ロードバイクの「色選び」ガイド:ORBEAのカラーオーダーから考えよう〈実践編〉

前篇では色選びの重要性や考え方について語った。後篇では、実際に3者がORBEAのカラーオーダーシステム「MyO」でつくったアイデアを紹介し、そのカラーに至った背景を説明していく。これからカラーオーダーしようと考えているサイクリストはぜひ参考にしてほしい。

*前篇〈基礎知識編〉はこちら

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『ORCA』カラーアイデア5選

ORCA(オルカ)

2023年に第7世代にアップデートされたORCA。軽量バイクに分類され、前世代よりもクラシカルになった形状がとても美しい。
乗り心地は癖がなくて軽やかで、上っていて楽しさを感じる。またハンドルがクイックでダンシングのリズムも取りやすい。総じてバランスの良い、上品な乗り味のバイクだと感じる。

MyOでは細かな配色だけでなく、コンポーネント、ステム長、クランク長などが選べる

 

①トレンドカラーで遊ぶ

デザイン: Naoko

トレンドのラベンダーカラー『ライラック』に使ったこのパターンは、「ナチュラルなスタイルで走る女性サイクリスト」をイメージしたもの。
ライラックはソリッドカラーで、メーカーの基本ラインナップには入らないけれど、品のある色だ。
セカンドカラーの『メタリックネイビー』は、ホイールとフォークとロゴで揃えているが、ホイールはペイントの主張が少ないようにハイトを低くしている。
クランク側はロゴとホイールが完璧にコーディネーションされているという、オーダーならではの良さを演出した。

メインカラー ライラック ORBEAロゴ メタリックネイビーブルー
セカンドカラー メタリックネイビーブルー 仕上げ グロス
サードカラー メタリックネイビーブルー ホイール OQUO RP35
トップチューブ ライラック コンポーネント SRAM Rival eTAP AXS

 

②「好きな色」と「似合う色」をかけ合わせる

デザイン: Naoko

「ORBEAを自分が乗るならこんな感じが良い」という前提でデザインしたこのパターンは、クラシカルな『ダークグリーン』をベースにしている。
ORBEAロゴは、①にも用いた『ライラック』。ライラックはデザインしたNaokoに似合う色ではないが、好きな色なので、自分用と考えてロゴに使った。
逆にフレームのグリーンは自分に合うことがわかっているので、この配色は「好きな色」と「似合う色」を組み合わせたかたち。
ウェアは顔のすぐ近くに色がくるから似合う色しか選べないけれど、自転車は顔から離れるので、実はウェアよりも好きな色を選びやすいということは、配色を考えるうえで知っておくと良い。

メインカラー メタリックダークグリーン ORBEAロゴ ライラック
セカンドカラー メタリックダークグリーン 仕上げ グロス
サードカラー メタリックダークグリーン ホイール OQUO RP45
トップチューブ メタリックダークグリーン コンポーネント SRAM Rival eTAP AXS

 

③スポーツカーからインスピレーションを

原案: Tats   デザイン: Naoko

車の色の中でもプジョーやルノーに使われるイエローが好きなTatsが、そのトーンの印象を自転車に落とし込んだパターン。
スポーツカーにインスピレーションを得ているので、スポーティ方向に振るべく、

・マットではなくグロスカラー
・トップチューブ上とフォーク(左側)を黒く
・リムハイトを高く
・クランクを黒のFORCEに

といった点を意識している。クランクをシルバーのREDではなく、あえて黒のFORCEにすることで統一感が産まれる。こうして好きな車の色をベースに自転車の配色を考えるのもひとつの手

メインカラー コーンイエロー ORBEAロゴ ブラック
セカンドカラー ブラック 仕上げ グロス
サードカラー ブラック ホイール OQUO RP45
トップチューブ ブラック コンポーネント SRAM Force eTAP AXS

別パターン:ウェア合わせを考慮して。

Tatsがネイビーのウェアを良く着ることからホイール・ロゴをネイビーにして少しポップな印象に。そうなるとFORCEでもレーシー過ぎてしまうので、RIVALのシンプルな見た目の方が相性が良くなる。

 

