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アンバウンドのセットアップのまま、ホイールだけ変えて全米最速クリテで優勝する人
タルサ・タフの勝利
アメリカのクリテリウムレース「Tulsa Tough(タルサ・タフ)」で、Scottのグラベルバイク『Addict Gravel』に32mmのロードタイヤを履かせたマシュー・ウィルソン選手が勝利した。
ウィルソンは3週間前のアンバウンド・グラベル2026で、同じAddict Gravelに乗って28位に入ったばかりだが、そこから200マイル南下したタルサのクリテレースに同じバイクに乗ることを決めた。ホイールは32cを履かせるために、ディープリムのSyncrosを選択。でもギアは50Tチェーンリングと11-34Tのロード用カセットスプロケットそのまま。
タルサ・タフは、荒れた舗装路と直角コーナーが連続する街区を、超高速域で周回する極限の加減速レースだ。プロカテゴリーは約1.1kmの特設コースを約70分間、計50〜60周回する。特に最終日の名物ステージは、最大斜度10%近くに達する「クライ・ベイビー・ヒル」のガタついた激坂を何度も超える過酷なプロファイルを持ち、このガチンコ・ロードレースをグラベルバイクが制した。
レーシンググラベル=オールロード
この勝利は、現代のレーシンググラベルが単なるグラベルレース用バイクではなく、極めて高い次元でオンロードを走る能力を備えたオールロードバイクであることを証明している。
かつてのグラベルバイクは、高スタック・短リーチのジオメトリが多く、オンロードでの高速巡航には不向きとされていた。しかし近年のレース系グラベルは、ピュアレーサーと遜色ない空力性能と軽量性を手に入れ、ジオメトリも前傾姿勢へと最適化されている。
ウィルソンが乗る『Addict Gravel』のフレームジオメトリは、ロード用の『Addict RC』と非常に近い。軽量なグラベルバイクで、機敏な走りも対応できる。つまり、同じバイクで45mm以上のタイヤを履けば世界最高峰のアンバウンドで、32mmのスリックタイヤを履かせれば全米最速のタルサ・タフで戦えるということだ。たとえギア比に制限のあるフロントシングルであったとしても。
「ホイールやタイヤを交換するだけで、あらゆる路面でトップパフォーマンスを発揮する」というオールロードの本質的な理想はずっと語られてきたが、それはエンデュランスロードの延長線上にはなく、レーシンググラベルの進化とウィルソンの勝利によって証明された。
text / Tats(@tats_lovecyclist)
参考:The Biggest Crit in America Was Just Won on A Gravel Bike(VELO)















