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Text by Ryuji(@marusa8478)
Photo by Tats(@tats_lovecyclist)
“Be your alter ego(別人格になる)”というブランドコンセプトを持つオーストラリアのブランド「Attaquer(アタッカー)」は、さまざまなライドスタイルに合わせられるように、複数のシリーズをラインナップしているブランドです。LOVE CYCLISTでもこれまで何度も同社のウェアをレビューする中で、それぞれのシリーズが持つコンセプトを常に体感してきました。
本記事でレビューする「All Day」シリーズは、Attaquerがラインナップするシリーズの中でも快適なライドにフォーカスした最もターゲットユーザーの広いシリーズです。
今回僕Ryujiと一緒にレビューしてくれたのは、サイクリングファッションに対する感度の高いライド仲間のMei。新鮮な感性と自身の経験を踏まえて話してくれました。
*本レビューで使用するウェアはAttaquer Japan(アタッカー・ジャパン)提供のものです。
レビュアー
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Mei(@meisan_no_yakata):大学のサイクリング同好会に所属する学生。スポーツバイク歴は4年。これまでブルベやヒルクライムなどのイベントに参加し、様々な自転車の楽しみ方に触れてきた。自転車を始めた頃からサイクルウェアに対する興味が深く、独自の感性で自転車ファッションを楽しんでいる。
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Ryuji:LOVE CYCLIST共同編集者。スポーツバイク歴は12年。競技者として打ち込んだ数年間を経て、現在は自転車をライフスタイルのひとつと捉え、1週間のサイクルの中で無理なくライドを取り入れ楽しんでいる。
Attaquer – All Day Club Jersey Winter
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All Day Club Jersey Winter(メンズ/レディース)- ¥17,000
Ryuji:今回僕たちは「All Day」シリーズのウィンタージャージを着て、結構長めの距離を走りました。Meiはこのウェアどう感じましたか?
Mei:着てすぐに思ったのが、私が今まで着たことのある海外ブランドと違って、いい意味で”癖のないウェア”だなということです。
たとえば個人的に持っている“7mesh”だと、もともと登山用のアパレルブランドなので、普段着に近いゆとりのあるサイズ感のウェアが多い印象です。ほかに、私が所属するサークル内でも人気の“Pas Normal Studios”だと、強度の高いライドに特化したかなりタイトなウェアが揃っています。
そんな中でAttaquerの「All Day」は、緩すぎずキツすぎず、誰が選んでも着やすい感じがしますね。
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Ryuji:“癖のないウェア”、同感です。サイクリストは冬シーズンになると、強度を落として長く乗る傾向があるので、「All Day」ラインの“長時間着ても快適なライドができる”というウェアのつくりが、冬のライドと親和性が高いと感じます。
Mei:柔らかくてよく伸びる生地が気持ち良いですしね。
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Ryuji:ほどよく起毛した裏地なので、10℃前後ならこれをメインにしつつ、コンパクトなウィンドジャケットをバックポケットに1枚入れておけば困ることはないと思います。厳冬期にはソフトシェル系のジャケットを羽織ればさらに着用シーンの幅が広がりますし。
All Dayのサイズ感
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Ryuji:ほかに何か気が付いた点はありますか?
