サイクルウェアが年々洗練されている昨今、ファッション性の高いウェアと合わせやすいシンプルなシューズもトレンドになっています。
特に真っ白なシューズと白ソックスを合わせて、キレイめな印象を作るのは昨年からの定番コーディネート。足元をきれいに整えることは、速く、そしてスマートに走るサイクリストのスタイルを、より完成度の高いものに仕上げるもの。
そして「dhb」のカーボンロードシューズも、そのスタイルを実現させる選択肢のひとつに入ります。
※本シューズはWiggleより提供いただいたものです。
1. Aeronカーボンシューズ スペック
クリート | 3穴タイプ |
アッパー | ポリウレタン樹脂 |
ソール | カーボンコンポジット |
留め具 | ダイヤル+ベルクロ |
重量 | 約245g(片足) |
価格 | |
Wiggleの自社ブランド“dhb”が展開するシューズの中でも、ハイエンドモデルにあたる「Aeronカーボンロードシューズ」は、白で統一されていてとてもシンプルなデザイン。
このトレンドに沿ったデザインだけでなく、スペックを見ても、カーボンコンポジットソール+ダイヤルタイプのロード用シューズが割引込で¥13,000台という値段設定は破格。
dhbがコスパに優れているのは既知のことですが、他ブランドでは1万円台後半からがスタートになるスペックにおいて、この価格差がどれほど履き心地やパフォーマンスに影響してくるかを見ていきます。
2. シューズのフィット感
フィット感は全体的に「ちょっとだけ余裕があって楽な感じ」。僕は甲高・幅広の日本人型ですが、それでも幅は少し余裕があります。
ただヒールカップは踵がずれないようにぴったりと収まっているため、全体的なフィット感のバランスが良くできているシューズだと感じます。
またトゥカップに余裕を持たせてあるのも良い点で、つま先側に余裕があるとトルクをかけやすくなります。
ラインナップにナローフィット/ワイドフィットといった区分けがないのは、アジア系やヨーロッパ系といった足型の違いをこれ一足で包括できるように、あらゆる足型を考慮した最大公約数のモールディングをしているからだと思います。
ちゃんとホールドしつつ、履いたときのストレスを与えない設計。
便利なatopダイヤル
留め具は付け根側が”atop”のダイヤル。ダイヤル式はBOAがメジャーですが、dhbは異なるブランドのatopを採用しています。
もちろんダイヤルなので、最終的な締め付けの調整しやすさは抜群。足の甲を覆うように配されたアッパーとatopダイヤルによって、甲高でも無理なくフィットできるようなつくりになっています。
atopがBOAとちょっと使い勝手が異なるのが、リリースするときはBOAのようにダイヤルを引っ張るのではなく、逆方向に回転させる点。そのためBOAダイヤルの上位モデルのように逆方向に緩める調整はできません。
またBOA上位モデルと比べると1コマの調整間隔が大きく感じますが、よほど細かい点を気にするサイクリストでなければ問題なさそう。
ベルクロ
甲にある2本のベルクロは、アッパーの柔軟性がそれほどないのであまり締め付けを調整できません。
ダイヤルでしっかりフィットさせ、足の甲部分は少し遊びができるような感じになります。
ペダリングに大きく影響するほどではありませんが、足全体のフィット感を重視すると少しだけ粗さを感じます。
3. ソールのパワー伝達力
高剛性のアウトソール
ロード用シューズのソール素材は「樹脂製」「カーボンコンポジット(カーボン+樹脂)」「フルカーボン」の3つに分かれます。後者ほど硬くて軽量。
その中でAeronシューズのソールは中間にあたるカーボンコンポジット。「カーボンロードシューズ」という名称ですが、フルカーボンでない点は注意。
レースで限界までパフォーマンスを求めるのであればカーボンを選択すべきですが、通常使用ではカーボンコンポジットでも全く問題ないレベルの剛性です。
実際トルクをかけてPWR5倍以上で踏んでもよじれる感覚はほとんどありません。僕は普段のライドでスプリントすることはほぼないのでこれでも十分。
インソールは交換の余地あり
付属のインソールはおまけのようなもの。
アウトソールが硬いので不満は感じにくいかもしれませんが、普段高剛性のインソールSolestarを使っている足の気持ちで判断すると、少し足の裏のグリップ力や固定力に心許なさを感じます。
もしお気に入りのインソールが手元にあれば、交換するとより良いフィット具合を得られると思います。
※本レビューの範囲外ですが、AeronシューズのインソールをSolestarに入れ替えると極上のフィット感と力の伝わり具合に。Solestar万能過ぎる。
4.【重要】サイズの選び方
dhbシューズのサイズ選びは「ワンサイズダウン」が基本。
- フィット: 普段のサイズよりワンサイズ小さめを選択されるのがお勧めです。
Wiggleが上記のように推奨している通り、僕の場合シューズの基本サイズは41なので、dhbは40を選択しています。それでジャストサイズ。
商品ページに記載のレビューの中には2サイズ落としたほうが良いという意見もあったため、実際に2サイズ小さい39も試してみましたが、つま先側がかなり窮屈に。このシューズのメリットのひとつである「余裕のあるトゥボックス」の良さがなくなってしまうので、ほとんどのサイクリストは1サイズダウンで十分です。
参考までに、僕がフィットする各シューズメーカーのサイズを記載します。
※普段のスニーカーのサイズは26cm
メーカー | サイズ |
dhb | 40 |
Specialized | 42 |
LAKE | 41 |
GIRO | 42.5 |
Shimano | 41 |
5. シンプルなコーディネートを、ここから始める
コーディネートにおいてシューズはシンプルなものを選ぶ方がスマート。中でも真っ白なシューズは足元軽やかで全体の印象を明るくしてくれます。
Aeronシューズはシンプルに白のワントーンで構成されていて、dhbロゴの主張も少なく、装飾を最小限に抑えてあるのがとても良い印象。
そして幅広の足に合わせやすい型は、多くの日本のサイクリストにフィットすることと思います。
何より価格が良心的過ぎて、ビンディングシューズデビューしたい初級者はもちろん、今使っているシューズに不満を抱えていて、ほかのシューズを試してみたい中級者以上にも最適。ビンディングシステムのペダリングに慣れたサイクリストでも充分納得できる性能とスタイルを備えていると感じます。
Highs
- ・十分過ぎるソールの強度
・幅広の足に合いやすい靴型
・シンプルで合わせやすいデザイン
・価格設定
Lows
- ・ベルクロの調整力が弱い
・インソールが薄い
どんなサイクリストに最適?
- ・幅広甲高の足型
・はじめてのビンディングシューズにでも高い性能を求めたい
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dhb Aeronカーボンロードシューズ(Wiggle)