④余裕ある大人のオーラ

原案: 吉本司   デザイン: Naoko

歳を重ねて「あまりレーシー感を出したくない。大人っぽく乗るならこの辺から」という吉本氏の思いで『バーガンディレッド』をメインにしたパターン。
ロゴをゴールドにすることで、余裕ある大人のオーラ漂うクラシックな配色となる。またホイールのハイトは少し高めの45mmに設定し、足元を黒で引き締めている。
コンポはREDだと気合い入りすぎてる感が否めないので、FORCEでさらりとした余裕を与えている。

メインカラー メタリックバーガンディレッド ORBEAロゴ メタリックゴールデンサンド
セカンドカラー メタリックバーガンディレッド 仕上げ マット
サードカラー メタリックゴールデンサンド ホイール OQUO RP45
トップチューブ ブラック コンポーネント SRAM Force eTAP AXS

別パターン:配色で遊ぶ。

ホイールをロゴと同色にして、大人な雰囲気に遊び心が加わったパターン。バーガンディが持つ雰囲気とは少しずれるが、乗り手のキャラクターによってはこういった配色もあり。

 

⑤部屋に飾れるレーシング

デザイン: Naoko

自分の生活を中心に考えて、部屋にマッチする感じをイメージして作ったこのパターン。ディスプレイ上は黒に見えるが、『メタリックインフィニティグリーン』という渋くて格好良いマットカラーがベースになっていて、黒よりも質感がアップする。
クランクはフレームに合わせて黒を選びたいが、同じ黒でも105ではまとまりが出ないため、FORCEを選択。この形状が絶妙なハズしになる。パーツをグレードではなく色合わせで選ぶというテクニックを用いることで、前篇で「黒は上級者向け」という話が出たが、その難しさをうまく落とし込んだ。

メインカラー メタリックインフィニティグリーン ORBEAロゴ ブラック
セカンドカラー ブラック 仕上げ マット
サードカラー ブラック ホイール OQUO RP45
トップチューブ ブラック コンポーネント SRAM Force eTAP AXS

 

『ORCA AERO』カラーアイデア5選

ORCA AERO(オルカ エアロ)

2022年に投入されたエアロロードORCA AERO。
見た目が重厚なので、剛性感が高くて脚にストレスを感じると思うかもしれないが、実際は脚あたりが良くて、無駄な力を使わずに中高速域を走ることができる。
特に高速域の空気の抜けが良く、下りは明らかにORCAより速い。上りもORCAほどではないが癖なく走れるため、トータルで心地よいバイクだと感じる。

ORCA AEROは2トーンカラーをベースに、シートポストの色でも遊べる

 

①品のある王道レーシング

デザイン: Naoko

ORCA AEROのカラーオーダーはフレームカラーを上下で分けることができるが、エアロロードはレーシングバイクの要素が強い形状なので、やたらアクセントカラーを用いると印象がとっ散らかってしまう
このパターンでは、品のある『ダークグリーン』を基調とし、色の重心を下に置きながら、白とグレーのトーンオントーンで上品な雰囲気を出している。
ホイールにも差し色のグリーンを入れることで、さり気ないまとまりが生まれる。

メインカラー メタリックダークグリーン 仕上げ グロス
セカンドカラー マウスグレー ホイール OQUO R57
シートポスト メタリックスパークシルバー コンポーネント Shimano 105 Di2
ORBEAロゴ ホワイト  

別パターン:シートポストに色を入れる

よりレーシングな雰囲気を出すなら、赤や黄などのソリッドカラーをシートポストに入れるのもひとつの手。カラーオーダーならではのテクニックだ。
シートポストに強い色が入っているので、ホイールの差し色はグリーンから黒に戻している。

 

②おしゃれ速いエスニック

原案: Tats  デザイン: Naoko

ORCA AEROはトップチューブに『Calca Geometric』という幾何学模様を選ぶことができる。
この模様をカラーオーダーで選べるあたりが、スペインらしい遊び心を感じるので、ほかの色はできるだけ抑えてその心意気を堪能できるフレームにしておきたい。ロゴには幾何学模様にも一部使われている『ライラック』を用いて統一感を出している。

メインカラー ブラック ORBEAロゴ ライラック
セカンドカラー ブラック 仕上げ グロス
トップチューブ Calca Geometric ホイール OQUO RP45
シートポスト ブラック コンポーネント SRAM Rival eTap AXS

