Peloton de Paris – 自然体の心地良さを着るSS2020の魅力

starring: Midori, Ryuji, & Tats 
text: Tats@tats.cyclist

ここ1年で各ブランドが単色をベースとしたサイクルウェアを取り揃えるようになり、クラブジャージのような派手なものを求めない僕たちに幅広い選択肢が与えられています。
ただ同じ単色でも、ブランドやラインナップによって生地の選択やカッティングは全く異なるもの。これがサイクルウェアの面白いところで、袖を通したときの微妙な着心地の違いで、作り手の意図が見えてきます。

そういう観点で「Peloton de Paris」(以下PDP)を着ると、はっきり伝わってくるのは“あたたかさ”や“心地良さ”といったキーワード。シーズンを重ねるごとにその感覚が強まっているように感じます。
さらにPDPらしくなったSS2020の魅力を詳しく見ていきます。

*本レビューのウェアはPeloton de Paris提供のものです。

Peloton de Paris

「Peloton de Paris(プロトン・ド・パリ)」は、2013年にベルギーに初めてできたサイクリングカフェによるブランド。このブランド名は、共同創業者であるヴィンセントの姓“ヴァン・パリース“をフランス語にし、レースの集団を意味する“プロトン”を頭に加えたことで生まれたもの。

ウェア展開はこのカフェのクラブキットから始まったものですが、そのオリジナリティからベルギー以外の国からも注目を集め、グローバル展開するようになりました。

日本ではTOKYO WHEELSが2018年に取り扱いを開始。その後CYCLISMも扱うことになり、数ある海外ブランドの中でも強い存在感を持つブランドとなっています。

SS2020

SS20はパンデミックの影響でリリースが全体的に遅れていましたが、PDPも例外ではありませんでした。早い段階でサンプルデザインは知らされていたものの、実際に手にすることができたのは6月に入ってから(届いたときは本当にうれしかった)。

今シーズンはバリエーションが増え、ライドスタイルに応じた選択ができるようになっています。

  シリーズ 得意ジャンル シーズン
1 Recon エンデュランス 春・初夏・秋
2 Domestique オールラウンド 春・初夏・秋
3 Sprinteur* トレーニング 真夏

*Sprinteurはメンズのみ

各シリーズの代表的なジャージ&ビブショーツをレビューします。

 

1. Recon

Reconジャージ

SS20に新しく加わったラインナップが、再生素材を用いたReconシリーズ。
PDPのウェアはもともと環境に最大限配慮し、持続可能な方法を取り入れながら製造されています。プラスチックを使わない包装、EU内での製造、デッドストックを可能な限り低いレベルに抑える生産コントロールなど。
そこに今シーズンからは100%リサイクル素材を用いたReconが加わっています。

バックポケットのタグが可愛い

再生素材でもほかのウェアとの差はなく、程よいタイト感がありながら生地の伸縮性が高い。幅広い体型のサイクリストに対応する仕上がりになっていると感じます。
カーキの落ち着いたトーン、袖口のラインや胸元のポイントロゴなど、ミニマリストなデザインはとても抜け感ある雰囲気。
流行に左右されないという観点からも、長く着られる“エシカル”なウェアなのがとても良い。

Recon Jersey – ¥17,500

Reconビブショーツ

昨シーズンからサイクリストの間で新たなスタイルとして定着し始めたポケット付きビブ。PDPは再生素材によって作り出しました。脚のポケットはサイズが大きく、持ち運ぶものに余裕が生まれます。

そして体に沿うフィットながら、締め付けは適度で紐の肩当たりも優しい。ロングライド用に適切に設計されているのがすごく伝わるビブ。

背中にも2ポケットあり。ジャージのバックポケットと同じ位置なので、硬い者同士で干渉しないように入れ方は工夫します。

もちろん普段のライドに着ても問題ないし、Tシャツと組み合わせてカジュアルに乗るのもあり。またマスクやハンカチなど持ち運ぶものが増えている今のスタイルには確実に利便性が高まる設計です。

Recon ‘Pocket’ Bib Short – ¥21,000

 

2. Domestique

Domestiqueジャージ

PDPの中で中心ラインとなるDomestiqueシリーズ。
“Lase Deep Purple”は、深めのパープルが落ち着きがあっていい色味。

Domestiqueのフィット感は快適性を重視したもので、特に気持ち良いのがシームレスな袖口。高い伸縮性から、カバーできる体型の範囲もある程度広く、それでいて体型を綺麗に見せてくれるシルエットの絞りが良い。
オールラウンドな生地が用いられているので、30℃以下のハイシーズンを長期に渡って着ることができます。

“Terrazzo Black”がモチーフにしている「テラゾー」は70年代のインテリアで流行した建築材料で、2〜3年前からリバイバルブームによって再燃しているもの。
モノトーンジャージと比較すると、体の表面に表情を与えるマーブルチップがPDPらしさ全開のクリーンな印象。さらっと羽織るだけでいい感じに見える、素晴らしいモチーフ選びとデザインへの落とし込みだと感じます。

メンズ/Domestique Jersey – ¥15,950
ウィメンズ/Domestique Women’s Jersey – ¥15,950

 

3. Sprinteur

Sprinteurビブショーツ

トレーニング・レース用につくられた、通気性の高いSprinteurシリーズ。
表面に加工された格子状のテクスチャは、脚の表面に立体感を与えます。シンプルなジャージと組み合わせるのがベスト。

サラッとした肌触りの良い生地が気持ち良くて、程よく走りの気分を高めてくれるような絶妙なタイト感。サスペンダー部分の張り感や肌触りも素晴らしいです。
激しいライド以外でもシーンを選ばないで履きたくなる、作り手のセンスが詰まったビブショーツだと感じます。

※ビブショーツでラインナップしているSprinteur/Recon/Domestiqueはいずれもどんなシーンでも着用できるポテンシャルがありますが、熱暑の中を高い強度で走る場合は、通気性の高いSprinteurが最も適しています。

Sprinteur Bib Short – ¥23,000

 

自然体で着こなして。

昨年PDPの共同創業者であるWendyと会ったときに、彼女がこう話していました。

「かつてベルギーでは、ショップが作ったジャージを顧客に配っていたの。みんなが着ていたのは、あまり格好良くないショップのチームジャージだけ。だからチームジャージ同士で派閥もできてしまう。その中でPeloton de Parisが出たことで、サイクリストたちがデザインでウェアを選ぶようになったの」

着るウェアによって“こっち側”と“あっち側”と明確に区別していたカルチャーから、サイクリスト同士を融和する存在となったPDP。

そういった背景から生まれているだけに、そのウェアからは何者も拒まない温かみを感じることができます。いつもの場所に戻ってきたときのようにほっとさせてくれる、ナチュラルで飾りすぎない着心地。

PDPはこれからも僕たちのライドスタイルに欠かすことのできないブランドであり続けるだろうと思います。

Peloton de Paris一覧(CYCLISM)

starring: Midori, Ryuji, & Tats 
text: Tats@tats.cyclist

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