ビンディングシューズの選び方ガイド&おすすめメーカー

足元を固めよう。

優れたサイクリングシューズはサイクリストのパフォーマンスを引き出してくれるもの。
ビンディングシューズには、ペダルの互換性や締め付けの調整方法によっていくつかのタイプがあり、その中から予算や用途に合わせて最適なものを選ぶ必要があります。
そこで自分に合ったシューズを見つけられるように、ビンディングシューズの選び方からおすすめメーカーまで必要な情報をまとめていきます。

※本記事は2017年公開記事を現状に即し改訂したものです。

1. まずクリートのタイプを選ぶ

3穴クリートか2穴クリートか

ロードシューズの種類

ビンディングシューズ探しは、まずクリートタイプの選択から始まります。
クリートとはペダルとシューズを固定するための留め具で、固定力の高い3穴タイプ柔軟性の高い2穴タイプに分けられます。
ほとんどのロード用シューズは3穴タイプですが、中には2穴と3穴の互換性を持つラインナップもあります。競技志向の強いロードサイクリングでは3穴タイプが選ばれ、通勤やツーリングで使用するサイクリストには2穴タイプが好まれます。

クリートタイプとペダルの対応表

各クリートタイプに合わせ、各メーカーがそれぞれのペダルの規格をラインナップ。

クリートタイプ ペダルの種類
2穴 SHIMANO SPD
3穴 SHIMANO SPD-SL
LOOK
TIME/Mavic
4穴* SPEEDPLAY

*スピードプレイだけは特殊な4穴です。4穴専用シューズもありますが、シムと呼ばれる3穴変換プレートを使用すれば3穴のシューズでもスピードプレイを使用することが可能。

初心者には外しやすい2穴タイプをおすすめするという意見もありますが、乗り手のレベルではなく用途に応じて選ぶべきであり、例え初心者でもしっかり走り込むタイプであれば、最初から3穴を選んでもすぐに慣れて問題なく使うことができます。
逆にロードバイクに乗り慣れていても、ビンディングシューズを履いて歩行することも多くなるツーリングや、競技は異なりますがシクロクロスなどの場合は2穴を選択します。

※ペダルの種類ごとの特徴についてはビンディンペダルの記事を参考にしてください。

 

2. ビンディングシューズは留め具で選ぶ

2穴か3穴かを決めたら、次は留め具のタイプでシューズを絞り込んでいきます。
留め具は大きく分けて4種類ありますが、それぞれデザイン・調整のしやすさ・フィット感などが変わってくるため、どこを重視するかで留め具を選びます。
※★によるスコアリングは個人の感想です。

シューレース(紐)タイプ

シューレースタイプ

靴紐の締め具合で、足の甲から足首にかけたフィッティングを個々の脚の形状に合わせて細かく調整できるため、非常にフィット感が高いシューレースタイプ。
ファッション性が高く、いかにもスポーツシューズっぽいほかのタイプの見た目が苦手な人にもおすすめ。
軽量でエアロ効果も高いのもメリットだが、脱着に手間がかかるのが難点。

  • デザイン:★★★★★
    調整しやすさ:★★★☆☆
    フィット感:★★★★★

ベルクロタイプ

ベルクロタイプ

ベルクロタイプはエントリーモデルに採用されていることが多く、予算が限られている場合は見つけやすい。手軽に脱着ができるのがメリットだが、続けて使用していると緩みやすいというデメリットも。
軽量なのでハイエンドモデルはクライマー用シューズとしても用いられる。

  • デザイン:★★★☆☆
    調整しやすさ:★★★★☆
    フィット感:★★★☆☆

ラチェットタイプ

ラチェットタイプ

足首にラチェット式のバックルを配置した、ミドルレンジのモデルに多いタイプ。バックルで足首をしっかり固定できるので安定感があるが、走行中に緩めにくいのがデメリット。
そのため現在ではロードシューズのトレンドから外れている。

