カモが右肩に乗ったロゴが印象的な英国のサイクリングアパレルブランド“Blackmore – ブラックモア”(「おしゃれな海外ブランド第2弾」より)。
イングランド東部エセックス州にあるブラックモア村の池に生息するカモがモチーフとなっています。
昨年“Party Boy”という名のハイセンスな半袖ジャージでレビューしたように、このブランドは流行に左右されにくいベーシックな設計で、どんなスタイルのサイクリストにも合いやすいウェアを展開しています。それでいてデザインは適度な抜け感とカモの可愛さが相まって、ナチュラルに格好良く着こなせるように仕上がっているのが特徴。
今回はそのラインナップの中で、昨年のクリスマスに発売されたばかりのウィンターライドに最適な長袖ジャージをレビューしていきます。
※本ジャージはBlackmoreより提供いただいたものです。
Blackmoreについて
Blackmoreは、創業者のNickが育った村の名前に由来し、彼自身のサイクリングの原体験をアイデンティティとするために、故郷の名前をブランド名に冠しています。
「絵葉書のような典型的な英国の村」と彼が言うBlackmore Villageには、典型的な英国ライド文化というものも存在しているようで、この村を拠点として多くのサイクリングチームが集まり、レースやタイムトライアルが実施されています。
BlackmoreのWebサイトに掲載されている写真の風景は穏やかで美しく、仕事を投げ出して走り出したい気分にさえなります。
そういった環境で育まれた感性により、彼は大手ブランドが掲げるメッセージにある「我々」という主語に自分たちが含まれることに違和感を覚えていて、代わりに英国のサイクリング文化を表現する誇り高いブランドとして“Blackmore”は生まれました。
Blue Herringbone
Blue Herringbone winter jersey – ¥16,267
今回レビューするのは“ブルーヘリンボーン”という名の長袖ジャージ。このデザインはもともとグレー色が発売されていましたが、昨年のクリスマスに新色のブルーが追加されました。
前回レビューしたParty Boyが、スコットランドの伝統柄ペイズリーを鮮やかなネイビーでまとめていたように、今回もヘリンボーンという古典的モチーフを使ってロードサイクリングに映えるような色彩のデザインに昇華させています。
着用イメージ
サイズ:XS(身長177cm/胸囲86cm)
サイズ感はとてもぴったり。サイズガイド通りの選択で問題なく綺麗に着ることができます。
落ち着いたシックなイメージのグレーに対し、鮮やかなブルーは若々しい雰囲気が出るようになっています。
柄はアップで見ると個性が強そうに見えますが、傍からみると全く派手と感じることは少なく、遠くから見るほど洗練された雰囲気を感じ取ることができます。
ディティール
Blackmoreのアイデンティティを表す胸のカモ。リフレクティブプリントなので反射します。
ヘリンボーンは魚の骨を開いた形状に似ていることから名付けられた模様で、アパレルではよくスーツに用いられる紳士向きの柄。
スーツのように細かい柄だと落ち着いた雰囲気を出すことができますが、遠目から見られることが多いサイクルウェアでは細かすぎて伝わらない柄になっていしまいます。このジャージでは少し大きめのヘリンボーンがデザインされているため、はっきりと視認できることに加え、よりアクティブな印象を加えることになります。
グレーよりもブルーの方がそれが顕著に出ているのがわかると思います。
このジャージで素晴らしいアイデアだと感じたのが腕のデザイン。袖口に向かうにつれてヘリンボーン柄が徐々にまばらになっていきます。腕だけグラデーションパターンにすることで、ただ派手になりがちな柄物ジャージがぐっと引き締まるように。
袖口はしっかりゴムで閉まるようになっているので風の侵入を防いでくれます。
襟裏のチェレステグリーンがチラ見えするのがアクセントポイント。綺麗な発色で、こういった細かいディティールのこだわりが、このジャージに対する愛着を増幅させてくれます。
ブランドロゴは目立ちすぎないよう小さく背中にあしらわれています。
バックポケットは左右が傾斜がかかって取り出しやすい仕様。
4thポケットは珍しく上向きについています。スマホが入るほど容量はなく、また防水加工も施されていないので、鍵や補給食入れとして使う感じ。
Blackmoreタグの裏にカモが隠れていました。このジャージの中にカモは全部で5羽。
裏地
裏地は温かい起毛タイプ。このジャージは防風ではないので、インナーを含めた対応気温は5~10℃前後。地域にもよりますが、厳冬期を除いて幅広く活躍します。
裏面すべてが起毛していて柔らかい肌当たりです。
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ライドにおける使用感として、ロードバイクポジションに最適化されているのはもちろんのこと、素材の伸縮性が高いため深い前傾姿勢にも違和感なく体にフィットしてきます。
首元が少しタイトだと感じますが、少しだけジッパーを下ろせば問題のない範囲。逆にそうすることで襟裏が少し見えるのが良いのです。
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Blackmoreのジャージは改めて「着こなしやすさ」が大きな特徴になっていると感じます。それはイングランドの落ち着いた景色に合うハイセンスなデザインと、極端なレースフィットにしない適度なサイジングによって実現されています。
グレーもまだ取り扱っているため、どちらか自分に似合う色を選べば、きっとさり気なくおしゃれに着こなせると思います。
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Blackmore公式サイト(Mens/Womens)
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