
マドリードで生まれた『NDLSS(エンドレス)』は、スペインの豊かなサイクリング文化に根ざし、モダンな感性と高い品質を融合してきた。
さまざまなブランドがある中で、NDLSSを選んできたRinとNonが、最新のカプセルコレクションを着る。
レビュアー
![]() |
![]() |
Rin(@f430_lisa_) スポーツバイク歴8年。さまざまなコニュニティを通じて仲間と出会い、価値観を共有しながら自身のライドスタイルを確立。バンクーバーに留学し、現地のコミュニティに入ってライドを楽しむなど、さまざまな視点を絡めながら自転車と向き合っている。 |
Non(@_nonpic) スポーツバイク歴7年。ショップ仲間やSNSで繋がったサイクリストとよく走り、脚力を維持するために時折朝練やローラー練もしている。車の運転が大好きで、自転車を車載してドライブを楽しみつつ、現地ではライドを楽しむというスタイルを特に好む。 |
Review / Rin & Non
Edit & Photo / Tats [PR]
NDLSS SS25

ジャージ/Away™ Jersey Salt(€130.00)、ビブショーツ/Away™ Cargo Bibs – Storm(€190.00)

ジャージ/Away™ Jersey Dust(€130.00)、ビブショーツ/Away™ Cargo Bibs – Eucalyptus(€190.00)
SS25のリミテッドコレクション「MENTAL™ Capsule」は、舗装路の先に広がる自然の表情、そして内側へと向かう静かなまなざしをテーマにしている。
パレット全体に漂うやわらかな明度と湿度が印象的で、強く主張する色はなく、すべてのトーンが距離を保って佇んでいる。コントラストを削ぎ落とすことで、着る者が“色に着られる”ことなく、むしろその空気感に身を委ねるような感覚だ。

←Salt | Dust→
ふたりが着るAWAYジャージの「Dust」と「Salt」。どちらも淡いニュートラルカラーだが、繊細なトーンの違いがある。

白に近い明るさの中でわずかにベージュを含んだ色味で、落ち着いたニュアンスがあるDust

空や光を柔らかく受け止めるような青味のある透明感があり、清涼感が際立つSalt

←Eucalyptus | Storm→
対してカーゴビブの「Eucalyptus」と「Storm」は、自然から抽出されたようなグリーンとグレー。このナチュラルな配色は、都市や山中などあらゆる環境に調和しながら静かな個性を出す。

NDLSSのキットは、ペダリングという反復行為を通じて自分の内側と向き合う「入り口」として機能する。装飾を削ぎ落としたカラーは、内面に集中するための静けさを提供しているように思える。
ジャージ – AWAYの着心地と空気感

AWAYは、NDLSSの中でもリラックスしたフィット感をもつモデル。
袖や胴まわりを柔らかく覆い、レース系ジャージの締め付けを好まないサイクリストでも自然に着られる。盛夏のライドでも蒸れを感じにくく、風の通りもよい。

幾何学模様のグラフィックは、遠目には無地に近く、近づくと初めて浮かび上がる。その静けさにこそ、NDLSSが大切にしている“余白”や“内面性”が感じられる。

メッシュベースレイヤーと組み合わせれば真夏の快適性とNDLSSの世界観も同時に得られる

袖は少し長めで、丈感はちょうどよい。着たとき綺麗に見えるシルエットになっている。

NDLSSの製品はすべてヨーロッパの工場で生産されており、環境基準の高いサプライチェーンを維持しながら、工場との関係性も大切にしている。機能とデザイン、そして背景にある物語のすべてが統合されることで、ただの“ウェア”ではない意味を持ち始める。
ビブショーツ – 長距離を支えるCargo Bibs

Cargo Bibsは、NDLSSらしいパフォーマンスと快適性のバランスを持ったボトムス。

比較的厚みがあって長距離耐性の高いパッド。後ろから見た際にパッドの形がくっきりと出てしまうため、見た目に関しては好みが分かれるかもしれない。

ストラップは柔らかく、肩にかかる圧力が少ない。背面のメッシュ素材も通気性が高く、汗をかいても熱がこもらない構造になっている。肌との摩擦や縫い目の違和感も少なく、ライドが長くなるほどに快適さを実感する。

一度使うとそれなしでは考えられないカーゴポケット
左右のカーゴポケットは脚のラインに滑らかに沿うつくり。ポケットがあることを忘れるくらい自然に溶け込むデザインは、ライド中の集中力を妨げない。

NDLSSは、製品の耐久性も重視している。高品質な素材に加え、裁断や縫製の細部にまでこだわり、何度着ても形崩れしにくい。環境に配慮したリサイクル素材を多く採用しているにもかかわらず、製品の寿命が長いことが、結果的に最もサステナブルであるという哲学を体現している。
装うことを意識しない



NDLSSは、ウェアを「自己表現の手段」ではなく、「自己と向き合う入り口」として設計している数少ないブランドのひとつだ。サイクリストの個性を前面に押し出すのではなく、風景や時間に溶け込みながら内面と向き合うことを促すようなウェアを生み出している。


SS25 “MENTAL™ Capsule”は、そうしたNDLSSの哲学を最も端的に表したコレクションなのだと思う。
静けさの中で、自分自身のリズムを見つけて走る。そんな体験を自然に引き出してくれるギアが、ここにある。



※チェックアウト時にプロモーションコード「LOVECYCLIST」を入力すると15%OFFになります