Palisadeレビュー:光のニュアンスが映える、レーシー&フォーマルな限定ウェア。

Palisadeレビュー

2021年にオーストラリアで立ち上がったばかりの「Palisade(パリセード)」。
スタイリッシュなロゴとジェンダーニュートラルなデザイン、そして“商業的な成功は目指していない”という異色のコンセプトは、新しいブランドにも関わらず僕たちの興味を引くには充分でした。

今回取り上げるのは、光の波の動きから着想を得たという限定コレクション。以前からPalisadeを着用してきたMikiと、自転車ファッションに感度の高いNonを迎えてレビューします。

レビュアー

Miki Non
Miki@r_miki1991
スポーツバイク歴5年。AIの研究開発職。ロードバイクを始めた当初は仲間とストイックに走り込んでいたが、次第に合わなくなりソロライドに移行。その後Pas Normal Studiosを着始めたことをきっかけに、PNSやLove Cyclistのコミュニティに加入。それぞれのスタイルに刺激を受けながらライドを楽しんでいる。洋服も好きで、普段のスタイリングに古着は欠かせない。
Non@_nonpic
スポーツバイク歴5年。ショップ仲間やSNSで繋がったサイクリストとよく走り、脚力を維持するために朝練やローラー練も欠かさない。車の運転が大好きで、バイクを車載してドライブを楽しみつつ、現地では自転車を楽しむというスタイルを特に好む。また自転車ファッションにも感度が高く、このところ「次は何のウェアを買おうか」とずっと考えている。

Review/Miki & Non
Edit & Photo/Tats

*本レビューのウェアはPalisade提供のものです。

1. Palisade – ニュートラルなブランド

より多くのサイクリストが快適に着られるように”という理念を持つPalisade。だから男女ともに同数のウェアを展開しており、カラバリにも性差はありません。
さらにタイムレスなニュートラルカラーと普遍的なデザインのおかげで、トレンドにとらわれずに長く着用することを僕たちに促してくれます。
これまでのオーストラリアンブランドにはないクリーンな雰囲気は、新しいブランドでありながら存在感充分。

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PalisadeがサポートするTeam BrideLane

さらにPalisadeは、UCIコンチネンタルチーム「ブリッジレーン」のサポートも行っています。ブリッジレーンは、才能のある若いサイクリストの育成を目標に掲げるチーム。

ウェアづくりにはチームの意見が取り入れられ、レースでの経験を、素材選びやフィット感に反映。
ただスタイリッシュに仕上げるだけでなく、レースに対応する性能も含まれることで、ロードライディングの美しさを最大限に引き出すようになっているのがPalisadeらしさと言えます。

 

2. Spectrum ジャージ – 男女それぞれへの配慮

Spectrum Jersey – Dark(メンズ)

Spectrum Jersey – Dark – Mens ($175 AUD)

限定発売中の『スペクトラムジャージ』は2色展開。
Mikiが着用する「Dark」カラーは、黒基調に紫と緑がオーロラのように織り混ざって、その怪しげなビジュアルが魅力的。

特に気に入っている要素が、背中のタグ。シャツのハンガーループを模したようなデザインで、スポーティなフィット感とは相反するフォーマルさを演出。競技者ではないMikiにとっては、レースフィットのジャージに抜け感が出るこうした演出はたまらない。
このジャージを着る日は、ちょっといいスーツを着て出かけた時のような高揚感が心を覆います。

丈はトレンドに合わせて少しだけ短めで、袖は若干長め。こういう丈感からも、フォーマルなエッセンスを感じ取れます。

かなり薄く速乾性が高い生地で、背中のパネルだけ通気性のためにメッシュ素材。
ここのプリントの質も良く、パッと見では素材が切り返しになっているとはわからない点がすごく良い。

身長179cm/胸囲88cmでXSを着用

Palisadeウェアにはレース性能も含まれることから、本ジャージもレースフィット。
サイズガイド通りXSを着用しているけれど、かなりタイトです。とはいえ圧迫感はなく、シルエットもとても綺麗。

袖口はテープが貼り付けられています。切りっぱなしと比べてずれない構造ですが、伸びにくいので好みが分かれるかも。

ポケットはPalisade初期のジャージ(Home sweet homeシリーズ)から改善されています。
前作はモノを入れると少し垂れ下がってだらしのない印象になっていましたが、本ジャージではスマホやポーチを入れてもしっかりホールドされます。見た目からも使い勝手からも、この修正はとてもうれしい

Spectrum Jersey – Light(ウィメンズ)

Spectrum Jersey – Light – Womens ($175 AUD)

