『KASK Valegro』長期レビュー:ヴァレグロが好きすぎて。

KASK Valegroレビュー

涼しく軽く、スマート。

チームスカイ(現イネオス・グレナディアス)と共同開発されたKASKの軽量ヘルメット「Valegro(ヴァレグロ)」。2018年発売時から使い始め、そのスタイルの良さからすぐにLove Cyclist内でもレビューを掲載しました。それから3年、Valegroの使い勝手の良さはずっと心を捉えてきて、ライドのほとんどはValegroと一緒に過ごすように。その間少しだけ改良も加わり、発売当初よりさらに使いやすくなったValegro。そういった点も含め、改めてレビュー改訂版を書きます。

Text/Tats
Photo/Tats, RyujiRin, Riku

Peloton de Paris秋冬コレクション

1. 長期レビュー結論

KASKのヘルメット自体が定番であり、さらにValegroも発売から3年以上経過しているので、改めて最初からスペックについて伝えるのではなく、まず長く使ってきた結論から書きます。

使い続けるほど好きになる。軽くて、涼しくて、抜け感が出て、万能過ぎるモデルなので何色でも揃えたくなる。

──さまざまなヘルメットを使ってきた中でValegroは最も快適なモデルだったし、何より軽いので長時間のライドでも首に負担がかからない。冬は寒いけれど、キャップと併用すればオールシーズン使える。という感じで、不満の出る部分がほぼないモデル。

以下ではValegroを好き過ぎる理由の細かい部分を見ていきます。

 

2. Valegroのここがイケてる

カラバリが良すぎる

もともとKASKらしく白黒赤紺など定番カラーのバリエーションは豊富でした。それが2019年から数量限定でニュアンスカラーが登場し、一気にスタイリングの幅を広げるヘルメットへと進化。2021年も素敵な新色が登場しています。

淡いニュアンスの「Gypsum」、冬に合う「Ash」、トレンドカラーの「Aquamarine」など2021モデルも豊作

Protoneとは色展開がちょっと違うのもValegroの特徴。Protoneはポール・スミスとのコラボモデルのように頭部に存在感を与える色展開が多いのに対し、Valegroは淡いカラーを中心に抜け感を出していく。両モデルは色展開でも異なるポジショニングをしているように思えます。
Valegroは自分が思い描くスタイルを実現してくれるから、もう手放せない。

新安全基準「WG11」をクリアした安全性

新基準WG11をクリア。回転性の衝撃にも強い

命を預けるヘルメットに安全性はマスト要件。
KASKヘルメットには、他メーカーで定番のMIPSテクノロジーは採用されていませんが、代わりにシェル全体をポリカーボネート層で覆う「MITテクノロジー」と、内部ポリスチレン層を外部のポリカーボネートと連結することで衝撃吸収性を高める「インモールディングテクノロジー」を搭載。

Valegroは軽量で帽体が小さくても、安全性のヨーロッパ基準となる「CE EN1078」認証を受け、またねじれ衝撃に対応する新安全基準「WG11」の試験もクリアしています(WG11は今後EN1078のテストとして規格化される可能性がある)。もちろんJCF公認モデル。

ちなみにかつて知人がおろしたてのValegroを着けているときに落車して側頭部を打撲しましたが、Valegroが身を挺して守ってくれたことでライダーは何ともありませんでした(Valegroは儚く粗大ゴミに)。

額にパッドが付いた(現行モデル)

脱着可能な額のパッド

Valegro発売当初のモデルでは額部分にパッドがなく、額から汗が滴ることから、サイクルキャップとの併用が望ましい状態でした(かつてのレビューではそこを不満点として挙げていた)。

その後発売された現行モデルでは、脱着可能な額のパッドが追加されており、多くのValegroユーザーが不満と感じていた部分が解消されました。ユーザーの声を聞いて改良してくれたであろうKASKに感謝。

ちなみにパッドを取り外すと風の通りが良くなるので、好みに応じて着け外しもできます。ただValegroはもともと通気孔が多いので、パッドは着けたままでもそれほど涼しさの体感に差はありません。

よくフィットし、頭が小さく見える

KASKがアジア系の丸形にフィットすることは広く知られていますが、僕はどちらかというとGiroのユーロフィットが合う楕円形。それでもKASKはなぜかフィットしてくれます。他メーカーと比べると深く被れるので安心感も強い。
さらにシルエットも小ぶりなので、キノコ系の尖った存在感はなく、頭が小さく見える。

Protoneと並べると、アウターシェルのサイズやシルエットはほぼ同じ。Protoneを好んで使っている方はValegroも間違いなくフィットします。被り心地はProtoneの方が少しだけ深く被れますが、安心感についてはそれほど差はありません。

軽い

重量はアドバンテージ

初めてValegroを手にしてすぐにわかるのが、その軽さ。誰の手に渡しても「軽っ」という言葉が自動再生されるようにスクリプトが仕込んであるようです。

塗装によって若干重量は異なる

Mサイズはカタログ値200gに対して実測値201〜211g。この乖離は塗装や個体差によるもののようです。それでもこの重量は、他メーカー含め全ヘルメット中でも最軽量クラス。
Protoneも充分軽量ですが、Valegroを被ってみると更に軽く感じます。長時間のライドで着けていることがまったく負担にならない。

通気性がすごく良い

穴しかない

通気孔が37個あり(Protoneは20個)、内側のパッドも頭に接触する部分が少ないValegro。だから走っていると空気は滞留しないで後ろに流れていってくれる。
特に峠を登っているときは頭から熱気が上がりますが、Valegroを着けているときが一番ストレスがありません。
夏にValegro以外を着用すると、いつもより熱がこもっていることがわかるほど違いが実感できます。

 

3. Valegroのここがイケてない

冬は本気で寒い

穴しかないので寒い

Valegroに感じている唯一の不満は「寒さ耐性」がないこと。
クライミング用ヘルメットなのでこれは仕様ですが、冬に乗ったとき冷気を直接浴びてしまう。37個の穴から頭を急速冷凍するため、ウィンターキャップやヘッドバンドでの防護は絶対に欠かせません
かつて冬にキャップを忘れてValegroとライドしたとき、夕方急激に冷え込んだため頭が冷えて頭痛が発生したことがあり、それ以来防護アイテムは携行しています。

もともと「寒さ耐性」と「額のパッドがないこと」の2つが不満点でしたが、パッドはアフターパーツで解消されたため、今は寒さ耐性のなさだけがValegroの弱点となりました。

 

4. 万能感、サマーヘルメット。

雨に濡れてもValegro好き(謎)

軽さと通気孔は夏のライドに欠かせない快適性を担保してくれて、一度それを体験するとValegro以外の選択肢が浮かばなくなる状態になります。
すぐに頭が火照るような季節に、少しでもパフォーマンスを損なわないよういつも側にいてほしいValegro。

そういう機能性だけじゃなくて、スタイリングアイテムとしても、カラバリが豊富で好きなモデルが必ず選べるKASKはいつも期待を裏切らないでいてくれる。今後のライドもValegroとともに遊び倒していきます。

サイズ・重量 S:50-56cm/180g
M:52-58cm/200g
L:59-62cm/250g
税抜価格 ¥22,000〜
安全基準 CE-EN1078、WG11(欧州)
JCF公認(日本)
商品詳細 KASK公式サイト

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Text/Tats
Photo/Tats, RyujiRin, Riku

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