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Cycling & Fashion Journal for Road Cyclists

【Fulcrum Racing Zero】レーシングゼロ インプレッション(増補改訂版)

 

レーシングゼロインプレフルクラムのレーシングゼロ2015-2016年モデル*を購入してから1年以上が経過し、新たに導入したカーボンホイールと併用していく中でレーゼロの良さを改めて実感しています。

レーゼロは、ホイールを替えると決めてから、約半年間悩んだ末に選んだモデルですが、長く使った上でも投資額に見合う良いホイールだと感じています。現在購入を悩んでいる方のために、このホイールに替えてから感じたことをまとめたので参考にしてください。

*レーゼロの2017年最新モデルはC15→C17にワイドリム化されていますが、その他のスペックに大きな変化はありませんので、フィーリングについては本記事の内容を引き続き参照いただけます。

※本記事は2016/4/15公開記事から加筆・修正したものです。

1. レーゼロ購入の経緯

ホイールを探していた当初はカンパニョーロのShamalUltra(シャマルウルトラ)レーシングゼロのどちらにするか非常に迷っていました。

その理由のひとつが、バランスが良くて巡航しやすいシャマルと、剛性を全面に出したレース志向のレーゼロを比較すると、オールラウンドに乗っていくにはシャマルの方が自分に合っているはずだということ。またレーゼロは2015年モデルから中国生産になっており、価格が下がっているものの精度が落ちているとショップから聞いていたことも悩ましいポイントのひとつでした。

それでも最終的に2つを実物で比較してみてレーゼロを選ぶことになったのはデザイン的な要素が強く、特にリムのグラフィックが好みだったこと、そしてリアのスポークの組み方がレーゼロの方が好みだったためです。

2to1とG3の比較

スポークの組み方 – 2to1とG3の比較

ホイールはフリー側の方がかけられる負荷が大きいため、シャマルもレーゼロも左右のスポークテンションを等しくするために、フリー側と反対側のスポークの数が2:1になっています。その組み方をFulcrumは”2to1”、Campagnoloは”Mega G3”と言っています。

2つを比べると2to1の方がG3よりスポークが外側に広がっていますが、これにより2to1の方は剛性に優れて、G3の方は柔軟性や空力に優れるという特性が生まれるようです。

デザインを比較すると、G3の組み方はアーティスティックな美しい見た目なのに対し、2to1の方はエネルギッシュですぐにでも走り出しそうな印象。これが個人的にストライクゾーンにスパッと刺さり、レーゼロにする決め手となりました(周りはG3派が多いので人それぞれ感性が違うなーと思います)。

 

2. レーゼロの特徴

レーゼロはサイクリストの間でアルミハイエンドホイールの定番としての地位を長い間確立しています。なぜ定番となっているのか、その理由を知るためにまずカタログスペック上で特徴的な部分を見てみます。

アルミホイールではかなり軽量な1437g*

完成車付属ホイールの鉄下駄2000g前後に対してレーゼロは500g以上も軽量。カンパやシマノなど他メーカーの同価格帯のモデルと同等の重量となります。
ホイールの軽さはゼロ加速やヒルクライム時に最も効果を発揮します。

*2017モデルは1518g

前後で異なるリムハイト

レーゼロはフロント25mmリア30mmと、前後でリムハイトが異なります。
フロントが低いことで軽い上に横風の影響を受けづらくなるためバイクの操作性が高まり、リアが高いことでエアロ効果やパワー伝達力を高められるようになっています。
レーゼロは操作性を高める軽量なフロント推進力を高めるがっしりしたリアの組み合わせのホイールということがわかります。

太いエアロスポーク

エアロ効果の高い、風を切り裂く形状の太いきしめん型スポークで組まれています。
レーゼロのエアロスポークは下位モデルのレーシング3やゾンダで使われているものよりも太いため、エアロ効果云々よりも見た目のインパクトの変化の方が強いです。

回転性能の高いUSBセラミックベアリング

レーゼロに搭載されているホイールの回転部となるセラミックベアリングは、Racing3などに搭載されているスチールベアリングと比較して30%軽く、40%耐久性が高く、50%以上回転がスムーズと言われています。回転性能が高いことで、より少ない力でホイールを回せるようになっています。

スペック上は軽くてよく回るホイールだと判断できます。ただひとつ、レーゼロの最大の特徴とも言える「硬さ」がここからはわかりませんが、それは実走していく中で見ていきます。

 

3. 1000km走行後インプレッション

実際にレーゼロを装着して約3ヶ月後、1000km走行時のフィーリングをまとめています。

総合的な印象

とにかく気持ちいいホイールというのが全体的な印象。レーゼロに替えてからさらにロードバイクに乗ることが楽しくなりました。

加速性能の高さと、踏めば踏むだけ進む感覚、ダンシングしたときに踏む力をすべて推進力に変えてくれる剛性感など、軽さと硬さがそのままフィーリングとして返ってくる感じです。

よく硬すぎて合わないとか、脚を使いすぎてしまうというインプレッションを見受けますが、フレームとの相性次第ではとてもバランスのいいホイールになると思いました。
確かに実際楽しくて踏みすぎてしまう面もあるのですが、このホイールに見合う脚になるためによりトレーニングにも熱が入るようになります。

ペダリングも最初のころはギアを上げて少しケイデンスを落として進むようにしていましたが、走り込むうちに疲労の蓄積が気になるようになりました。そこでホイールのフィーリングに慣れてからは少し軽めのギアで回すように切り替えたところ、巡航スピードは上がり、より長く走れるようになりました。

項目別評価

※()内は10段階の評価数字。レーゼロ以前に使っていたRS010を5としたときの相対評価

初速(5→10)