  • デザイン:★★☆☆☆
    調整しやすさ:★★★☆☆
    フィット感:★★★★★

ダイヤルタイプ

ダイヤルタイプ

ダイヤルでワイヤーを巻いて締め付けを調整する、ハイエンドモデルに多いタイプ。脱着がスムーズで、走行中の細やかな調整もしやすい。
ダイヤルが1個のものと2個のものがあって、1個タイプは軽量で、2個タイプは足全体のフィット感が高いのが特徴。

  • デザイン:★★★★☆
    調整しやすさ:★★★★★
    フィット感:★★★★★

僕個人の選択として、過去あらゆるタイプを試した上で使っているのは「シューレースタイプ」と「ダイヤルタイプ」。
シューレースは足元がすっきりするので、ウェアと合わせたスタイルの統一感を重視したいときには最高の相性。
ダイヤルタイプはパフォーマンス観点でほかのタイプを圧倒的に上回ります。フィット感に優れ、走行中の微調整もできるので完全なストレスフリー。ツールに出場するような選手のシューズをみても、ほとんどがダイヤルタイプを使っているのがわかります。

 

3. 価格による違いを知る

ビンディングシューズの価格は1万円台から高いものは5万円台とピンキリ。価格の違いは以下のような4つの点に表れています。

シューズの性能を決める要素

重量

平均的なシューズの重量は片脚250g前後。ハイエンドモデルの方がより軽量になり、最軽量モデルでは150gほどになるシューズもあります。特にヒルクライムでは、シューズはバイク本体と合わせて軽量化の対象になる部分
ただ軽量化によって耐久性が落ちるモデルもあるので注意。

ソールの固さ

ソールの素材は、価格の順に「樹脂製」「カーボンコンポジット(カーボン+樹脂)」「フルカーボン」とグレードアップします。後者ほど硬くて軽量。

ソールが固いということは強く踏み込んだときにペダリングの力が効率的に伝わるということになります。ただ足の形との相性や乗り方などにより、固すぎるソールは万人に合うわけではありません。

フィット感

ハイエンドモデルは足の部位ごとに素材を変えることで、より足にフィットするように形成にこだわっています。
ただ足の形はひとりひとり異なるため、まずは自分の足の形に合った「ブランド」を見つけることが第一歩
GiroやSpecializedはナローフィット(細身)、国産のShimanoなどはワイドフィットの傾向があり、またLakeのようにナローとワイド両方を揃えているブランドもあります。

デザイン

言うまでもなく、価格帯による最もわかりやすい差別要因がデザイン。ハイエンドの方が色も型もシュッとしているものが多く、比較するとどうしても高価な方に目移りしてしまうのはどうしようもありません。

※熱成形インソールについて

上位モデルの中には、足裏の凹凸に合わせてインソールを熱成形することができるものがあります。凹凸に沿った形にできるということは、靴の中で足が動かなくなることになり、力の伝達がより効率的になります。
ただし成形は1発勝負なので高価な費用を出しても失敗する可能性があり、寿命も長くないというデメリットも。さらにSolestarのような優れたインソールが流通する現在では、熱成形は過去ほどメジャーな選択肢ではありません。

 

4. おすすめビンディングシューズメーカー7選

ビジネスの世界がそうであるように、足元の印象からその人となりが見えてくるものもあります。
サイクリングシューズと言えど、ただ機能性を求めるだけでなく、全身のバランスを考えながら自分に合ったシューズのデザインを探すのはひとつの楽しみ。
そこでデザインと機能性を両立しているメーカーから、プロ選手の使用率も高いものを中心に紹介します。
※ピックアップするシューズはすべて3穴タイプです。

1. GIRO – ジロ(USA)

GIROシューズ

2010年からサイクリングシューズを展開し始め、ヘルメットやグローブと合わせてスマートなエキップメントを作り出す米国のメーカー。
主にシューレースタイプとダイヤルタイプを取り扱っていますが、どちらも装飾を最低限に抑えていてシック。型も細身なので履くとスタイルが良く見えます

