ALTALISTレビュー:トレンドのスタイルと削ぎ落とされたコストで拓かれる、新たなアイウェア。

日本人が代表を務める新興アイウェアブランド『ALTALIST(アルタリスト)』が今年新たに登場。
数多あるブランドの中で、アルタリストの強みを端的に言うのであれば、トレンド性の高いデザイン極限まで削ぎ落とされたコスト。それが狙いとするのは、ジャージと同じようにアイウェアを複数持ち、ライドスタイルに合わせて好きな1本を選べるようにすること。
デビュー作は、スタイルの全く異なる4つのモデル。立ち上がったばかりの新興ブランドを取り上げる背景と、モデルひとつひとつの特徴をレビューします。

*2024年最新モデルはこちら

レビュアー

Ran@31_ran_
基本自転車乗り、時々お医者さんのギャル。FUNRIDEでのコラム連載や、GPSで日本地図を描く#伊能忠敬プロジェクト、自転車の楽しみ方を追求するラジオ「ペダミミ」の運営など自転車に関わる幅広い活動をしている。
Tats@tats_lovecyclist
編集長。ロードバイクを中心としたスポーツバイク業界を、マーケティング視点を絡めながら紐解くことを好む。同時に海外ブランドと幅広い交友関係を持ち、メディアを通じてさまざまなスタイルの提案を行っている。

Review / Ran & Tats [PR]
Photo / Rin

ALTALIST – アルタリスト

ブランドの狙い

2022年にスタートした「アルタリスト」。
現在は本社と製造拠点を中国に置いていますが、ブランドの中核は日本人メンバーで構成されているため*、新興ブランドではあるものの国内マーケットに幅広く精通しています。

*代表の高原氏はサイクリストかつ女性経営者で、以前に国内自転車用品メーカーでマーケティングを担当していた

アルタリストのブランドテーマは、品質とデザイン性を保ちながら極限までコストを抑えること
昨今の価格上昇の影響で、“敷居が高くなったスポーツ自転車カテゴリの間口を少しでも広げたい”というメーカーと国内代理店双方の強い想いから、すべてのモデルは¥5,000〜¥9,500のレンジに収められています。

そしてアジア人の顔立ちにフィットするデザインに仕上げることで、手軽にスタイルの変化を楽しめるブランドを目指しています。

メーカーと代理店の思いが色濃く反映されたプライスレンジのAltalist

 

なぜアルタリストを取り上げるか

これまでLove Cyclistでは、Oakley、Alba Optics、POCといった欧米のアイウェアブランドを中心にレビューしてきました。
そういったアイウェアを掛けてきた上で、アルタリストを初めて見て感じたのは以下のような点でした。

・デザインが良いものの、どこかほかのブランドに似通っていると感じる
・品質にこだわっているものの、接合部の仕上げや発色など一部ディテールが気になる
・出来たばかりのブランドなので将来性が不透明

まだスタートしたばかりの新興ブランドのせいか、デザインや品質はまだ模索している部分があるように感じます。
にも関わらずアルタリストを取り上げるのは、国内代理店がスマートトレーナーNOZAシリーズを展開しているNCDであることが大きな理由です。
NCDはこれまで低価格で品質の良い製品を日本市場に提供しており、ユーザーからの問い合わせに素早いレスで対応するサポート体制も評価されています。また、製品の改善を望む声があるとすぐにメーカー側に掛け合ってきました(そしてユーザーの声から「NOZA One」や「NOZA V」が生まれた)。

また、アルタリスト自体も日本のマーケットに思い入れがあり、代理店のNCDを通じて得られるユーザーからのフィードバックを、品質の安定と次期プロダクトの改善へと繋げていきたいとのこと。

ただの価格訴求型プロダクトではなく、NCDが間にいるからこそ、今後のブランド成長も含めて投資する価値のあるアイウェアだと判断しています。

 

ラインナップ一覧

ブランドデビューにおけるラインナップは4モデル。「KAKU」と名付けられたこのシリーズは、 いずれもビッグレンズを基盤にそれぞれ個性の異なる仕上がりになっています。

モデル KAKU
SP1
KAKU
SP2
KAKU
LS1
KAKU
LS2
レンズ素材 トリアセテート(TAC)
ポリカーボネイト(PC)
フレーム素材 グリルアミドTR-90*
重量 27g 29g 29g 29g
バリエーション 4色(偏光)
3色(調光)
8色 (調光+VIV20) 5色(偏光+調光) 5色(偏光)
税込価格 ¥6,380(偏光)
¥8,580(調光)
¥9,350(調光+VIV20) ¥6,380(偏光+調光) ¥5,280(偏光)