足元が軽いのでゼロ加速から30km/hまでがあっという間
スタート後、あまりがんばらなくてもすぐにスピードに乗ることができるのが素晴らしい。

これは、ストップアンドゴーが多い街中を走る場合や、軽い起伏が続く道など、頻繁に速度の加減が必要な場合に最適です。

高速巡航性能(5→8)

平地無風で32〜35km/hくらいが維持しやすいと感じます。
それ以上を維持しようとすると、それなりに踏み続けないといけない印象。この領域はシャマルの方が優秀なのだと思います。

逆に28km/h以下の低速域の巡航はほとんど力を使わなくて良いです。

快適性(5→7)

硬いと言われるレーゼロ。確かにRS010と比較して路面状況がダイレクトに伝わっているのがわかるため、リムの剛性感が快適性を損なっていると言われるのは理解できます。

ただ、僕の場合は硬すぎないオールラウンドフレームと組み合わせているので、むしろちょうどいいくらい。完成車ホイールのときよりも全体のバランスが良くなったと感じます。

ロングライドで使えるかの心配はありましたが、100km前後のライドであれば疲労感はRS010と比べて差はありません。

ハンドリング(5→10)

下りのカーブで思った通りのラインを描いてくれます。ここが一番感動した部分。

修善寺CSCのように高速で下って曲がるコースを通るとき、以前は大きく外に膨らんで恐怖を感じていたのですが、レーゼロはそのままの速度でコーナーインしても綺麗に曲がることができます。

ヒルクライム(5→8)

ホイールが真円で回る剛性感を坂で強く感じることができます。力をすべて推進力に変えてくれるのでもっと坂を登りたいと思わせてくれます。

 

4. 一年経過後改めて感じるレーゼロの良さ

これまで1年以上レーゼロを使用してきて、1000km走行インプレッションのときと大きな感じ方の変化はありませんが、ほかのホイールも併用していく中でレーゼロがこれだけ周囲に支持されている良さがわかるようになりました。以下の3つのポイントがレーゼロの特徴的な部分だと感じます。

横剛性が高いこと

レーゼロは縦だけでなく横剛性もガチガチです。
横剛性が高いメリットは、コーナリングの安定性(前述の通り)とダンシング時のパワー伝達力の高さの2つ。

特にダンシング時は、トルクをかけたときホイールがまったくたわまないのが良くわかります。
横剛性が弱いホイールだと踏み込んだとき少し溜めが入ってぬるぬる進む感じですが、レーゼロの場合は踏むと「ぐわん」と円を描いて進む感じ
これにより足を使いやすくなる傾向がありますが、それはペダリングの使い分けなどテクニックで調整できる部分です。

同じくレーゼロを使っているスプリンター体型の仲間(詐欺師)も「ダンシングがすごく進む」という評価をしています。

すべての踏み込みに対して素直に反応すること

ペダルの踏み込みに対するタメが発生しないため、ペダルを回したとき、その回した分がそのまま進む距離に転換されるような感覚になります。

ヒルクライムの最後の方や平地でもがいているとき、疲れ切ってどんなペダリングになってもとりあえず前にそのまま進んでくれるのは頼もしさを感じます。これは硬いホイールの最たる特徴です。

使用状況を選ばない優秀なオールラウンドホイールであること

ちょっとやそっとでは壊れないくらいとにかく頑丈でよく進むホイールなので、トレーニング/レース/ブルベ/ヒルクライムなど、どの用途でも区別することなく使い倒せる万能感があります。

ロングライドに向かないと言われているのもテクニックで解消でき、力の抜き方がわかれば長距離でもまったく問題はありません。
1本で何でもこなしたいという用途に間違いなく応えてくれるホイールです。

レーゼロのデメリットは快適性の少なさ以外あまり見当たらないため、高い剛性感が好みかそうでないかという点がレーゼロを買うべきかどうかの判断になると思います。
ただレーゼロは使っている人が多く、人と被りやすいという点はもうひとつのデメリットかもしれません(使用率の高さから「国民的ホイール」と言ってもいいくらい)。

* * *

機材に対する評価は個人的な感覚になってしまいますが、上記インプレッションがホイール選びの一助になればと思います。

いわゆる鉄下駄ホイールからアルミハイエンドホイールへの換装は大きな変化を実感できます。しかもホイールの変化によってロードバイクに乗るのがさらに楽しくなるので、レーゼロもホイール換装候補のひとつとしてご検討ください。

 

 レーシングゼロの販売価格を調べる

Wiggle:  Fulcrum – Racing Zero LG クリンチャーホイールセット (2017モデル)
Chain Reaction Cycles:
Racing Zero Black Clincher Road Wheelset(2017モデル)
Amazon:
Fulcrum – Racing Zero C17 クリンチャーホイールセット(2017モデル)
Fulcrum – Racing Zero クリンチャーホイールセット(2016モデル)

レーシングゼロの新旧スペック比較

2017モデルと旧モデルの違いは以下の通りです。

  • 項目 2015-2016モデル 2017モデル
    重量 1437g 1518g
    リム内幅 15C 17C
    推奨タイヤサイズ 23c 25c
    リムハイト フロント25mm リア30mm
    スポーク アルミストレートプル(空力に優れたきしめんタイプ)
    ハブ USB™セラミックベアリング、カーボン製ボディ(Fのみ)
  • ・2017モデルはワイドリム化(15C→17C)されたため、対応タイヤが25c以上*となる
    ・そのためタイヤとホイール含めると旧モデルより100g程度重量が増加
    ・重量アップの代わりに25cタイヤによる安定性が得られることになった

* タイヤサイズによる特性の違いはこちらを参照ください。
クリンチャータイヤの選び方と主要メーカーの定番4選


 

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