別パターン:シートポストで女子力を上げる。

シートポストをライラックにするだけで急に上がる女子力。でも速そうな感じは残っている。

 

③ポップ可愛いレーシング

デザイン: Naoko

②と同様に幾何学模様をベースにしたが、模様にも入っているブルーをメインカラーにすることで、オーダーじゃないとできない目新しい配色に。黒以外にすると、一気にポップでガーリーになる。
コンポは抜け感あるRivalをアセンブルし、ホイールのリムハイトは抑えて全体的な軽やかさを出している。
レーシング感漂うフレームでも、配色次第でここまでギャップを生み出すことができることがカラーオーダーの面白味でもある。

メインカラー メタリックブルー ORBEAロゴ ホワイト
セカンドカラー ホワイト 仕上げ グロス
トップチューブ Calca Geometric ホイール OQUO RP45
シートポスト ライラック コンポーネント SRAM Rival eTap AXS

 

④重厚感漂う“大人”エアロ

原案: 吉本司   デザイン: Naoko

②③とはまた異なる幾何学模様『Calca Dynamic Rainbow』を使ったパターン。
吉本氏が「彩度低く重めな色で品格が出るようにした」というブルーのトーン・オン・トーンは、色合わせの格好良さと落ち着いた大人っぽさが出るように、マットカラーで仕上げた。
いかつくなりすぎないレーシングバイクの雰囲気は、若いサイクリストでは背伸びした感じになるかもしれないが、氏のような大人にこそ似合う重厚な仕上がり。

メインカラー メタリックブルー ORBEAロゴ メタリックゴールデンサンド
セカンドカラー メタリックネイビーブルー 仕上げ マット
トップチューブ Calca Dynamic Rainbow ホイール OQUO RP57
シートポスト ブラック コンポーネント SRAM Rival eTap AXS

別パターン:スキンサイドを取り入れるなら。

タイヤにスキンサイドを取り入れるなら、フレームツートーンだとうるさくなりすぎるので、フレーム+シートポストで2色の構成にすることで、スキンサイドの色が加わってもまとまりが生まれる。シートポストは黒かネイビーで統一したほうが下半身がまとまるが、タイヤを黒くしても個性が残るように、あえてロゴと同じゴールドを配色している。

 

⑤これみよがしじゃないフレンチリスペクト

デザイン: Naoko

スペインのORBEAだけれど、フランス好きなNaokoがリスペクトを込めて採用したトリコロールパターン。
赤・白・青を原色でやりきると、どぎつい印象になるので、さりげなくやるならトーンを抑えた組み合わせに。

・座ると見えないシートポストのバーガンディ
・停車するとわかるホイールのネイビー
・白とシルバーのトーンオントーン

これらの要素が、これみよがしなトリコロールではなく、「離れて見るとフレンチカラーじゃん」と思わせる小粋な演出を生んでいる。
カラーオーダーだと色を盛り盛りにしたくなるけれど、そこまでデコらなくてもオリジナリティを出せるという好例。

メインカラー メタリックスパークシルバー 仕上げ マット
セカンドカラー メタリックスパークシルバー ホイール OQUO R57
シートポスト メタリックバーガンディレッド コンポーネント Shimano 105 Di2
ORBEAロゴ ホワイト  

 

アップチャージなしでカラーオーダーできる「MyO」

ORBEAのカラーオーダーシステム「MyO(マイオー)」はアップチャージなし。既製カラーにビビッと来るものがなければ、カラーオーダーしても追加費用がかからない。さらにホイール、タイヤ、ステムなどパーツのアセンブルもカスタマイズ可能。ORBEAをオーダーするなら「MyO」を使わないと逆に損になる。
Web上で色合わせをするだけでも楽しいので、自分ならどういうロジックでカラーコーデするかをぜひ試してみてほしい。

対象バイク

Orca(完成車価格:¥549,000〜¥1,689,600)
Orca Aero (完成車価格: ¥537,900〜¥1,612,600)
Terra (完成車価格: ¥460,900〜¥921,800)

※他メーカーはハイエンドモデルしかカラーオーダーに対応していないケースもあるが、ORBEAは各グレードから選べる

MyOでカスタマイズしてみる(ORBEA公式サイト)

Photo & Edit / Tats
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提供 / ORBEA JAPAN