鮮やかに夏に弾ける。「Attaquer」Climbers & All Dayコレクション。

starring: Hiroki / Mei / Rin
text & photo: Tats

数ある海外ブランドの中で、キャッチーなデザインと機能性の高さから、感度の高いサイクリストに幅広い浸透を見せているオーストラリアのブランドAttaquer(アタッカー)。

世界が新たな転換を迎えた今、“Be your alter ego(別人格になる)”というブランドコンセプトは、気持ちを新たに前に進もうとするサイクリストの意思と強くつながっています。

そんなAttaquerのSS2020新作から、レース系「Race ULTRA+」とオールラウンド系「All Day」を、ライド仲間のHiroki、Mei、Rinとともにレビューしていきます。

*本レビューのウェアはAttaquer Japan提供のものです。

※SS2021最新ウェアのレビューはこちら↓

Attaquerテストライド

重い雲間に日差しが差し込む初夏のライドは、湿度が90%を越え、黙っていても汗が染み出してくる厳しい気候で行われるもの。
そういった環境の中、山岳を含んだ約130kmのコースでAttaquerのウェアをテストすることで、ジャージやビブの持つポテンシャルを最大限に把握してきました。

Attaquerについて語る3人

Race ULTRA+ クライマージャージ

Race ULTRA+ Climbers Jersey White – ¥17,000

Hirokiが着ているのは『クライマージャージ』。Attaquerのレースライン“Race ULTRA+”の中で軽量カテゴリに位置するジャージで、文字通りクライマーのためにつくられたウェア。

バイクの上で凛々と動く筋肉質なHirokiにとって、ウェアはその動きを妨げてはいけないもの。
「通気性抜群…!」と彼が語るように、透けるほど薄い生地で構成されていて、よく伸びることが傍から見ていてもわかります。

バックポケットは大容量で使いやすい

そういった快適性&追従性は、空気抵抗を抑える前面・背面のパネルと、空気を流す側面のパネルを組み合わせた設計によるもの。白一色でシンプルに見えながら、つくりはレース用途に適うようにかなり気を遣われています。(爪で引っ掛けると綻ぶこともあるので取り扱いには注意)

袖はラグランスリーブですが、肩周りのパネルの組み合わせ方が特徴的。おそらく薄い生地の強度を保つためにこのような設計にしているのだと思われますが、これが真っ白なジャージのデザイン的なアクセントになっています。

サイズ感については、サイズ表通り選択すれば綺麗にフィットさせることができます。ただ生地が伸びるため「ぎちぎちに締め付けたいサイクリストはワンサイズ落とした方が良いかも」とのこと。彼自身は胸囲84cmで、サイズ表通りのXSを着用しています。

Race ULTRA+ Climbers Jersey White

 

All Day ジャージ

All Day Tri Band Jersey / All Day Club Jersey – ¥16,000

Attaquerウェアの中で、パフォーマンスと快適性を併せ持つ“All Day”コレクション。

All Dayの新作デザインは、トレンドの落ち着いたトーンとは対称的な、強い意思のようなものを感じます。転換を迎えた世界の「再生の意思」を表すような情熱的・鮮やかで激しいトーン。未来を見るためのウェア。

これまでのAll DayもAttaquerらしいキャッチーな雰囲気とインパクトで魅了されてきたものの、今回はっきり提示されたこのカラーリングは、もはや何も語る必要はないと思わされるほど。

一見シティライドに合うような雰囲気ですが、実際は山林でこそ映える色味。緑の中に浮かぶ鮮やかなオレンジが、サイクリストを力強く、パキッと浮き立たせます。

「いつもと違った雰囲気をまといたいときに着たい」

Rinは「誰も着ていなさそうな、ソリッドな色の組み合わせが良くて」とTri Bandジャージを選びましたが、高貴なブルー&グリーンと情熱的なオレンジのコントラストは本当に格好良い。

「たくさん汗をかいてもベタつく感じがしなくて、暑い夏に大活躍しそう」

機能面に目を向けても、All Dayはメッシュパネルを使用し、皮膚との接点を減らすことで充分な快適性を生み出しています。

ただ設計面で気になったのが袖口。Rinはロードサイクリングに恵まれた細身の体型ですが、袖口の伸縮性がほかのジャージと比べると少ないため、サイズガイド通りに選択すると袖口が若干余ってしまう状態に。
こういった設計は、Hirokiのようにぴったりサイズ感が適合するとエアロ効果もフィット感もベストな状態になりますが、体型によってはワンサイズ落とした方が合うケースがあるという点は注意が必要です。

バックポケットの使い勝手についても改善の余地があると感じます。
Race系のポケットと比べると、All Dayは幅が狭くポケット口が伸びづらいため、モノを出し入れしづらいことが若干の難点。ただしこれは、形が崩れにくいというスタイル面でのメリットもあります。
またウィメンズはサイズの関係から2ポケットしかないという点も、事前に把握しておくと良い点です。

All Day Tri Band Jersey / All Day Club Jersey

 

All Day ビブショーツ

All Day Bib Short – Black | Navy (¥24,000)

3人とも口を揃えて「良い」と話すのが“All Dayビブショーツ”。
ビブの性能を見る上では、パッド・裾・肩ひも・生地・フィットといった細部に分けて把握していきますが、All Dayビブはすべてにおいて素晴らしい仕上がりになっています。

裾がよく伸びるので、たとえ脚が太くても入ります。脚質が異なるRinとHirokiの2人、どちらにもフィットしている…!

設計もメンズとウィメンズは同じつくりではなく、ウィメンズがちゃんと専用設計になっています。
パッドは女性に合わせて3つのパネルから構成され、長時間のライドでも痛みが出づらいつくり。

All Day Bib Short – Womens Black (¥24,000)

ウィメンズの裾はメンズよりも薄い生地ですが、そのおかげでソーセージレッグにならない。長さもトレンドの短めで、ちゃんと女性目線でつくられていることがわかります。走っていてもずり上がらず、しっかり止めてくれる。

デザイン面では、俯瞰して見たとき特に感じるのが、発色が濃くてテカリが少ないという点。ほかのブランドと比べると、密度が高く肌触りが良い生地が用いられています。そのため、特にブラックは発色が濃く出て、明らかに格好良く見えます。

自ら選んで着こなす情熱的ブランド

“Be your alter ego”──ライドを通してどのような人格になるかは、サイクリストのスタイルによって大きく変わります。そしてAttaquerは、多様化するスタイルに応じた複数の系列のウェアを提供している数少ないブランドのひとつ。
Hiroki、Mei、Rinの3人は、自分たちのライドスタイルを踏まえてジャージを選んでもらいましたが、その選択は彼らのスタイルに完全に適合していました。

Race ULTRA+でロードバイクの本質である“速さ”を極めていくか、All Dayによって“再生する意思”を色鮮やかに表現するか、そういった選択の自由を、Attaquerは僕たちに与えてくれます。

Attaquerのウェアを着る

Attaquer公式サイトメンズ | ウィメンズ

starring: Hiroki / Mei / Rin
text & photo: Tats