ビンディングシューズ購入ガイド – Giro / Fizik / Specialized / Lake etc.

ビンディングシューズ購入ガイド

足元を固めよう。

優れたサイクリングシューズはサイクリストのパフォーマンスを引き出してくれるもの。
固定式ビンディングシューズには、ペダルの互換性や締め付けの調整方法によっていくつかのタイプがあり、その中から予算や用途に合わせて最適なものを選ぶ必要があります。
そこで自分に合ったシューズを見つけられるように、選び方から主要メーカーまで必要な情報をまとめていきます。

*本記事は2018年公開記事を現状に即して大幅に改訂したものです。

1. クリートタイプの選択

3穴クリート/2穴クリート

2穴か3穴か

ビンディングシューズ探しは、まずクリートタイプの選択から始まります。
クリートとはペダルとシューズを固定するための留め具で、パワー伝達力の高い3穴タイプ歩行性能の高い2穴タイプに分けられます。

初心者には外しやすい2穴タイプをおすすめするという意見もありますが、クリートタイプは乗り手のレベルではなく用途に応じて選ぶもの
たとえ初心者でもしっかり走り込みたいタイプであれば、3穴でもすぐに慣れることができます。
逆に初心者でなくとも、シューズを履いて歩行することが多い通勤やツーリング、また競技は異なりますがシクロクロスなどの場合は2穴を選択します。

本稿は一般的なロードサイクリングでの使用を前提とした3穴タイプシューズの購入ガイドとなります。

クリートタイプと対応ペダル

クリートタイプに合わせて、以下のように各メーカーがのペダルの規格をラインナップしています。

クリートタイプ ペダルの種類
2穴 シマノ(SPD) など
3穴 シマノ(SPD-SL)
LOOK(Keo)
TIME(Xpresso)
4穴* SPEEDPLAY

*スピードプレイだけは特殊な4穴。4穴専用シューズもありますが、シムと呼ばれる3穴変換プレートを使えば3穴のシューズでもスピードプレイを使用可。

ペダルの選択については以下の記事を参照してください。

 

2. 留め具の選択

ビンディングシューズの留め具は4タイプがありますが、それぞれデザイン・調整のしやすさ・フィット感などに違いがあり、自身が重視するポイントで絞り込みます。

シューレース(紐)タイプ

軽量&高いフィット感

シューレースタイプ

シューレースタイプは靴紐でフィッティングを調整するシンプルな構造のため、軽量で高いフィット感が特徴。
また足元がすっきりするので、ウェアと合わせたスタイルの統一感を重視したいときには最高の相性。ただ脱着や走行中の調整に手間がかかるのが難点です。

調整力 ★★★☆☆ フィット感 ★★★★★ 

ベルクロタイプ

エントリー向けの手頃なモデル

ベルクロタイプ

ベルクロタイプはエントリーモデルに採用されていることが多く、予算が限られている場合に最適。手軽に脱着できますが、長時間着用していると緩みやすいという弱点も(モデルによって差異はある)。
軽量なので、一部ハイエンドモデルはクライマー用シューズとしても用いられています。

調整力 ★★★★☆ フィット感 ★★★☆ 

ラチェットタイプ

安定感のあるミッドレンジモデル

ラチェットタイプ

足首にラチェット式のバックルを配置した、ミドルレンジのモデルに多いタイプ。バックルで足首をしっかり固定できるので安定感はあるものの、走行中に緩めにくいのがデメリット。
現在ではロードシューズのトレンドから外れています。

調整力 ★★★☆☆ フィット感 ★★★★★ 

ダイヤルタイプ

高パフォーマンスのハイエンド系

ダイヤルタイプ

ダイヤルを回してワイヤーの締め付けを調整するタイプ。脱着がスムーズで、走行中の細かな調整もしやすいため、パフォーマンス観点でほかのタイプを上回ります。
ワールドツアーで戦うプロ選手のシューズをみても、ほとんどがダイヤルタイプを履いていることがわかります。

調整力 ★★★ フィット感 ★★★★★ 

近年ではこの基本4タイプを応用し、[シューレース×ベルクロ]や[ダイヤル×ベルクロ]といったハイブリッドモデルも登場。
よりフィット感を高めるテクニカルな構造が用いられるようになっており、選択肢が多様化しています。

