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サイクリストのための、世界にひとつの自転車アクセ。
大事に想う人の記念日に何を贈るか考えることは、贈る側にとってもなにか心弾むようなものがあります。
その人に合ったものを考え悩み抜いて、プレゼントを渡したときに相手が喜んでくれることほどうれしいことはありません。
ただ付き合いの長い相手の場合、毎年贈り合っていると、だんだんと渡すものがなくなってくるという悩みも。
だから僕の場合、モノを渡すのではなく思い出になる体験をする、という考えで妻とは記念日を過ごすことが最近は多くなりました。
でも今年の記念日は、久しぶりに「贈り合いたい」と思えるモノに出会えました。
鈴木荘に出会う
そのきっかけはInstagram。
電車に乗りながらアプリ内の写真をふらっと眺めていたときに、自転車のチェーンリングをモチーフとした綺麗なシルバーアクセが目に入りました。
僕自身、普段あまりアクセサリは身に付けないのですが、それは本当に身に付けたいと思うデザインのものがあまりないから。
チェーンリングのデザインから、これ以上僕らサイクリストにぴったりのものはないと思い、調べてみると、「鈴木荘」という東京・白金台にある銀細工のお店のものだということ。
そこで早速その週末に訪問することに決めます。
優しい色のお店
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お店は南北線/都営三田線「白金台」駅から歩いて約10分。
広尾方面に向かう落ち着いた外苑西通りの脇道から、少しだけ高台に上ったところにあります。
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少し離れたところにある首都高の喧騒からはまったく切り離されていて、白壁の爽やかな建物にたくさんの緑が添えられた外観は、まるでファンタジーアニメの世界を現実にしたような雰囲気が溢れています。
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店内も白を基調としていて、かわいい鉢の植物が載せられた中央テーブルのショーケースを中心に、いろいろな銀細工が並べられているつくり。
静寂の中に自然光がお店全体に降り注ぐ雰囲気は、とてもゆったりしていて、その空間にいるだけで穏やかな気持ちになってきます。
鈴木荘コレクション
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鈴木荘で扱っているシルバーのモチーフは、もちろん自転車関連以外にも、植物・蝶・ドクロなどさまざま。
女性用だけでなく、男性でも身につけられるデザインもラインナップされています。
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僕ら自転車乗りにグッと刺さる、サドル型のキーホルダーや、ジュエリーが埋め込まれたヘッドキャップ。
ヘッドキャップに石を埋め込むというアイデアがとてもクリエイティブ。
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お店を見渡して特に目を引かれたのが、一角に置かれたTREKのマドン。ライトブルーがとっても爽やかで素敵…!
オーナー渡辺さんの愛車で、Project Oneでオリジナルペイントしたものに様々なカスタマイズを加えています。
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その中のひとつが、お店でも一番人気の蝶のワイヤーエンドキャップ。
蝶のエンドキャップは著名なヒルクライマー日向涼子さんも自身のバイクに着けているように、特に女性に好まれ、男性的なバイクのフォルムにちょっとした華やか成分をさり気なくプラスすることができる、とても素敵なモチーフ。
もともとは、渡辺さんご自身のバイクのために作ったことがきっかけでできたもの、とのこと。
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最高グレードの機材にあしらわれた華やかな装飾たち。
速く走ることを目的とした機材に、自転車とともにあるライフスタイルそのものを楽しむ姿勢がめいっぱい表現されているように感じ取れます。それは大人の余裕と呼べるもの。
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デザイナーを兼ねる渡辺さんは、中学生のころからロードバイクに乗り、その後BMXなど色々なバイクに触れ、再びロードに戻ってきた生粋のサイクリスト。
特にいまは街中を気の向くままにライドすることを楽しんでいらっしゃいます。
こんな感じで、インスタのライド写真がいつも面白いんです。
モチーフを選ぶ
僕らがチェーンリングのネックレスを作ってもらうにあたって、一緒に組み合わせるモチーフを選ぶことに。
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指輪やネックレスなどの身につけるアクセサリは、そのモチーフによってさまざまな意味合いを持ちます。
たとえばドクロは無駄な時間を過ごさないための戒め(日々を無為に過ごすとあっという間にドクロになる)、てんとう虫は幸運や豊穣(その人の不幸成分を天に飛ばす)、蝶は成長や復活(蛹→蝶へ生まれ変わる)といったように。
選ぶモチーフによって、自分がいつも意識したい「想い」や「戒め」を目に見えるかたちで表現できることが、アクセサリのもっとも素敵なところだと思っています。
僕らはチェーンリングを主体に、ハートのモチーフを組み合わせることにしました。
サドルの上にいるとき、そして下りてからも、ずっとサイクリストの自由で逞しいハートを持ち続けたいという思いを込めて。
完成までは2〜3週ほどかかるので、それまで仕上がりをわくわく待ちながら過ごします。
2つのキーチェーンネックレス
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そして3週間後、再び鈴木荘に訪れて受け取った2つのネックレスがこちら。
僕は丸いチェーンリングに小さいハート、妻がハート型のチェーンリング。
本当に、すごく素敵な仕上がり!
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銀細工のお店だけに好きな文字の刻印もできるため、せっかくなので“LOVE CYCLIST”と刻んでもらいました。
ハート型のチェーンリングに刻印するのはお店として初めてとのことでしたが、ラインに沿って、とっても綺麗にレタリングしてもらっています。
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留め具側には小さくてかわいらしい蝶が。
チェーンは長さを選べるので、ジャージの下に身に着けても問題ないように、僕は60cm、妻は50cmを選択。
このあたりのサイズ感は、どのような服と合わせたいかを加味してしっかりコンサルティングしてくれるので安心できました。
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ちなみに受け取るときは、ペニーファージングが描かれたこんな可愛い小瓶に入れて渡してくれます。
ネックレスを外しているときはこの瓶の中が定位置になるので、家の中でも失くさない。
いつもサイクリストの気分で
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実際にファッションに合わせてみると、存在感のあるシルバーはTシャツスタイルにとてもぴったり。
暑い季節はこうした着こなしが多くなりますが、自分たちの想いが含まれた、世界にひとつのアクセサリとともに在ることに、自然と気持ちがうれしくなってしまいます。
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もちろん、ライドに出かけるときも、いつもジャージの下に忍ばせるようになりました。
チェーンの長さがあるので、走行中ジッパーを下ろしても外に出ることはなく、休憩のときだけ少し顔を出す程度で、長さのチョイスがやはり絶妙です。
十人十色のサイクリストに深く刺さる。
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鈴木荘にやってくるお客さんは、僕のようにぴっちりジャージを着て走るロードサイクリストはもちろん、ゆるく街乗りしたり、サンダルでシングルギアのバイクに乗って長距離を走ったり、ご自身で安く入手したミニベロに超高級パーツをアセンブルするなど、自分自身が見つけたクリエイティブな楽しみ方をしている方がたくさんいらっしゃるよう。
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本来的に自転車は、そういった自由な楽しみ方がいくらでもできるもの。こうやって多種多様なサイクリストの想いを受け止めて形にしてくれるアクセサリ屋さんは、おそらく国内で鈴木荘ただひとつではないかと思います。
そして僕自身も、自分が持つロードバイクに対するパッションを、アクセサリという手に取れるかたちに落とし込んでくれた素敵なお店に出会うことができました。
丁寧につくってくれた僕たちだけのアクセサリを、これからずっと、大事に身に付けていきたいと思います。
※オンラインショップもあります。
P.S. 「じゅん散歩」も来ていたみたい。うらやましいw