*グリルアミドTR-90:100%やTifosiにも採用されている素材。強くて軽く、弾力性に優れる

すべてインナーフレームが付属するので、度付きレンズを入れることが可能

 

①KAKU SP1:最軽量のレースタイプ

最もレーシーな雰囲気の「SP1」。レンズ材質やフレームの中抜き加工でこだわった軽さは27g*。フィット感と軽さのおかげで、掛け心地はとてもライトな印象。

*他ブランドの重量:Oakley Sutro Lite 32g、Alba Optics Delta 31g、100% Speedcraft 33g

フルフレームと可動式ノーズパッドは半透明素材。夏らしい軽やかさがあって、視界の中でもあまり主張しない

レンズの肉抜き部分は通気孔の役割を果たす。実際曇りづらく、視界にも入らない

偏光レンズまたは調光レンズの2つから選べる。見え方は自然で、ハイブランドと比べても大きな差はない

調光レンズは室内で掛けたとき少し曇ったような見え方がするが、屋外で使用するときには違和感は消えていた。実際の調光機能も、トンネルに入ると数秒で明るく変化していくので、付け外ししなくて良い

KAKU SP1

レンズタイプ 偏光レンズ 調光レンズ
重量 27g 27g
バリエーション 4色 3色
価格 ¥6,380 ¥8,580

KAKU SP1(ワイズロードオンライン)

 

②KAKU SP2:広い視界の調光タイプ

レンズの大きさがひと目でわかる「SP2」。レーシーなSP1と比べると、丸みがあって抜け感が出るデザイン。比較的どんな顔立ちにも合わせやすいと感じる。

上方にオフセットされたフレーム形状は、前傾姿勢での見え方に最適化されている

路面起伏をより鮮明にする「VIV20」と「調光機能」を兼ね揃えたレンズ 。コントラストが強まる

KAKU SP2

レンズタイプ 調光レンズ+VIV20レンズ(2枚付属)
重量 29g
バリエーション 8色
価格 ¥9,350

KAKU SP2(ワイズロードオンライン)

SP2新色のレビューはこちら

 

③KAKU LS1:1枚で偏光+調光を備える個性派

スクエア形状が際立つ「LS1」は、顔を広く覆う個性的な顔立ち。印象的なデザインなので、街乗りスタイルで使うとさらにフィットする感じ。

「偏光」と「調光」を兼ね揃えたレンズ で、偏光性能ははっきり路面や水面からの反射を抑えてくれることがわかるレベル。今回のロケ地は海辺の反射が美しくも厳しい環境だったが、ライド中まぶしさを感じることがなかった。

※撮影時に偏光レンズをつけていたときカメラの液晶がみえなくなり、「カメラが壊れた!?」と焦ったのはここだけの話。液晶の種類によっては画面が見えなくなることもある。

4モデルの中で最も視野が広く、見え方も非常にクリア

ミラー加工はなく、目線が見えるので、レンズの大きさにも関わらず威圧感は抑えられている

サイクリングにちょうど良い雰囲気

KAKU LS1

レンズタイプ 偏光+調光レンズ(1枚)
重量 29g
バリエーション 5色
価格 ¥6,380

KAKU LS1(ワイズロードオンライン)

 

④KAKU LS2:二眼タイプのライフスタイル系

二眼タイプの「LS2」。二眼といってもレンズ自体が大きいので、視野の広さは一眼タイプとほぼ同じ。

はっきり反射光がカットされているとわかる機能的な偏光レンズ。このモデルの見え方はかなり暗めなので、晴天時での使用が最適。

LS1と同様に個性的な顔立ちなので、シティユースやちょっと抜け感のあるウェアと合わせるのが良い感じ

テンプル部分には風の巻き込みを防ぐアタッチメント(付け外しできる)

KAKU LS2

レンズタイプ 偏光レンズ
重量 29g
バリエーション 5色
価格 ¥5,280

KAKU LS2(ワイズロードオンライン)

 

スタイルの選択肢を新たに拓く。

ハイブランドと同じ素材を用いた、軽い掛け心地と違和感のない視界。僕らのような「平たい顔族」にもフィットする、フレーム形状やノーズパッドのつくり。追加で所有したいと思わせる絶妙な価格設定。そして国内代理店によるサポート。

──アルタリストが持つこれらの要素は、ハイブランドが席巻しているアイウェア界の敷居を下げ、今までになかった選択肢を切り拓いています。それは間違いなく、サイクリストのスタイルをより良いものにしていくだろうと思います。

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Review / Ran & Tats [PR]
Photo / Rin
提供 / NCD株式会社

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