今の時代感に合わせて。
ワークライフバランスが大切にされる今の時代感と同じように、自転車とそれ以外の部分を同時に大事にしたい今のスタイルでは、ほどよく負荷をかけて95%くらいまで出し切る走り方がしっくりくる。
そんなライドで着るものだから、まとまりは欲しいけれど、ストイックさはいらない。ニュアンスはあった方が良いけれど、派手な印象はいらない。
そんな要件を満たしてくれるオーストラリアの「Pedla」は、僕にとってSS2021で最も出番の多いスタンダードスタイルになっています。
review: Tats(@tats_lovecyclist)
photo: Ryuji & Rin
*本レビューのジャージはPedla提供です(その他は私物)。
Pedla – Tie Dye Collection
ジャージ: Tie Dye / ecoLUXE Jersey – $225 AUD
ジレ: BOLD / WindTECH Gilet – $235 AUD
ビブショーツ: Team / SuperFIT G+ Knicks – $320 AUD
昨シーズンからのトレンド柄「タイダイ」を取り入れたコレクション。
トレンドのセカンドシーズンに入った今、あえてペドラがタイダイを用いたのは、ロードからグラベルという時代の転換をモチーフとするため。モヤがかかった朝霧、未舗装路の砂埃といったグラベルシーンを表現するからこそ、比較的彩やかな色合いを用いることが多いタイダイでも、ペドラのコレクションは抑えめな色味。
柄モノであっても派手にならず、丁度よいニュアンスで体の表面に表情が生まれる。ロードで着ても、グラベルのような自由の雰囲気を感じることができる。
以前よりも落ち着いたトーンを好むようになってきた僕にとって、こういったモチーフはすごく落ち着く。
シンプルなジレとの相性も良い。ロゴのライムイエローが程よいアクセント。
生地感・着心地
ペドラのジャージは、よく伸びる薄手の生地で着圧が最適。長時間着用によるストレスはない。タイトなので、細身の体で着てもシワが寄らずに綺麗めな雰囲気が出せ、どんな体型でも合いやすいつくりになっている。
袖口も優しくフィットするので、ムチッと段差ができたりヒラヒラと余ったりすることがない。ペドラは初期の頃から袖の作り方が巧いと感じていて、改良を重ねた今は何も付け加える必要がない。
ポケットはスタンダードなつくりで、ポケット口がよく伸びるのでアクセスしやすい。4年以上前からペドラをずっと使ってきているが、ポケットで不満に思うことはない。
ジレ
使い勝手が良くて昨シーズンから使用頻度の高いペドラのジレ。4つのお気に入りポイントで、他ブランドのジャージを着るときも出番が多い。
①「Pedla」とプリントされていない/ロゴマークがあるだけなので、たとえほかのブランドのジャージを着ていてもブランド名が邪魔をすることがない。
②色が良い/トレンドのベージュは色合わせしやすく、羽織るだけで今っぽい雰囲気が出る
③オールシーズン使える厚み/前面は風をシャットアウトするしっかりとした厚みで、背面はメッシュで風が抜ける。ジッパーの開閉で体温調節ができるので、夏を除いて年中活躍する。
④ポケットが大きい/ジャージ以上に収容力のあるポケット。ウォーマーなどを入れやすいので、寒暖差が大きくなる終日ロングライドにも最適。
ビブショーツ
ビブはつるりとした生地で、裾までシームレスなつくり。
ほかのブランドにはないすっきりとした裾は、足回りがクリーンな印象になる(ちょっとだけ空力も良さそう)。ずれないように裾裏にドット状のグリッパーがプリントされている。
どんなにつらくても、パッドは安定
パッドは多くのトップブランドが採用するCYTECH社製の「ロードパフォーマンス」。
サドルによく安定し、7時間以上のライドにも対応する性能。この写真を撮ったのはちょっとやり過ぎの160kmライドのときだったけれど、最後まで股の痛みは発生していない。
ぴったり脚の動きに追従するフィーリングは、ペドラのビブ随一のもの。ジャージの袖もビブの裾も、末端部分の動きをよく考えて設計されている。
肩紐は太く柔らかく、着用のストレスはほかのブランドと比べても少ない。
余白から生まれる自由。
すっきりしたシルエット、裾や袖の気持ちよさ、長距離や高強度向きの設計──サイクリングウェアとして必要な要件を満たしながら、ストイック過ぎずに、余裕のある雰囲気を出してくれる。
昨年Pedlaのオーナーとオンラインで話をしたとき、ついでにPedlaのオフィスツアーもしてくれましたが、 天井の高い広い空間でスタッフの方たちが笑顔で働いていたのがとても印象的でした。
余白のある環境から生まれる服は、着る側に心地よさや喜びを生み出してくれるのだと感じます。
そんなPedlaは、今シーズンのスタンダードスタイルとして欠かせないものになっています。
着用サイズ:ジャージXS・ジレXS・ビブショーツS(177cm/B86 W76 H90)
review: Tats(@tats_lovecyclist)
photo: Ryuji & Rin