Text by Tats(@tats_lovecyclist)
「シンプルで美しいものは“正しい”」という考え方があります。
衣類でも、生活家電でも、ガジェットでも、シンプルで美しいものはスッと自分たちのスタイルに馴染み、誰にでも受け入れられやすい性質を備えているもの。
僕も何かを選択する必要があるとき、「シンプルで美しいか」という判断基準はひとつの重要な指標になっています。
今回はそんな考え方がぴったり当てはまる、革新的なジャージについての話です。
※本レビューで使用するジャージはVERTEX LONDON提供のものです。
シンプルで美しいブランドが生む革新的ジャージ。
Essense Jersey – $75.00 USD
ハイレベルなウェアを提供する2016年創業の英国ブランド「VERTEX LONDON(ヴァーテクス・ロンドン)」。
VERTEXが作り出すプロダクトからは、僕が大事にしたいシンプルで芯の通った美しさをいつも感じることができます。
2019春夏用にリリースされた“Essense”も、これまでと同様にシンプルで美しいコンセプトを表現したウェアですが、それと同時に、これまでにない革新的な要素を持ったジャージでもあります。
一見、従来のVERTEXのデザインパターンから大きく逸脱していないため、今までと何が違うのか?と感じるかもしれません。
でも僕がそう伝える理由は、このクオリティのウェアが$75.00(約¥8,500)という価格で提供されていることにあります。
エントリークラスでの比類なきクオリティ。
ウェアのコストを抑えるためにできることは、素材や部品のグレードを変えること、プリントの面積や色を抑えること、生産ロットを増やすこと、中間マージンをなくすことなどがあります。
Essenseジャージはその点がバランスよく考えられていて、上位モデルと遜色ない範囲で生産コストが調整されています。
だから品質の低下につながっているはずもなく、むしろ「本当に$75なの?」というレベルなのがEssenseジャージのすごいところ。
たとえば生地は、先染めの生地を全体に使用。
糸から染め上げる方式なので生地自体が高価になってしまうものですが、エントリークラスのジャージに多いプリント生地よりも、深みのある美しい仕上がりの色になっています。
生地感もとてもきめ細かく滑らかな表面で、すごく気持ちがいい。
Vertexのアイデンティティである2本のストライプは、シルクスクリーン印刷によって左袖に浮き出ています。こういったプリントはコストがかかりますが、あえて白ストライプをしっかり乗せることで、ジャージに高級感を与えています。
袖口も裏面にテープが配されていて、腕に優しく沿う美しい仕上がり。
バックポケットはシンプルで十分に機能的。
手が届きやすい高さにあり、また当然のように4thポケットもあるのがうれしい。
こうして細部にこだわった設計から生み出される全体の仕上がりは、$75とは思えないほど完成されたものになっています。
華のあるカラーバリエーション
カラーバリエーションが豊富なのも、選び手としてうれしい部分。
4色のカラー展開のうち、僕たちはPeacock(緑)・Midnight Navy(青)・Black(黒)の3つを選びました。ただの色違いというよりも、それぞれに華があるバリエーション。
限定カラーのPeacockが最も綺麗。女性の華やかさを自然と引き出すような色だと感じます(メンズSを着用)。
着用サイズ S(身長169cm/胸囲81cm)
濃いブルーは、若々しさのなかに落ち着きを感じさせてくれるぱっきりした色(この色好きです)。
着用サイズ S(身長177cm/胸囲86cm)
そして定番のブラックは、冬にレビューした長袖ジャージと同様に、深みがあって目立つ黒。光を吸収する発色は、いつも美しい。
おしゃれなウェアを、ここからはじめよう。
海外ブランドのウェアは、価格が高かったり、サイズが合わないのが怖くて手が出せないという話をよく聞きます。でも仲間の購入をサポートして一度でも着てもらうと、「こんなに良いものなのか」といつも満足してもらえます。
Essenseジャージは、そんな一歩を踏み出すのに最適なウェア。価格もさることながら、シンプルで美しく、着ることに抵抗を感じないデザイン。そして適度なレースフィットなので、タイト過ぎるシルエットが苦手なサイクリストであっても着こなしやすく、自然と洗練された印象を与えてくれます。
もちろん、ジャージを着慣れたサイクリストがトレーニング用として選択しても十分な機能性を持っているし、あるいはただシンプルなジャージが欲しいと思ったときの選択肢としても最適。
着る用途の縛りもない懐の深いEssenseジャージは、間違いなく「シンプルで美しく、正しいジャージ」だと感じます。