
グループライド“いるいる”
英国のサイクリングメディア『Cycling Weekly』のコラムニスト、Dr Hutchinsonが「ライドリーダーの最も顕著な特徴はナビゲーションが下手なことだ」という記事を書いている。実際日本で出会うライドリーダーのほとんどはそんなことはないので、日本と英国では事情がちょっと異なるかもしれない。
ただグループライドに登場するキャラクターの「いるいる」がまとめられていて、お国柄を伺えるので整理しておく。
グループライドに登場するキャラクター
① ライドリーダー
まだ互いをよく知らないメンバーが集まるときには、グループライドに責任者が必要となる。その役を引き受けるのが『ライドリーダー』。
彼らの最大の特徴は、ナビゲーションが下手なことである。これは逆説的に聞こえるが、理由がある。彼らは真面目で責任感が強く、自ら進んでルートを計画し、使い方を半分しか知らないGPSにデータをアップロードし、「絶対にカフェにたどり着ける」と大きな約束をするタイプだからだ。失敗への不安が、かえってミスを呼び込む。
交差点ごとに「左!……いや右……ごめん、やっぱり左……GPSがリセットされた、ちょっと止まって」という展開は、このタイプが先頭にいる証拠だ。
*編集部注:日本ではナビゲーションが下手なライドリーダーにはあまり出会わない。道を間違えることも稀にあるが、地図を見ながら先導してくれているリーダーには感謝しかない。どちらかというと手信号が接待レベルに丁寧で、道中ずっと手振りしているリーダーは見たことがある。
② 軍曹
ライドリーダーとは別に現れる自称責任者が『軍曹』。ひっきりなしに号令をかけ、グループをコントロールしようとする。
「先頭交代しろ!」「その程度の穴でいちいち指を差すな!」「なぜ車に道を譲る?こっちが先に行けばいいんだ」。指示の内容は一貫しており、間違ってもいない。ただ、誰も頼んでいない。
『軍曹』が最も苦手とするのが、次に紹介する『レッカー』だ。
*編集部注:軍曹のようなキャラクターは最終的にはコミュニティから除外されることが多い。ただライド中に指摘が必要なことはあるので、危険な走行などはコミュニティ内でなあなあにせず、ちゃんと伝えることが大切(ただし怒鳴らない)。
③ レッカー
どの登りでも必ず先頭に出て、全力で踏み倒す人物。それが『レッカー(破壊者)』。
レッカーの動機はシンプルで、より良いワークアウトをしたいということ。グループを壊すつもりはないが、結果としてペースは崩れ、後続は千切れ、『軍曹』は怒鳴り続ける。
レッカーの本質は「穏やかなライドで激しく走りたい」という矛盾にある。ハードなグループライドには行かず、緩いグループライドでハードに走る。軍曹の指示には完全に免疫があるため、誰にも止められない。
*編集部注:レッカーはどのグループライドにも存在しがち。残されたほかのメンバーはレッカーのペースに振り回されないことが大切。あるいはコミュニティによっては、あえてレッカーが起こした波に乗って楽しむこともあり。
④ 才能ある初心者
グループの中でも、特に印象に残る存在が『才能ある初心者』だ。
Hutchinsonが以前参加していた速いグループライドに、安いアルミ製ハイブリッド車で現れた男性がいた。最初の登りを前に、古参メンバー全員が「ちぎれても心配するな、待ってやる」と声をかけた。しかし彼は登りで約650Wを叩き出し、まるでスキーリフトに引かれるように頂上まで駆け上がった。
*編集部注:才能ある初心者は、脚の合う速い仲間を求めて、早かれ遅かれ別のコミュニティへ移籍していく。
⑤ 寡黙な存在
黙々とライドをこなすだけで、特に目立たない存在『寡黙な存在』。
ただもし自分が寡黙な存在だと思っている場合、実は『レッカー』である可能性もある。なぜならグループライドの参加者は、自分がどのキャラクターかを客観的に把握できないからだ。それがまた面白い。
*編集部注:グループライドで周りと交流せず、静かに淡々と走る参加者は一定いる。イベントなどでは、ライドリーダーや周囲のメンバーがそういった人をちゃんとケアすることも大切。
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ここまでが記事内で紹介されていたキャラクターだが、ほかにもよく見かけるキャラはいる。
・走行中ずっと喋り続ける『ムードメーカー』
・千切れた人を気にかけて全体のペースメイクを打診する『羊飼い』
・グループ内の人間関係の噂話を聞いたり吹聴する『ゴシップ屋』
・聞かれていないのにフォームや機材の改善点を指摘する『アドバイス魔』
などなど。あなたはどのキャラクターに近いだろうか?グループライド内で役割について話してみるのも面白そう。
*参考: The most outstanding characteristic of the ride-leader is being bad at navigation.(Cycling Weekly)
著者情報
![]() | Tats Shimizu(@tats_lovecyclist) 編集長&フォトグラファー。スポーツバイク歴12年。海外ブランドと幅広い交友関係を持ち、メディアを通じてさまざまなスタイルの提案を行っている。同時にフォトグラファーとして国内外の自転車ブランドの撮影を多数手掛ける。メインバイクはStandert(ロード)とFactor(グラベル)。 |
















