「ロードバイクウェアのおしゃれな海外ブランド第6弾」で紹介したフランスのブランド『Warsaw Cycling(ワルシャワサイクリング)』。
以前長袖ジャージとビブショーツのレビューをしていますが、今年4月から新たにラインナップに加わったキットは、これまでのシリーズとは少し異なり、よりグレードアップされた仕上がりとなっています。今回上下キット+ジレを提供してもらったので、これまでとの違いを含めて詳しくレビューしていきます。
Contents
1. 新しいラインナップについて
Warsaw Cyclingは、パリでメッセンジャーをしていたSvenと、女性服のファッションデザイナーだったCharlotteによるフランスのブランド。
ラインナップはどれもすごく綺麗で洗練されており、好みのデザインだと感じる方が多いと思います(特にハートのロゴマークが印象的)。
そして今回新たに加わった3種類のデザインは、よりシックでかっこいい仕上がり。
このジャージデザインに合わせてジレとビブショーツも展開しており、すべて揃えるとひとつの美しい世界が形成されるような感じ。すべてメンズ/ウィメンズ両方展開されています。
変わったのはデザインだけでなく、ウェアの作りも大幅にグレードアップ。そのため価格もこれまでと差別化されるかたちになりますが、その価格差に見合うもの以上の機能を兼ね備えています(この違いは、各ウェアのレビューの中で伝えていきます)。
今回レビューするキット
RETROFUTUR JERSEY BLACK(€125)/RETROFUTUR VEST(€135)
2. 詳細レビュー
ジャージ、ジレ、ビブショーツの順に見ていきます。
ジャージ:RETROFUTUR JERSEY BLACK
ジャージの名前になっている「レトロフューチャー」は1900年代のSF小説などに描かれた未来像のことで、どことなくノスタルジアを感じるもの。直線と曲線の混ざったラインや黒をベースとしたカラーパターンのモチーフは、レトロフューチャーで想像されていた宇宙旅行を思わせます。
生地の肌触りがとろけるほど気持ちいい。脇から背面のメッシュ部分でさえもなめらか。メッシュなのに。
首元は通常のジッパーガードの形状ではなく、裏面にフラップがついているかたち。首元を開けたときに無駄な装飾がなく美しい。
袖口は折り返しの丈夫な仕上げ。やわらかい肌当たりになっています。
こんな感じで袖や胴体にシワが生じにくく、体のラインそのままに沿ってくれる上質な着心地。超タイトフィットですが、その締めつけ感は心地良く感じられます。
裏面を見るとすべてフラットロックステッチで丁寧に仕立てされています。粗がなく、品質管理も徹底されているのが感じられます。
バックポケットは大きさも適度で使いやすい。そしてWARSAWロゴのブルーが際立っています。
既存のシリーズ(右)と並べると、同じXSでもシルエットが違うのがわかります。新作は身丈がより短く、袖が長く。
もちろん既存のウェアも充分すぎるほど品質が高く綺麗なジャージですが、今回のシリーズはさらにその上を行っていて、よりレーシーにかっこ良く着こなすことができます。
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昨今のプロ仕様サイクルジャージの傾向として、袖を長く、身丈を短く、襟元の高さを抑えるという傾向があり、これは空気抵抗を抑えるだけでなく、着こなしもよりすっきりスマートに見えるようになっています。RETROFUTURジャージはまさにそのトレンドを取り入れて、最高の着心地とデザインを実現したウェアです。ライド中のタイトながらも柔らかく包まれる感じが至高の体験だと思えるほど。
ジレ:RETROFUTUR VEST
ジャージとお揃いのデザインとなっているジレ(ベスト)。前面は防風素材、背面はメッシュ素材というジレの基本的な機能はもちろんのこと、なにより着心地がとても軽い。バックポケットを省くことで重量が抑えられているのが大きいですが、軽くてもしっかりと前面を保温してくれるので、少し肌寒く感じるとき羽織るのに便利です。
優秀なのがとてもコンパクトにまとまるところ。この写真はジャージのバックポケットに入れた状態ですが、3分の2くらいで収まるほど小さい。持ち運びしやすいので、暑い時期でも峠に行くときなど気軽に持っていくことができます。
ビブショーツ:PRO BIB SHORT MEN BLACK
この黒ビブショーツは、これまで見てきたどのビブよりも抜きん出て、ただひたすらかっこいい。漆黒に浮かび上がるWARSAWの文字と”W”のロゴ。このデザインだけでも最高に満足できます。
滑り止めが今までにない肌に優しい素材感。多くのビブはシリコン素材のような粘着性のあるものを貼り付けて滑り止めにしていますが、このビブはゴム素材を横方向に配置することで上下方向の摩擦抵抗を高めて滑らなくするようになっています。そのためシリコンで肌がかぶれるような方にも最適だと思います。
肩紐や背面は細かいメッシュ素材で、これがよく伸びる。立っているときは少し窮屈に感じますが、前傾姿勢になるとちょうどいい感じになる塩梅。
パッドがかっこいい形をしています。股の凹凸に合わせて成形されているので、凹んでいてほしいところは薄く、しっかり支える必要があるところは厚くなっていて快適。サドルに腰掛けてペダリングしたときの安定感は抜群です。
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PRO BIB SHORTはデザインもつくりも間違いなくトップクラス。
以前レビューしたビブと比較すると、各パーツの寸法はほとんど同じですが、着用したときの圧着感はプロ仕様の超タイトフィットになっています。そのため通常のタイトなフィッティングで着こなしたい場合は、サイズガイドのものより1サイズ上げることをおすすめします。
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新しいサイクルウェアを手にしたとき、心がときめくような気分になるウェアがあります。そして、その中でもさらに心がとろけるようなウェアに出会うことが稀にあります。
今回のレビューはわざとらしいくらいポジティブな内容となりましたが、この新しいラインナップは間違いなく、数少ない心とろけるウェアのひとつに入っています。
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