ピックアップモデル

GIROの紐靴のフィット感は格別で、履いている人は皆「GIROが一番良い」と言います。そんなシューレースタイプで定番の『EMPIRE SLXWiggle)』は、カラバリも多く非常にスマートなデザイン。(定価¥39,800)

また『Factor TechlaceWiggle)』は、紐靴のフィット感とダイヤルの調整しやすさを組み合わせた新感覚の逸品で、過去のユーロバイクショーでもアワードを受賞しています。個人的にも使っていますが、とても調整しやすく優れたデザインの逸品。(定価¥34,000)

さらに同じTechlace系から2018に最新モデル『Prolight TechlaceWiggle)』が登場。ベルクロの調整しやすさと紐のフィット感を兼ね備え、加えて150gという超絶軽量モデルなのでクライマーに最適。アッパーが柔らかく足に馴染みやすいのも特徴です。(定価¥46,000)

Giroのシューズ一覧を見る
Amazon | Wiggle | CRC*

*CRC: Chain Reaction Cycles 

2. LAKE – レイク(USA)

LAKEシューズ

ロードシューズを専門的に扱う1982年創業の米国メーカー(2016年に日本再上陸)。
すべて自社工場で生産を行っており、品質はトップクラス。日本人にも最適なワイドモデルを展開していたり、ハイエンドモデルはカスタムデザインを作成できるなど選択の自由度が高いのも特徴。

ピックアップモデル

ロード用のモデルは“CX”というラインナップで型番が振り分けられていて、トップモデルの『CX402Bikeinn)』はカンガルー皮を使用しており高級感が半端ない。(定価¥60,000)

そして最も代表的なモデルがミドルクラスの『CX301Bikeinn)』で、1ダイヤル式で165gと超軽量。国内のヒルクライムレース優勝者も使用するモデルです。(定価¥40,000)

Lakeのシューズ一覧を見る
Amazon | Bikeinn

 

3. Northwave – ノースウェーブ(イタリア)

Northwaveシューズ

1980年代に靴職人の街モンテベルーナで創業し、カチューシャ・アルペシンやワンティなどのUCIチームに供給するトップブランド。ウィンターシューズのメーカーとしても有名で、NWの文字がスタイリッシュ。

ピックアップモデル

従来のフラッグシップ「EXTREME RR」と入れ替わり、2019年に新たなトップモデルとなった『EXTREME PROAmazon)』。1ダイヤル式から2ダイヤルになり、よりフィット感が調整できるように。さらに少し幅広・甲高の設計になったため、日本人の足型に合いやすくなりました。ノースウェーブ史上最も高いソール剛性も持ち合わせます。(定価¥47,800)

セカンドモデル『EXTREME GTWiggleAmazon)』は、1ダイヤル式ながらつま先から締め付けるワイヤールーティングにより、軽さとフィット感を両立。カーボンコンポジットによりソール剛性を抑えているため、長時間でも疲れにくく、ロングライドなどに幅広く対応できるシューズです。(定価¥31,800)

Northwaveのシューズ一覧を見る
Amazon | WiggleCRC

 

4. Fi’zi:k – フィジーク(イタリア)

fizikシューズ

サドルブランドとしてのイメージが強いフィジークですが、素敵なデザインのシューズもラインナップ。
ツールに出場するスペインのモヴィスタ―チームにも2018シーズンから提供するなど、フィジークシューズの存在感は年々高まっています。

ピックアップモデル

INFINITO R1WiggleAmazon)』は(=インフィニート)の形をしたワイヤーと2つのダイヤルにより、かかと・土踏まず・甲の3方向からしっかりホールドされる独自の設計を持つ、シックなハイエンドモデル。モヴィスターの選手が履いているのはこのモデルのカスタムカラーです。(定価¥42,800)