Nonが着る「Light」カラーは、マダラ模様のニュアンスが綺麗で、シンプルなビブショーツに合わせるとすごく映えるデザイン。
白いジャージ着てみたい!でも真っ白に手を出すのはなかなか勇気出ない!』という方にも挑戦しやすいカラーリングになっています。

Palisadeジャージを着たライドで一番感じるのは、ストレスが本当に少ないこと。
ハイシーズンでは、何かを着ることそのものが暑苦しいと感じるけれど、軽くてピタッとフィットするので、着ているのを忘れそうなくらいに心地良い

メンズ/ウィメンズのデザインは同じですが、カッティングや細かい部分で女性向きにかなり作りを変えてきています。

特に違うのが、袖口と丈感。
袖口はメンズにはテープがついているけれど、ウィメンズは一部分を除いて切りっぱなし。
二の腕に触れる部分は肌に沿ってなめらかで、“ソーセージアーム”にならない、すごく気遣いされた設計

ウィメンズの丈は、メンズと比較すると長めで、短いのに抵抗ある人には嬉しい丈感。
背中の裾部分には4cm幅の滑り止めがついているので、好みの丈感で着ることができます。長めが好みな人はめいっぱい伸ばして、短めが好みの人は伸ばさず少し上で固定させて着る。
女性として、二の腕部分や裾など気になる部分が少し長めの作りになっていることは嬉しい。

夏は日焼けが気になるけれど、このジャージはメッシュの部分が少ないので、日焼けを少しでも軽減できます。でも背中の真ん中部分はメッシュ素材になっていて、汗がこもらない。

160cmでSサイズを着用。かなりタイトだけれど窮屈ではない

ポケットは右が少し狭く、中央と左は広めという珍しいつくり

 

3. Pro Lightweight ジレ

Pro Lightweight Gilet($150 AUD)

Palisadeのラインナップに調和する色味のジレ。光沢のあるホワイトはとてもクリーンな印象で、防寒だけでなくコーディネートの幅を広げる目的でも着用できます。

2人ともジャージと同じサイズを選択していますが、若干ゆとりがあります。ピタッとしすぎないので、体型を気にせず着たいときは安心。隙間なくタイトに着たい場合はワンサイズ下げることをおすすめします(公式サイトにも「スリムフィット希望であればサイズダウンを推奨」と記載)。

軽量ジレでは珍しくバックポケットが付いています。でも裏返して畳むとチャック付き収納ができるので、持ち運びも全然OK。使い勝手の幅が広い。

ダブルジップではないので、暑くなったとき、ジッパーは全開にするか首元だけで調整

背面がメッシュで、ジッパーを閉めていても熱はこもらない

 

4. One Series ビブショーツ

One Series Bibs メンズ | ウィメンズ($255 AUD)

Palisadeのビブは、柔らかくて薄めの生地を使用したレースフィット。良くも悪くも特徴はありませんが、だから使いやすい。

裾にはチェッカー状にシリコンの滑り止めが配置。全体的にタイトな作りですが、特に裾は締めつけ感があります。腿周りの太い方や、女性で膝の上のお肉が浮くのが気になる方は、ワンサイズあげた方が良さそう。

パッドは薄め。レース用途や、クリーンなスタイリングができるようにあえて薄めを選んでいるのかもしれません。
パッド全体の厚みは均質なので、誰の股にも合うような作りになっているように感じます。
100km前後のライドであれば全く問題ありませんが、一般ライダーにとっては200km以上のロングライドには少し心もとないかも。

「palisadeのパッドは全く股擦れをしないのが気に入っている」とnon

 

5. レーシー&フォーマルな装いで行こう

競技へのリスペクトがあるブランドには惹かれるものがあります。それはロードライディングの美しさは何かというものが本質的にわかっていると感じるから。

そこに日常的な装いのエッセンスを含めるPalisadeのモノづくりの柔軟性は、商業的な成功を目的にしていない自由な精神だからこそできるものだと感じます。

サイクリストとしてしっかり走りを楽しみたい気持ちは誰もが持っていて、そこに社会と関わる者としてちょっといい装いで出かけたい、という気持ちが重なったとき、Palisadeの着心地とデザインは心地よいライド体験へと導いてくれます

サイズ感について

Miki(左)179cm, B88/W76/H92:ジャージ、ジレ、ビブ すべてXS(Mens)
Non(右)160cm:ジャージ、ジレ、ビブ すべてS(Womens)
※商品ページに記載のサイズガイド通りに選択しています

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Review/Miki & Non
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