 

3. グレードによる性能差

1万円台〜7万円台と幅広い価格帯のロードシューズ。グレードによって以下のような性能差があります。

重量

平均的なシューズの重量は片脚250g前後。ハイエンドモデルの方がより軽量になり、最軽量モデルでは150gほどになるシューズもあります。
特にヒルクライムでは、シューズはバイク本体と合わせて軽量化の対象になる部分。ただ軽いシューズは耐久性が落ちる場合もあるので注意が必要です。

ソールの固さ

ソールの素材は、「樹脂製」「カーボンコンポジット(カーボン+樹脂)」「フルカーボン」の順にグレードアップします。後者ほど硬くて軽量。
ソールが固いということは、踏み込んだときに力が効率的に伝わるということ。
ただ相性やライドスタイルなどにより、固すぎるソールは万人に合うわけではありません。

フィット感

ハイエンドモデルの中には、部位ごとに素材を変えることで、よりフィット感を高めるように形成しているものも。
ただ足の形はひとりひとり異なるため、まずは自分の足の形に合った「ブランド」を見つけることが第一歩
Specializedはナローフィット(細身)、シマノはワイドフィットといったブランドごとに傾向があり、またLakeのようにナローとワイド両方を揃えているブランドもあります。

デザイン

価格帯による最もわかりやすい差別要因がデザイン。多くのハイエンドモデルは仕上がりが美しく、比較すると高価な方に目移りしてしまうかもしれません。

※熱成形インソールについて

上位モデルの中には、足裏の凹凸に合わせてインソールを熱成形することができるものがあります。熱成形インソールは、靴の中で足が動かず、効率的なパワー伝達が可能になるもの。
ただし成形は1発勝負なので高価な費用を出しても失敗する可能性があり、寿命も長くないというデメリットも。さらにSolestarのような優れたインソールが流通する現在では、熱成形は過去ほどメジャーな選択肢ではなくなっています。

 

4. シューズメーカー7選

ただ機能性を求めるだけでなく、自分のスタイルに合ったシューズを探すのはひとつの楽しみ。ここではデザインと機能性を両立しているメーカーから、日本人の足にもフィットしやすいものを中心に紹介します。

*ピックアップするシューズはすべて3穴タイプです。

GIRO – ジロ

シューレースを基調とした先進的なモデル群

Giroシューズ
  モデル 重量 定価 リンク
Empire SLX 185g ¥49,800 Wiggle
定番モデルの軽量進化系

Imperial 215g ¥44,800 Wiggle
Giro初の2ダイヤル搭載

Prolight Techlace 150g ¥44,800 Wiggle
ベルクロ×紐のクライマーモデル

Factor Techlace 210g ¥34,000 Wiggle
ダイヤル×紐のしなやかさ

2010年からロードシューズを展開している米国メーカー。紐靴といえばGIROと多くのサイクリストが連想するほど、シューレースタイプをはじめとしたスマートなシューズを展開しています。これまでは細身の足型が特徴でしたが、2019年のリニューアルによって日本人にも合わせやすい足幅へと全体的に変更。

中でも定番モデルは、2019年に進化した『Empire SLX』。大幅なデザインの変更によってアッパー側が馴染みやすくなり、足幅のワイド化と合わせてよりフィット感が増しています(従来モデルも同時展開)。
同じタイミングでGiro初のBOAを搭載した『Imperial』もリリース。2ダイヤルで215gという軽さと、Empire SLX同様に足馴染みが良い超軽量メッシュアッパーが特徴です。

また『Factor Techlace』は、紐靴のフィット感とダイヤルの調整しやすさを組み合わせた新感覚のTechlaceを搭載し、過去のユーロバイクショーでもアワードを受賞。
同じTechlace系でも『Prolight Techlace』は150gという超絶軽量モデルなのでクライマーに最適。アッパーが柔らかく足に馴染みやすいのも特徴です。

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Fi’zi:k – フィジーク

素材にこだわるハイデザインシューズ

Fizikシューズ
  モデル 重量 定価 リンク
VENTO Powerstrap R2 Aeroweave 205g ¥42,800
網状のアッパーと最高のソール剛性を持つ対面販売限定品