Mei:サイズ選択についてですね。普段海外ブランドのウェアなら国内ブランドのワンサイズ小さめを選択していますが、Attaquerサイトのレディースのサイズガイドを見ると、適正サイズだったのは国内ブランドでのサイズ選択と同じでした。
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【着用サイズ】Mei: レディースM(167cm, 胸囲85cm)、Ryuji: メンズXS(169cm, 胸囲81cm)
Mei:私の場合は以前競泳をやっていたこともあって、肩幅が広めでいつもサイズ選択に苦労しているんです。でも実際に届いたウェアを着てみると、生地の伸びも良いのでサイズ感はバッチリでした。
Ryuji:海外ブランドを購入するときにネックになりがちなのがサイズの問題なので、サイズガイドから選択したサイズがイメージ通りであることは大切なことですね。
今回僕の場合も、国内ブランドを基準にせずサイズガイド通りXSを選びましたが、生地の伸縮性が高いのでぴったりでした。
Mei:もしタイトめに着るなら、ワンサイズ小さくしてもいけるかなと思います。
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手首にフィットするナチュラルな袖口
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バックポケットは高さがあって収容力高め
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襟裏の“F○CK YEAH”。見えない部分のテンションアゲコピーが最高
冬のライドを快適にしてくれるベースレイヤー
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Long Sleeve Winter Undershirt – ¥8,000(メンズ・レディース共通)
Ryuji:今日は2人ともジャージの下に同じAttaquerの長袖アンダーシャツも着ていますが、これも良いインナーですね。
Mei:ジャージに負けないくらい着心地がよくて、ストレスがありません。胴体部分を見ていて気が付いたのですが、縫い目がないんですね。
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Ryuji:良く見ていますね…!一般的なTシャツとかにもときどき見られる縫い目のない「丸胴仕様」ですね。この仕様は製作コストや製造技術の高さが求められますが、その恩恵あって着心地が良くなっていると思います。
Mei:生地の保温と排熱のバランスも良い感じで、かなり強度を上げたときもぜんぜん不快感がありませんでした。
小粋だけど正統派なブランド
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Ryuji:Meiは「Attaquer」というブランドに対してどんなイメージを持っていますか?
Mei:一般的なアパレルのジャンルで言えばストリート系というか、ちょっとやんちゃそうなブランドというイメージがあって、普段私はそういったジャンルの洋服はあまり着ないかもしれません。
でもサイクルウェアだと普段着とは違って、少し冒険できる部分があるっていうか、いつもと違う自分になれるブランドで楽しいです。
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Ryuji:“Be your alter ego(別人格になる)”というブランドコンセプトがあるように、Attaquerのウェアにはそういった粋な遊び心を感じますよね。それにファション性の高さだけじゃなくサイクルウェアとしてテクニカルな部分も疎かにしないという正統派な面も持ち合わせています。
Mei:先日Tatsさんたちが着ていた「Race Reflex」もよかったですしね。こういうウェアを見ていると作り手の人たちが本当に”自転車が好き”なんだってことを感じます。
All Dayジャージと組み合わせられるジレ。「All Day Quilted Gilet」レビュー
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All Day Quilted Gilet – ¥20,000
ダウンベストのようなジレ。暖かさ、軽さ、厚みの全てが一級品。
最近どのブランドでも見かけるようになったアウターレイヤー「ジレ」。着脱のしやすさやポケッタブルなサイズ感もさることながら、胴体部分のみを覆う形状が、ハイテンポなライドでもオーバーヒートを防いでくれます。僕も数年前からこれくらいのシーズンになるとジレを多用しています。
Attaquerからリリースされている「All Day Quilted Gilet」は、ナイロンやポリエステルなどで構成された薄手のジレとは違って、キルティングされ中綿が入ったダウンベストのような作りになっています。
中綿に使用される素材は”Harnessing Primaloft”。人工的に作られたダウンのような素材で、その暖かさは天然のダウンを上回ると言われています。
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着てみると、体幹部分のみが完全に冷気から遮断されたような感覚が得られます。
かなり暖かいので、走り続けていると流石に汗ばんできますが、ジッパーの開閉で温度調節は容易です。さらにバックポケット部周辺は通気性のいい生地が使われているので、上手く蒸気を排出する構造です。
暖かさ、軽さ、厚みの全てが一級品。
また「All Day Quilted Gilet」の特出する点は、絶妙な厚みと軽さにもあります。
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保温性に優れた中綿を採用したことで、薄く、軽く仕上げることができている点も長距離スポーツであるロードバイクにとっては大きなアドバンテージ。
着心地にストレスがなく、ロングライド中もほぼずっと着た状態で走ることができました。
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もちろん走る強度や気温によってはジレは必要ないケースもあるかもしれませんが、個人的に「All Day Quilted Gilet」は日本の冬に最も適した今年のベストバイジレです。
All Dayシリーズを購入する
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※メンズ/ウィメンズあり
Text by Ryuji(@marusa8478)
Photo by Tats(@tats_lovecyclist)
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