【ロードバイク】トレーニング以外で坂に強くなるテクニック8選

ヒルクライムで翼が生える

坂は好き?

ヒルクライムに何を求めるかは人それぞれです。頂上の景色ほしさなのか、ダウンヒルの爽快感までの我慢なのか、上る苦しみ自体を快楽としているのか。あるいは、坂なんてできる限り上りたくないくらい苦手という場合もあります。

僕も最初は坂は好きではなかったのですが、上り方のコツを掴むうちに、今では坂を見ると興奮するくらいの坂好きにはなりました。

そこで坂にまだ慣れていない人のために、長い坂や激坂を上れるようになるために意識するべきテクニックを8つお伝えします。

1. ヒルクライム用のポジショニングをとる

楽に上りたいのであれば、上ハンドルを軽く握って、腕や肩をリラックスさせた状態でペダルを回します。

このポジションは上半身が起きているので呼吸もしやすく、エネルギーをすべてペダリングの方に集中させることができます。そのため、緩い上りがずっと続くような場合は上ハンドルを基本にします。

スピードを出したいとき、短い上りのときなどはブラケットポジションを。
下ハンは上り基調の道では使う機会はほとんどありません。

 

2. 新鮮な空気を取り入れる呼吸法をする

上っているときはペダルを回すことに精一杯で呼吸に意識が向かないかもしれません。しかし、良い呼吸で酸素を目一杯取り込むことができれば、ペダリングのパフォーマンスを最大限に上げることができます。

酸素を取り入れるというと、吸うことに意識を向けそうですが、実は吐くことの方が重要
肺に残っている二酸化炭素がたまった古い息を吐ききれば、そのスペースに酸素たっぷりの新鮮な空気が入ってきます。

吐ききるといっても時間をかけて吐くと酸素が欠乏してしまうので、短い時間で力強く吐くことを意識します。常に新鮮な酸素が体の中を駆け巡るイメージで。

 

3. 80rpm以上のケイデンスで回す

重いギアで力強く上るのはかっこ良いですが、よほどの筋力がない限り、それができるのは短く緩い坂だけです。

持続的に安定して上るためには80rpm以上のケイデンスで回せるギアを選択します。その方が膝に負荷がかかりにくく、結果的に速く上ることができます。

 

4. ペダリングを使い分ける

筋肉にかかる負荷を分散させるために、ヒルクライムでもペダリングを使い分けた方が長く上ることができます。

特にお尻を意識したペダリングは、シッティングでも上半身や体重を活かすことができます。お尻ペダリングをベースにしながら、必要であれば踏み込むペダリングや回すペダリングを使い分けるようにします。

3つの使い分けで速くなる!ロードバイクのペダリング術』の「3. ヒルクライム用のペダリング」を参考にしてください。

 

5. ときどきダンシングする

ペダリングを使い分けていても、ずっとシッティングだと脚に負荷がかかり続けるので長時間回していると疲れてしまいます。

そんなときに、自分の体重を利用した「休むダンシング」をして、脚の筋肉を回復させます。立つタイミングでリアギアを1〜2枚シフトアップした方が体重を活かせるので勢いが落ちません。休むダンシングの方法は、『もっと速くなれる!ロードバイクのダンシング術』を参考にしてください。

 

6. 平地の勢いを活かす

坂に入る手前の平地でダンシングで加速しておいて、その勢いのままダンシングで坂を上ります。短い坂であればそのまま上りきることもできるし、長い坂でも距離を稼ぐことができます。

長い坂のときの注意点

  • ・ダンシングで脚を使い過ぎない。トルクをかけすぎだと感じたらリアギアを1枚ずつ落として調整していく。
  • ・平地の勢いが死んできたらシッティングに移行する。その際に、フロントギアをインナーにすると同時にリアギアをシフトアップして最適なギアを瞬時に選択する。(参考記事:【ロードバイク】シフトチェンジの基本

 

7. ペース配分を考える

坂は力を使い切ると本当に前に進まなくなってしまうので、最初に頑張り過ぎないことが肝心です。

体力に自信がある場合を除いて、後半に余力を残しておくようにペースマネジメントをします。頂上手前で最後の力を使って一気にダンシングで駆け上ることができるくらいの目安で。

同じ坂に何回も上ると、マネジメントの方法がわかるようになってきます。

 

8. ライン取りを意識する

山のカーブは、内側のほうが傾斜が急で、外側が緩めになっています。
外側を走るようにすれば、距離は長くなりますが、斜度が緩いため脚への負担が減り、楽に進むことができます。

あくまで道路状況が許せばの話ですので、一般道では車に充分に注意してください。

* * *

言うまでもなく、上記に加えて自分の体重を落とすことも非常に効果的です。筋力を維持したまま無駄をそぎ落としていくのはとても大変ですが、テクニックだけでなく、日々の積み重ねで得られる成長の実感も大きなヒルクライムの楽しみだったりします。

ヒルクライムレースの多いシーズンでもあるので、テクニックとフィジカルの両側面から坂を楽しんでくださいね。