R1 Infinito Knit BOA 255g ¥46,800 Wiggle
デザインに優れた競技向けニットモデル

TEMPO R4 Overcurve
230g ¥23,800 Wiggle
適度な剛性のオールラウンドモデル

TEMPO R5 Powerstrap 250g ¥15,800 Wiggle
ストラップデザインに優れたエントリーモデル

サドルブランドとしてのイメージが強いイタリアのフィジークもシューズを展開。素材に特徴のあるデザインや、モヴィスターチームの足元をサポートしていることなどから、その存在感は年々高まっています。

フィジークシューズは大別すると、競技向けの「VENTO系」と多目的な「TEMPO系」の2カテゴリに分けられ、それぞれにダイヤルタイプとベルクロタイプ(Powerstrap)がラインナップされています。その中から優れたデザインのモデルをピックアップ。

VENTO系(競技向け)

メッシュ構造の新アッパーが特徴の『VENTO Powerstrap R2 Aeroweave』。Fizikシューズの中で最も軽く、最も剛性の高いフルカーボンソールを併せ持ったモデルです。
R1 INFINITO ニット BOA』は、競技向けシューズとしては珍しいニット素材であり、Gトーマスが着用して2018年にツール優勝を飾ったことは記憶に新しいと思います。

TEMPO系(オールラウンド)

TEMPO R4 OVERCURVE』は適度なソール剛性とシングルBOAにより、あらゆるサイクリストに扱いやすいオールラウンドシューズ。
オリジナルのベルクロシステム“パワーストラップ”を備えた『TEMPO R5 Powerstrap』は、足全体を包み込むような構造で、独特のデザインがとてもスタイリッシュ。価格も魅力的です。

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LAKE – レイク

幅広いサイズ展開とカスタム性

Lakeシューズ
  モデル 重量 定価 リンク
CX402 280g ¥66,000 Amazon
カンガルー革の最高級シューズ

CX332 230g ¥55,000 Amazon
カスタムカラー対応のセカンドグレード

CX301 160g ¥40,000 Amazon
クライマー向けの軽量モデル

サイクリングシューズを専門的に扱う1982年創業の米国メーカー。
すべて自社工場で生産を行っており、ロード用のモデルは“CX”というラインナップで型番が振り分けられています。日本人にも最適なワイドモデルの展開、カスタムデザイン対応など選択の自由度が高いことが特徴。

フラッグシップの『CX402』とセカンドグレードの『CX332』はカンガルー革を使用した高級感溢れるモデル。ソール剛性はCX402の方が高く、重量はCX332の方が軽量。どちらも熱成型のヒールカウンターでかかとにぴったりフィットするつくりです。

最も代表的なモデルはミドルグレードの『CX301』。1ダイヤル式で160gと超軽量で、国内のヒルクライムレースで活躍する選手にも提供されているモデルです。

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Specialized – スペシャライズド

日本人の足型に合うハイエンドシューズ

Specializedシューズ 2020
  モデル 重量 定価 リンク
S-Works 7 224g ¥40,700 公式ストア
隙のない完成形レーシングシューズ
S-Works 7 VENT 223g ¥44,000 公式ストア
究極の通気性を持つサマーシューズ

Torch 3.0 248g ¥26,400 公式ストア
ハイエンドに匹敵する性能の高コスパモデル

日本人の足に合いやすい靴型で、国内での人気も高いSpecializedシューズ。
ライダーファースト・エンジニアリングによって、パワー効率・快適性・美しいシルエットを併せ持ち、サイクリストをスマートに見せる魅力に溢れています。

トップモデルの『S-Works 7』は、高剛性&軽量なアッパーとカーボンプレートで効率の良いパワー伝達を可能にしています。サガン選手が使用しているというブランド力だけでなく、外観も魅力的。
またBOAダイヤルがオーディオの音量調整つまみのような高級感のある仕上がりで、締め付けを調整するたび指先に至高の喜びを感じることができます。

