ライド×ファッションを体現する冬用ジャケット。Café du Cycliste「LEONIE」レビュー

Text by Ryuji@marusa8478

サイクルウェアは常に進化していますが、求められる機能や、他のスポーツとは異なった特異な環境に適応するために、ある程度の完成形が決まっています。

特にウィンターシーズンのウェアとなると、寒さを凌ぐための機能性が求めらるため、技術力のあるブランドでないとクオリティを担保できないという課題も存在します。その結果、冬用ウェアの選択肢は夏用に比べると少ない傾向にあると言えます。

そんな冬用ウェアマーケットにおいても、常にクリエイティブなウェアをリリースし続けるフランスのブランド“Café du Cycliste(カフェ・ドゥ・シクリステ)”から、また素敵なウィンタージャケットが登場しました。

*本レビューで使用するウェアはCafé du Cycliste提供のものです。

LEONIE – VERT D’EAU

レオニー ヴェール ド(¥27,510)

LEONIEは80年代のスキーブームシーンからインスピレーションを得ています。特徴的なキルティング部分の色合いは今のトレンドを追いかけるカラーではありませんが、どことなく懐かしい、その時代特有の味のある色合いです。

僕自身は年齢的にスキーブームがあった時代のことをこの目で見たわけではないですが、ファッションのブームが一周してまた流行するように、今あえてこういった色味に仕上げることが新鮮に感じられる時代になったのかもと感じました。

サイズ感と着心地について

サイズ: XS(169㎝/胸囲81cm)

今回僕が着用したサイズはXS。着丈、そで丈の長さはちょうどよく、胴回りのフィット感もぴったり。また同社の多くのウェアに言えることですが、乗車姿勢に特化させすぎず、各所に少しの余裕を持たせたストレスの少ない作りになっているのも特徴です。

保温性と透湿性の高バランス

スキーウェアからインスピレーションを得たというキルティング部分には中綿が仕込まれていて、高い保温性と防風性を発揮します。

逆に後ろ身頃には適度な通気性と伸縮性の高い生地が使用され、高まった体温とそれを冷却してくれる外気とのバランスがとてもいい感じに仕上げられています。 

背面ポケットの収納量は十分。中央はジッパーポケット付き。

袖部分の裏側は、乗車姿勢時の進行方向側にだけウィンドプルーフ加工が施されています。こういったディティールへのこだわりはさすがです。

普段着のような程よい抜け感

サイクリングウェアは機能とファッションを天秤にかけた時、スポーツウェアである以上、機能性を重視していく傾向にあるのは当然のことです。しかし、同社のウェアはそのバランスに関しても絶妙。

ライドの合間に立ち寄ったカフェで過ごすひとときの事まで考えて作られたかのように、サドルから降りた時のスタイルも様になります

ちょっと気分が高揚してペダルにトルクをかけたとしても、体の動きを追従するかのように伸縮してストレスを受けず、あくまでサイクリングウェアであるということを感じさせてくれます。

ファッションとサイクリングへのリスペクトから生まれたウェア

Café du Cyclisteのラインナップには根本的にファッションシーンやサイクリング以外のカルチャーからインスピレーションを得てデザインされているものが多く、機能性を全面に押し出してきたような他のブランドとは一線を画しています。

速さが正義だったこれまでの業界に疑問を投げかけるようなウェアがリリースされるたびに僕はいつも興奮させられますが、そこには常にファッションとサイクリングへのリスペクトが存在しているのだと思います。

スキーブームの時代にファッションを通してそのスポーツの素晴らしさを表現していたスキーウェア。現代の多様性を増したサイクリングカルチャーにおいても、それぞれのライドスタイルに合わせた選択肢があることは好ましいことです。そんな思いを表現してくれているのが、このLEONIEであると感じます。

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 LEONIE(Café du Cycliste公式サイト)