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review/Hiroko(@ihirob)
edit & photo/Tats(@tats_lovecyclist)
スキンスーツというと、レースで使用するイメージが強いかもしれません。
もともとは空気抵抗削減を目的として開発され、コンマ1秒を争うTT種目で着用されることの多い“機材”だったので、普段のライドであってもトレーニングで使うものだと。
ただ実際に着てみると、機能性だけでなくスタイリングにおいても、ジャージ+ビブショーツを上回るメリットが数多くあることに気が付きます。
オランダの女性ブランド「Susy Cyclewear」のスキンスーツは、そういったスタイルを重視した女性のためのプロダクト。
Susy cyclewear
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©Susy cyclewear
ブランド名の由来となっているオーナーのスージーはファッション業界出身。
2015年にロードサイクリングをはじめた彼女は、サイクルウェアに女性的なアプローチが足りないことに気づいて、ポーランドやイタリアを巡りながら、ウェアのスタイリングや色や生地など、できることすべてを見直すことにしました。そうして立ち上がったブランドが「Susy cyclewear」。
*本レビューで使用するスキンスーツはSusy Cyclewear提供のものです。
Susy cyclewear – Women’s Cyclingsuit
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Women’s Cyclingsuit Black – €159,95
全身黒、というインパクトの強いウェアは、一見「体型で勝負するウェア」という言葉がぴったりかもしれません。
サイクルウェアは最初の頃はゆったりしたものを選びがちですが、どうしても垢抜けない雰囲気が出てしまうもの。それに気がつくと、「美しく見せたい」という気持ちからタイトなシルエットを選択するようになります。
だから、体型で勝負するウェア=美しく見せたいという気持ちを素直に表してくれる衣装。
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裾にピンクのラインが入ることでポップな印象もプラス
細部に目を向けると、裾が通常のビブよりも5cmほど短めなショート丈。出ている脚の長さが増えることで、スタイルがよく見える女性ウェアならではの特徴。
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また腰にあしらわれたベルトは機能的な装飾ではありませんが、腰の位置を高くして、体のラインを綺麗にみせるためのアクセントとしてとても効果的。
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こういった部分から、Susyが作るのはレースで勝つためのウェアではなく、いつものライドのスタイリングを大事にするウェアだということがわかります。
だからフィット感もそれほどきつくない。締め付けるというよりは、体のラインに馴染むという感覚。
スキンスーツ4つのメリット
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スキンスーツがジャージ+ビブショーツを超えるメリットのひとつは、「肩紐のストレスがない」という点。
ロングライドでは肩がこるため、どんなに肩紐が快適なビブショーツを着たとしても、存在しないことに勝るものはありません。
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そしてサイジングも合わせやすい。ビブショーツの場合、身長が高いと足の太さに合わせたとき肩紐が短くてきついことがあり、逆に肩紐に合わせると腿周りが余ってしまうことも。
スキンスーツは基本的にサイズガイドに合わせれば、肩紐まわりからくるサイズ選びの難しさがなくなります。
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トイレの行きやすさも外すことはできません。
ジャージのときは、上を脱いで、棚があればそこにジャージを置いて、それからビブの肩紐を下ろす。
対してスキンスーツは1アクションで脱げます。これがあるから、スキンスーツを好んで着るサイクリストもいるほど。
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コーディネートを考える必要がない、というのもメリット。
「1枚着ればOK」というのは、時間がないときやコーデを考えるのが面倒なときに助かります(逆にコーデを楽しみたい場合はつまらない点かもしれません)。
スキンスーツのディティール
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Susyのロゴは反射プリント
スキンスーツ全般に言えることですが、バックポケットの収容力は一般的なジャージに比べて劣ります。財布とスマートフォンを左右に入れるだけでほとんどいっぱいになるので、ほかに必要なものはツールボトルやバーバッグなどを活用する必要があります。
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女性用に設計されたパッドは少し厚めなので、長めのライドにも対応
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このスキンスーツは裾がゴムバンド型になっています。裾がズレないためと、デザインのアクセントのための設計だと思いますが、少し腿に食い込む形になるので、腿の太さによってはソーセージレッグになってしまいます。ここはフラットな設計の方がうれしいかも。
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少し冷えるときはいつもと同じようにジャケットを羽織ればOK
いつものライドに、「スキンスーツ」という選択肢。
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「肩紐ストレスからの解放」という点が最もスキンスーツの良さを表している部分だと思います。長時間着ても肩が疲れない、トイレの煩わしさがなくなる、サイズが合わせやすい。
Susyのスキンスーツは、レースよりも普段のライド寄りの設計なので、スキンスーツを試してみたいけれど抵抗があったというサイクリストに最適な一枚。
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体のラインを綺麗に見せるブラックで、スタイリッシュなスキンスーツの着こなしを、ここから始めることができます。
Highs
- ・体のラインが綺麗に見える
・肩紐のストレスがない
・コーディネートに悩まない
・トイレに行きやすい
Lows
- ・バックポケットの容量が少ない
・裾が若干食い込む
※サイズ選びは「サイズガイド」を参照してください
review/Hiroko(@ihirob)
edit & photo/Tats(@tats_lovecyclist)