2020年夏には、エアフローを極めた『S-Works7 Vent』が登場。空気が大量に流れるように、アッパー・ソール・インソール各所をトータル設計で最適化。かつてないほどの冷却効果を発揮し、猛暑の足元を快適にしてくれます。

セカンドグレード『Torch 3.0』は、S-Works7同様に2ダイヤル+1ベルクロというSpecializedならではのシステムを搭載し、3箇所で最適なフィッティングが調整可能。トップモデルより少し幅広なつくりなので、より多くのサイクリストに適合します。

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メンズ | ウィメンズ

Rapha – ラファ

シューズメーカーとしての先進性

Raphaシューズ
  モデル 重量 定価 リンク
Pro Team Shoes 250g ¥44,000 公式ストア
デザインと剛性を高い次元で融合したレースモデル

Classic Shoes 250g ¥30,500 公式ストア
快適性を重視したロングライド向けモデル

シューズをラインナップに加えて10年近く経つ世界のトップアパレルブランド。RaphaのシューズはこれまでGiroのものをベースにしてきましたが、2019年モデルからは完全オリジナルデザインで展開。先進性のあるスタイルを提供してくれます。

2020年にリリースされた『Pro Team Shoes』は、Powerweaveという厚手の織生地をアッパーに採用し、ニットのスマートな外観に反して高剛性。デザインとパフォーマンスを両立する仕上がりから、レースリスペクトをプロダクトに落とし込むRaphaの熱意が伝わります。

2019年モデルの『Classic Shoes』は、快適性を重視したシューレースと反射素材のトーストラップがすっきりまとまったシューズ。カーボンソールにはプラ製とTPU製のアウトソールが重ねられ、保護性能と歩行性能を強化。普段使いのしやすさまで配慮が行き届いています。

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公式サイト

Bont – ボント

ピュアレーサー向け高剛性シューズ

Bontシューズ
  モデル 重量 定価 リンク
Helix 260g ¥62,700 Wiggle
高剛性アッパーを持つ純レースモデル

Vaypor S 230g ¥59,400 Wiggle
軽さと強靭さを併せ持った主力モデル

世界最大のスピードスケートシューズメーカーとして、数々のメダル獲得に寄与しているオーストラリアのボント。そのロードシューズは、莫大な踏み込みのパワーがかかるスピードスケート靴がベースになっているため、アッパーもソールもがっちがちの高剛性にできています。
クセを感じやすいシューズですが、熱成形できるため、足型を合わせることができれば最高のパワー伝達力を持つことに。ハイエンドクラスのみを求めるピュアレーサー向けシューズです。

ワンダイヤル式のフラッグシップモデル『Helix』は、ワイヤーをシューズの周りを囲むように通すことで包み込むようなフィット感を実現。超固いアッパーと合わせて、ペダリング時に力が全く逃げないことを実感できるはず。

スタンダードモデルの『Vaypor S』は、ダブルダイヤル式のためHelixよりも調整力があり、しかも片足30g分軽量。パワー伝達と快適性を併せ持ったBontの主力モデルとなっています。

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dhb

万人に合うエントリー向けシューズ

dhbシューズ
  モデル 重量 定価 リンク
Aeron Carbon 245g ¥16,000 Wiggle
甲高でもフィットするdhbトップモデル

Troika 289g ¥12,000 Wiggle
ビンディング入門に最適なモデル

Wiggleオリジナルブランドのdhbが出すシューズ。お得な価格設定に加え、初心者にもストレスのないように少しゆとりのある靴型でつくられているのが特徴。
それでいて、フィット感は満足できるようしっかり調整できる機構になっています。

Aeron Carbon』はカーボンコンポジットソールとatopダイヤルを採用したトップモデルでありながら、実質¥12,000台の破格。甲を覆うように配されたアッパーによって、甲高でも無理なくフィットできるようなつくりになっています。クリーンなデザインのため、全身でコーディネートしやすいのも良い点。

Troika』はロシア語で「3頭立ての馬車」という意味を持つエントリーグレードモデル。3本のストラップを馬に見立て、それぞれで最適なフィットを実現します。サイクリストのスキル問わず使え、特にビンディングシューズデビューする初心者とっては扱いやすいシューズ。

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Wiggle

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