サイクリングをするとき、ライド動画も撮影したいというサイクリストは多いと思います。
ハンドルに固定して撮影できるアクションカメラは、GoProに代表されるように各メーカーから既に多数発売されていますが、サイクリングに特化したアクションカメラとして、Cycliq社の『Fly12(フライ12)』が2016年に発売されました。
今回Wiggleから1台提供いただいたので詳細をお伝えします。
1. Fly12の特長
Cycliq – Fly12(定価¥40,999)
https://cycliq.com/products/fly12
Fly12はアクションカメラとフロントライトの2つの機能をコンパクトな手のひらサイズに収めた1台。もともとKickstarterから販売が始まったプロダクトですが、2016年から一般販売されています。
スペック
動画解像度 | 1920×1080(30fps/45fps) |
1280×720(30fps/60fps) | |
ライト | 400ルーメン(光度調節/点滅機能あり) |
電池寿命 | 動画のみ:10時間 |
動画+ライト:2時間 | |
重量 | 244g |
※16GBのMicroSDカード付きのため購入後すぐに使用可能
アクションカメラ
解像度はHD(720p)とフルHD(1080p)の2種類です。
SDカードに生成される動画はmp4形式で5分区切りのデータになります。付属の16GBのSDカードだと720p/60fps設定で30分程度の撮影が可能。データ容量が足りなくなると、古いデータからどんどん上書きされていきます。ただし、いい景色に出会ったときや事故に遭ったときなど、保存しておきたい場面があれば、動画撮影中にボタンを1回押すだけでその場面を手動でロックして上書きできないようにできます。
長時間のライドを撮影して編集したいときは、フレームレートを落としたり容量の大きいSDカードに切り替えたりして記録時間を延ばす必要があります。
またStravaと連携して、動画内にStravaの走行データを表示させることも可能。
フロントライト
とても明るい400ルーメン。照明のパターンは<明るさ: High/Medium/Low>×<点灯パターン: 常時/フラッシュ/点滅>の9種類から用途に合わせて選ぶことができます。
2. 外観
カラーはシルバー1色。筐体自体は手のひらに収まるサイズ(iPhone4くらい)ですが、ずっしりとした重みを感じます。カタログ値244g、実測値も244gと精度の高いつくり。
正面の顔。左がHDカメラ、右が400ルーメンライトというハイブリッドフェイス。両眼で見つめられます。
裏面。操作は下部左右にある2つのボタンを使うだけのシンプルな設計。ボタンを押すと音がなるので、それでどんな操作をしたのかを把握します。マイクもついていてここから音を拾いますが、裏面なので風の音はあまり拾わないようにできています。
上のフラップを開けたところにはMicroSDカードスロットとMicroUSB差込口。フラップがめちゃくちゃ固くて開けづらいですが、防水機能つきなので仕方がないところ。
マウント部はGoProとも互換性のある形状。付属のアタッチメントでGarminと同じマウントにも取り付けできます。
付属のマウントを使って取り付けたところ。存在感が大きいのでハンドルの下側にしていますが、ちょっとケーブル周りに干渉していてあまり良くない状態です。本当はハンドルから離して取り付けられるレックマウントのようなものにしたほうがすっきりします。
乗ったとき250gの存在はそれほど大きく感じません。最初はちょっと重いかな、と思いますが次第に慣れてしまう程度。
また400ルーメンのライトは非常に明るく、視認性・被視認性ともに安心感が違います(明るさは下記動画内で確認できます)。
3. 動画のクオリティ
<設定画質:720p/60fps>※音が流れます
- ・アクションカメラとしても充分使える画質。コントラストが高く対象物がはっきり。
- ・ただ路面にときどきブロックノイズが入るのが見えます。
- ・画角がとても広く、真横にあるブレーキレバーも画面内に入るほど。そのため取り外して自撮りにも使えます。
- ・ブレには敏感で、ハンドルの動きや路面振動で画面が揺れます。
- ・マイクは後ろ側についているので風切音はわずか。話し声も普通に入ります。
4. 連動アプリの使い勝手
Fly12と連動できる「Cycliq Plus(iOS / Android)」というアプリがあり、Fly12の設定を変更したり撮影した動画を確認・編集することができます。
またアプリならではの機能として、アラームモードというものがあります。このモードにしている間、Fly12を取り付けたロードバイクに動きがあるとライトが点灯して警告音が鳴るというもので、盗難防止に使うことができます。
食事をするときなど視界に入りづらい場所に車体を置かなければならないときなど安心ですが、Bluetoothが届く範囲でしか機能しないので注意が必要です。
全体的な使用感としては、接続が不安定だったり動画の編集が重かったりと、あまり使い勝手が良いとは言えません(動画はPC側で編集したほうがまだまだ速い)。そのため現時点ではアプリは補助的なものとして、本体の設定変更やアラームモードON/OFF用に使うくらいになっています。
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長時間の記録ができるのでドライブレコーダーとしてOK、また最大1080pの高画質にできるのでライドムービーを作るのにもOK、そしてフロントライトと一体型なのでハンドル周りがすっきりするなど、サイクリングに最適なつくりになっています。
弱点はやはり重量。純粋に記録を求めるようなレースには適していませんが、これは機能性/実用性とのトレードオフなので仕方がないところです。普段のサイクリングであれば、万が一のときに走行記録が残ることによる安心感が担保されるところは大きなメリットだと感じます。
価格はGoProやSONY製アクションカムと同等の3万円台なので、同価格でアクションカメラにフロントライトが付いてくると考えれば、サイクリング動画の撮影手段として有力な候補のひとつになると思います。