
物価高騰によって自転車周辺アクセサリーの価格も上昇している。かつては数千円で手に入ったサドルバッグやトップチューブバッグは、今や1万円に近い金額になっていることも珍しくない。そんな時代のマーケットに、新たなブランド『DURO HAUS(デューロハウス)』が登場した。
アイウェアブランドALTALISTを日本に浸透させ、アイウェアの世界を席巻している代理店NCDが、自転車アクセサリーの世界に新たに送り出すブランドの詳細を見ていく。
Model / Taka
Text & Photo / Tats [PR]
Contents
老舗メーカーの技術力

DURO HAUSは台湾の新興ブランドではあるが、そのプロダクトを手掛けるのは、1980年代に創業した台北の老舗メーカー「OCI」だ。長年数々の有名ブランドのOEMを請け負ってきた縫製技術のスペシャリスト集団が、満を持して自社ブランドを立ち上げたかたちとなっている。
ラインナップされるバッグ類は、どれも¥5,000前後という戦略的な価格設定だが、同価格帯の一部の中国ブランドのような、“安かろう悪かろう”なプロダクトとは異なる。
DURO HAUSラインアップ
| モデル | ![]() サドルバッグ |
![]() トップチューブバッグ |
![]() サイクルウォレット |
| 素材 | 防水600D TPU生地 | ||
| カラー | ブラック/ カーキ / グリーン | ||
| サイズ(実測値) | 115x400x80mm | 100x220x70mm | 98x185x18mm |
| 重量(実測値) | 125g | 172g | 43g |
| 税込価格 | ¥5,940 | ¥5,940 | ¥4,290 |

DURO HAUSのプロダクトを手に取って感じる洗練された質感は、採用されている厚手の「TPU」(熱可塑性ポリウレタン)生地に由来する。一般的に安価な防水バッグにはPVC(塩化ビニル)が使われることが多いが、DURO HAUSがあえて高コストなTPUを選択した理由は、PVCより優れた機能性と品質にある。

布のような上質な質感:ビニール特有のテカリがなく、最新のカーボンフレームとも喧嘩しない、落ち着いた質感がある。

タフさと軽さの両立:高度なコーティングが施され、岩場や泥に晒されるグラベルライドでも安心感がある。それでいて柔軟性があり、パッキングもしやすい。

細部の仕上がりの美しさ:安価なPVCのバッグは裁断した端から中の繊維が見えてしまこともあるうが、TPUは切り口が美しく、プロダクト全体に洗練された印象を与えている。

自社工場での生産によって、高価なTPU素材を使いながら入手しやすい価格を実現しているのは、OEMメーカーならではの強みだと言える。
プロダクトレビュー

サドルバッグとトップチューブバッグを取り付けた状態。落ち着いた3色なので、バイクに馴染むコーディネートができる
DURO HAUSのラインナップに共通しているのは、余計な装飾を削ぎ落としたミニマルな外観だ。ブランドロゴのみを配したデザインは、他社製品と比較しても極めてシンプルで合わせやすく、どんなフレームにも違和感なく馴染む。
3つの主要プロダクトを、編集部として「推せる」と感じた順にレビューする。
サドルバッグ:完成された質感と使い勝手

今回のラインナップの中で、最も推奨したいのがサドルバッグ。まず造形が美しい。厚手のTPU生地がしっかりした骨格を作り出し、バイクの品格を損なわない。

走行時にグラつくことはなく、防水性についても不安はない
取り付けはシンプルな3点留めで確実。ロールアップ式の口も閉めやすく、使い勝手においてストレスを感じる場面がない。

高角度に設計されているので、小さいサイズのフレームでもタイヤとのクリアランスを確保しやすい(モデルのフレームサイズは52)。

着替えやバッテリーなど、荷物をたくさん運ぶ必要のあるライドの予定があるなら、どんな用途でも迷わずおすすめできる

DURO HAUS サドルバッグ(¥5,940)
トップチューブバッグ:圧倒的なアクセス性と収容力

マグネット開閉式を採用したトップチューブバッグ。最大の特徴は片手で操作できる開閉のしやすさと大容量のサイズだ。
片手で開閉できるマグネット機構

マグネット式のトップチューブバッグはORUCASEのものも秀逸だが、DUROHAUSのメリットはこの収容力。
補給食からモバイルバッテリー、コンデジまで飲み込む容量は、他社製品と比べても群を抜いている。実際にこのバッグを使ってブルベを走ったライダーの話を聞くと、収容力と取り回しの良さが魅力的だと語っている。

幅は70mmあり、トップチューブの幅を上回る
ただしこの収容力を確保するための、バッグの厚みはトップチューブ幅を超えている。そのため、膝をトップチューブと平行にまっすぐ下ろす効率的なペダリングを意識しているサイクリストほど、側面との干渉を感じやすいと思う。ビブショーツの内側が摩耗する影響もあるので、使用の際は留意してほしい。

一方で、足の向きにゆとりを持たせて走るカジュアルなスタイルや、広いQファクターで膝周りの空間に余裕があるポジションであれば、この大容量の恩恵を享受できる。
収容力が生命線となるブルベや、ライディングポジションにゆとりがあるクロスバイクでのサイクリングにおいて、この速く、多く取り出せる特性の利便性は高いと思う。

DURO HAUS トップチューブバッグ(¥5,940)
サイクルウォレット:最大容量の防水ストレージ

スマートフォンがすっぽり入るサイクルウォレット。ロゴだけを配置した潔いデザイン。

バックポケットを目一杯使うサイズ感

内部は仕切りやポケットが豊富に用意されていて、カード類や小銭、スマートフォンまですっぽり入る。サイクルジャージのバックポケットに収まる限界を攻めたサイズ感で、とにかく多くのものを一つにまとめたいというニーズに合致する。

止水ジッパーが使われている
防水性能についても、丸一日のライドで背中の汗に晒されても、中の紙幣は湿らなかった。ライド用財布としての機能要件は完全に満たしている。

購入したときに付属するパッケージは防水ポーチとして二次利用できる

DURO HAUS サイクルウォレット(¥4,290)
バイクバッグとしての美学と将来性

手頃な価格でも高品質なプロダクトがあることは、Altalistのようなアイウェアで実感しているサイクリストは多いと思う。
バイクバッグについては「見た目はともかく使えれば良い」という観点で選ばれることが多いが、そこに選択の美学があると、バイク全体にまとまりが生まれる。
DURO HAUSはTPU素材とミニマルなデザインで、ハイエンドバイクにも馴染みやすい。高価格化が進む今、品質を妥協せずに「美学」を貫ける手頃な選択肢があることは、すべてのサイクリストにとってメリットとなる。

OEMメーカーとしての高度な縫製技術を元につくられたこれら3つのプロダクトが良かったことから、今後はシリアスなライダーのニーズにも応える、さらに細身のトップチューブバッグや、多様なフレーム形状にフィットするフレームバッグなどのラインナップ拡充を期待したいと思っている。
機能的製品としての枠を超え、スタイルあるプロダクトを提供していきたいというブランドの姿勢は、新たなサイクルバッグの基準となるだろう。世界に挑み始めたこの新興ブランドが、サイクリングシーンにどのような彩りを加えていくのか注目していきたい。



















