ロードバイク乗りに最適な体型とは 〜 ツール・ド・フランス2020のリザルト別体型まとめ

text by Tats@tats.cyclist

闘える体型を目指す。

長距離を高出力で走るロードサイクリストにとって、どのような体型を維持していくのが最適なのか。
その参考とするために、2020/8/29〜9/20に開催されたツール・ド・フランス2020における、リザルト上位選手の身長・体重からBMIを出し、個人総合・ポイント賞・山岳賞別に傾向値を算出しました。

もちろん体型だけで力を測ることはできませんが、僕らが目指すべき指標のひとつとしてトップ選手と自分を照らし合わせながら、体型コントロールのベンチマークにできればと思います。

*体型データ参照元: ツール・ド・フランス2020公式プログラム 八重洲出版(2020)
*本記事は2019年の記事に対して集計データを最新化した改訂版です。

表記について

脚質
A: オールラウンダー、C: クライマー、S: スプリンター、P: パンチャー、R: ルーラー

BMI=体重(kg)/{身長(m)x身長(m)}
ポガチャルの場合は、60÷(1.74×1.74)=19.82となります。BMIは18.5〜25が普通体重とされ、この範囲を下回ると低体重、上回ると肥満と判定されます。

 

1. 個人総合の傾向

順位 選手名/所属チーム 脚質 身長 体重 BMI
1 タデイ・ポガチャル/UAEエミレーツ A 176 66 21.31
2 プリモシュ・ログリッチ/ユンボ・ヴィズマ A 177 65 20.75
3 リッチー・ポート/トレック・セガフレード A 172 62 20.96
4 ミケル・ランダ/バーレーン・マクラーレン C 173 60 20.05
5 エンリク・マス/モビスター C 177 61 19.47
6 ミゲルアンヘル・ロペス/アスタナ C 164 58 21.56
7 トム・デュムラン/ユンボ・ヴィズマ R 185 69 20.16
8 リゴベルト・ウラン/EFプロサイクリング A 173 63 21.05
9 アダム・イェーツ/ミッチェルトン・スコット C 173 58 19.38
10 ダミアーノ・カルーゾ/バーレーン・マクラーレン C 179 68 21.22
中央値 174.5 62.5 20.59

累計タイムの速さで競う個人総合のTOP10は、ほとんどの選手の脚質がオールラウンダーあるいはクライマー。
ツール・ド・フランスのようなグランツールは山岳が多く、クライマーやオールラウンダー向けのコースとなっているので、BMI中央値である20.59は後述のクライマーに近い値となっています。

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TTやダウンヒルだけでなく登りもこなす、スキージャンプ出身のログリッチは中央値に近い体型。20ステージのTTでポガチャルに逆転を許す。

2. ポイント賞の傾向

順位 選手名/所属チーム 脚質 身長 体重 BMI
1 サム・ベネット/クイックステップ S 178 69 21.78
2 ペーター・サガン/ボーラ S 184 73 21.56
3 マッテオ・トレンティン/CCC P 179 74 23.10
4 ブライアン・コカール/ヴィタルコンセプト S 171 61 20.86
5 ワウト・ファンアールト/ユンボ・ヴィズマ A 187 70 20.02
6 カレブ・ユアン/ロット・スーダル S 165 67 24.61
7 ジュリアン・アラフィリップ/クイックステップ C 173 62 20.72
8 タデイ・ポガチャル/UAEエミレーツ A 176 66 21.31
9 セーアン・クラーウアナスン/サンウェブ  A 178 73 23.04
10 ミケル・モルコフ/クイックステップ R 183 69 20.60
中央値 178 69 21.76

スプリント争いとなるポイント賞は、体格の良いスプリンター脚質の選手が上位に入っているため、中央値21.76と高め。
平均身長もほかのジャージと比べると高く、高身長でガタイの良い体型が有利であることがわかります(カレブ・ユアンのような低身長を生かした走り方をする例外もあり)。

とはいえ、BMI値としては肥満にならない25以下に収まっており、スプリンターでもバイクを降りれば標準体重の範囲内です。

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エーススプリンターのベネットはサガンを抑えて念願のマイヨヴェールを獲得。21.78とバランス良い体型。

 

3. 山岳賞の傾向

順位 選手名/所属チーム 脚質 身長 体重 BMI
1 タデイ・ポガチャル/UAEエミレーツ C 176 66 21.31
2 リチャル・カラパス/イネオス C 170 62 21.45
3 プリモシュ・ログリッチ/ユンボ・ヴィズマ A 177 65 20.75
4 マルク・ヒルシ/サンウェブ P 174 61 20.15
5 ミゲルアンヘル・ロペス/アスタナ C 164 58 21.56
6 ブノワ・コヌフロワ/AG2R P 176 64 20.66
7 ピエール・ロラン/ヴィタルコンセプト C 184 67 19.79
8 リッチー・ポート/トレック・セガフレード A 172 62 20.96
9 ナンズ・ピーターズ/AG2R A 177 70 22.34
10 レナード・ケムナ/ボーラ A 181 65 19.84
中央値 176 64.5 20.88

クライマーの栄冠山岳賞争いのBMI中央値は20.88
クライマーらしく低身長で身軽な選手が活躍しており、個人総合との中央値の差もほとんどありません。

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第20ステージの劇的な逆転により3つのジャージを獲得したポガチャル。中央値を上回っているが上りに強い。

* * *

ツール・ド・フランスという長丁場のレースにおけるリザルトをベースにしているため少し特異性があるかもしれませんが、BMI傾向値としては以下のようなことが見えています(昨年から変化ありません)。

・オールラウンダー、クライマーなどの持久タイプ:19-21
・スプリンター、パンチャーなどのパワータイプ:21-24

多寡はあれ、体型だけを見ればほとんどの選手が普通体重の範囲内に収まっているところが健康的。これだけスラっとした体で、あれほどの出力を続けられることに感服せざるを得ません。
自身の脚質と照らし合わせて、どの範囲で体重をコントロールするかの参考にしてください(ちなみに僕は19.5で、BMIだけは個人総合争いに加われます…)。