セカンドグレードの『Aria R3WiggleAmazon)』は、過去のハイエンドモデルの設計を踏襲したパフォーマンスの高いモデル。蛍光カラーやマットネイビーなど個性豊かなカラバリも魅力的。(定価¥34,800)

Fi’zi:kのシューズ一覧を見る
Amazon
| Wiggle

 

5. Bont – ボント(オーストラリア)

BONTシューズ

世界最大のスピードスケートシューズメーカーとして、数々のメダルを獲得しているオーストラリアのボント。ボントのロード用シューズは、足に莫大な踏み込みのパワーがかかるスピードスケート靴がベースになっているため、アッパーもソールもがっちがちの高剛性にできています。
そのためクセを感じやすいシューズですが、熱成形できるため、足型を合わせることができれば最高のパワー伝達力を持つことに。ハイエンドクラスのみを求めるレース志向のサイクリスト向けメーカーです。

ピックアップモデル

2018年に新たに投入されたフラッグシップモデル『HelixWiggle)』は、BOAダイヤル1つですが、ワイヤーをシューズの周りを囲むように通すことで、ワンダイヤルでも包み込むようなフィット感を実現。超固いアッパーと合わせて、ペダリングしたときに力が全然逃げないことを実感できるはず。(定価¥57,000)

スタンダードモデルの『Vaypor SWiggle)』はダブルダイヤルのため、Helixよりもフィット感が高く、しかも片足30g分軽量。パワー伝達と快適性を併せ持ったモデルです。(定価¥54,000)

Bontのシューズ一覧を見る
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| Wiggle

 

6. Specialized – スペシャライズド(USA)

S-Worksシューズ

日本人の足に合いやすい靴型で、国内での人気が非常に高いSpecializedのシューズ。
洗練された見た目の良さは言うまでもなく、人間工学に基づいた設計でパワー伝達効率を高めているのも特徴です。

ピックアップモデル

トップモデルの『S-Works 7公式ストア)』は、強度が高く軽量なアッパーとカーボンプレートで効率の良いパワー伝達を可能にしています。サガン選手が使用しているというブランド力だけでなく、スマートで美しい外観も魅力的。
BOAダイヤルがオーディオの音量調整つまみのような高級感のある仕上がりで、締め付けを調整するたびに指先に至高の喜びを手にすることができます。(定価¥37,000〜)

セカンドグレード『Torch 3.0公式ストア)』は、S-Works7同様に2ダイヤル+1ベルクロというSpecializedならではのシステムを搭載し、3箇所で最適なフィッティングが調整可能。トップモデルより少し幅広なつくりなので、より合う幅広いサイクリストに適合します。(定価¥24,000)

Specializedのシューズ一覧を見る
 公式オンラインストア

7. dhb

dhbシューズ

Wiggleオリジナルブランドのdhbが出すシューズ。すべて1万円台前半で手に入るお得な価格設定に加え、万人に合うように少しゆとりのある靴型でつくられているのが特徴。
それでいて、フィット感は満足できるようしっかり調整できる機構になっています。

ピックアップモデル

AeronカーボンロードシューズWiggle)』はカーボンコンポジットソールとatopダイヤルを採用したトップモデルでありながら、実質¥12,000台の破格。甲を覆うように足の甲を覆うように配されたアッパーによって、甲高でも無理なくフィットできるようなつくりになっています。クリーンなデザインのため、全身でコーディネートしやすいのも良い点。

TroikaWiggle)』はロシア語で「3頭立ての馬車」という意味を持つエントリーグレードモデル。3本のストラップを馬に見立て、それぞれで最適なフィットを実現します。サイクリストのスキル問わず使え、特にビンディングシューズデビューする初心者とっては扱いやすいお得な逸品。(¥10,500)

* * *

ビンディングシューズは、力を直接ロードバイクに力を伝える部分なので、最適なフィッティングのものを選ぶことが重要です。
スムーズで効率的なペダリングのために、ペダル選びと合わせて自分に合ったシューズ選びをしてくださいね。

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