連休になるとロングライドに出かける方もいると思います。
長距離を走って普段行けないような遠くまで行くことができるようになることも、ロードバイクの楽しみ方のひとつ。ただ長時間走るので、ペース配分や力の使い方などを考えずに走ると、思ったよりも疲れが溜まりやすいものです。
ロングライドの基本は省エネ。楽しい小旅行ができるように、疲れにくい体のマネジメント方法をお伝えします。
Contents
1. 疲労マネジメントの基本
疲れないペダリングを行う
ロングライドで大事なのは、脚の疲労を軽減することです。そのためにも疲労の原因について把握しておきます。
2種類の疲労
疲労というのは大きく筋肉の疲労と心肺の疲労の2種類のものがあります。
筋肉の疲労: 筋肉を酷使することで血中に乳酸が溜まり、筋肉が持つ本来の力が出せなくなるもの。一度乳酸が溜まってしまうと回復までに大きく時間がかかる。
心肺の疲労: 運動強度を上げると心拍が上昇して苦しくなるもの。運動強度を下げるとすぐに回復する。
心肺は回復が早いので少し休憩すれば元に戻りますが、筋肉の疲労は元に戻りにくいため、長く走るためにはなるべく脚に乳酸を溜めないことがコツです。そのためにはどういうペダリングが良いでしょうか?
疲れないペダリングのコツ
筋肉が疲弊しないためには、軽いギアでくるくる回すペダリングが最適。
ギアを重くして脚の筋肉に負荷をかけると、無酸素運動傾向で乳酸が蓄積されてしまいます。逆に軽いギアでケイデンスを高くすれば、乳酸は溜まりにくくなります。心拍は上がってしまいますが、適度な休憩を挟みながら進めば、疲れの残らない走りができるようになります。
そのため長距離を走る際は、普段走っている時よりもギアを1枚以上意図的に軽くして、ケイデンスを上げて回すことを意識します。
さらに使えるテクニックとして、シーンに応じたペダリングを使い分けもできると筋肉疲労を分散できます。下記の記事を参考にしてみてください。
→3つの使い分けで速くなる!ロードバイクのペダリング術
ハンドルポジションを意図的に変える
上半身(腕・背中・首など)にかかる負荷は、ロングライドになるほど気になるようになります。そこで走りながらハンドルポジションを変えることで、筋肉への負荷を一箇所に集中させないようにします。
ロードバイクのハンドルポジションは、大きく以下3つに分けることができます。
ブラケットポジション:STIレバーのゴム部分を握る基本スタイル。このポジションで進むことがほとんど。
アップライトポジション:ハンドルの上部を握るリラックススタイル。上半身が疲れたときに上ハンにする。呼吸がしやすくなるので登り坂でも有効。
ドロップポジション:ハンドルの下部分を握るスタイル。空気抵抗を減らしたいときに下ハンにする。下りや向かい風のときに有効。
ロングライドになるほど上ハンを握る割合が多くなると思います。疲れを溜めないためには、頻繁にブラケットと上ハンを行き来するようにします。
お腹が空く前に補給食を摂取する
エネルギーが切れてハンガーノック(低血糖状態)になると、エネルギーを摂取してもすぐに栄養素が吸収されないので、回復するには半日以上かかることもあります。そうなるとロングライドを続けることがとてもつらくなります。
そこで1日中走る場合は、午前中に意図的に補給食を摂取するようにします。摂取した食べ物がエネルギーに変わるまでは3時間はかかるので、午前しっかり食べておけば午後までお腹を持たせることができます。
新開さんほど常に食べている必要はありませんが、パワーバーやジェルを最低3本は持っておいて(摂取量に個人差はありますが)、食事の合間に摂取するようにします。
水分補給も当然こまめに行うことを忘れずに。
休憩スパンを設定する
ちょっと疲れてきたなと感じる前に意図的に休憩を挟みます。
乗り手の体力次第ですが、1時間ごとに5分休憩を挟むなど、休憩間隔を予め決めておくと、体の状態を確認ながら進むことができるのでおすすめ。
2. ロングライド向けのアイテム
布ズレを防ぐシャモアクリーム
シャモアクリームとは、ビブショーツのパッド部分に塗布するもので、肌と生地の間の布ズレを防ぐものです。短い距離を走っているときは気になりませんが、長距離で股ずれやおしり表面の痛みなどが起きると非常にストレスを感じると思います。
シャモアクリームを使うことでそういった不快な状態を防ぎ、ペダリングに集中することができます。
定番の「アソス シャーミークリーム 」。メントールが入っているので暑い季節に最適です。
Raphaのシャモアクリームは少し値段が張りますが、抗菌作用があり香りも良いです。
もしものときのための輪行袋とクリートカバー
- ・パンクが2回起きて走れなくなった
- ・落車してディレイラーハンガーが曲がってしまった
- ・目的地に辿り着く前に疲れてしまった
などなど、ロングライドはこういったトラブルに会ったときに、電車などほかの交通手段で移動できるように輪行袋は持ち歩いて置いたほうが安心。
僕はロングライドする際は「Pocket In 超軽量輪行袋」をサドルバッグに入れて持ち運ぶこともあります。
また、歩きになるので、ビンディングシューズを使っている場合はクリートカバーも持っておくと、歩きがそれほど負荷になりません(写真はシマノ用)。
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普段のトレーニングライドはいかに自分に負荷をかけるかを意識しますが、ロングライドの場合は逆に、いかに少ないエネルギーで遠くまでいくことができるかを考えて走ります。そのためにも意図的に走り方を変えることが大事。
効率的なペダリングや早めの補給・休憩でロングライドを楽しんでくださいね。