの基本。ただ同じ縫い方でもウェアによって仕上がりにばらつきがあります。
MAAPの縫い目は均一で真っ直ぐ。さらに縫い付ける場所によってステッチ方法を調整することで、強度を高めています。縫い目を見て「美しい」と感じるようなウェアはそれほどありません。
表面的には判らない細かな部分ですが、MAAPの頑丈で着心地の良いウェアは、こういった細部へのこだわりから生まれていることがわかります。
高いストレッチ性
基本的にMAAPのウェアはどれもタイトなつくり。
過度な締め付けは本来着ていてストレスになるはずなのに、それをあまり感じさせないのは生地のストレッチ性も大きく影響しています。
特に首周りとお腹周りはぐいぐい伸びるので、ジッパーを締めても苦しさを感じません。
着心地とスタイルの良さを両立する設計はパーフェクト。
柔らかくて、そして暖かい
生地がとても柔らかく、触ると声が漏れる気持ちよさ(良い生地は本当に声が出ます…)。
裏地にフリースを組み合わせた比較的肉厚の生地なので、ジャージ1枚でもとても暖かく、対応気温の目安は5〜15℃くらい。ジレやジャケットと組み合わせれば、冬のシーズンずっと活躍できます。
そして、ビブもやはり素晴らしい
Team Bib Shorts2.0(¥29,000)
昨年レビューしたTeam Bib Shorts2.0を下に合わせています。同じMAAPで相性抜群。
ちなみにこのビブショーツは、数々のパーツ・ウェアをレビューしているイギリスのメディアBikeRadarがレビューし、最高評価の★5つが付けられています。
国内では、上質なビブといえばASSOSがいつも挙げられますが、同価格帯のASSOS「T EQUIPE EVO」はBikeRadarでは★4.5ということから、MAAPビブのクオリティの高さが伝わります。
LOVE CYCLIST内でも、MAAPのビブは格別素晴らしいということを以前書きましたが、その感覚は海外でも共通するものだったということがわかり、とてもうれしい気持ち。
まだMAAPのビブを味わったことのないサイクリストには、ぜひ一度その履き心地を試してほしいと思います。
▼BikeRadarレビュー記事を読む(英語)
MAAP Team Bib 2.0 bib shorts review
極めて鮮やかなウェア体験
サイズ S(身長177cm/胸囲86cm)
この先一度長袖へ衣替えしたのなら、この着心地からは離れられないことだろうと思います。
たとえこれから凍える季節になったとしても、外で思い切り遊ぶ気持ちを鮮烈なブルーで彩りたいと思わせてくれる最高グレードのジャージ。それを、MAAPが僕らに提供してくれます。
Highs
・細部まで気を回した設計、完璧なスタイル
・柔らかな生地、冷気を入れない隙のなさ
・無駄のないデザイン、先染めブルーの綺麗な色
Lows
・特になし
MAAP Escape Pro Winterジャージを購入する
CYCLISM(MAAP正規代理店)