KASK Valegroレビュー – 軽く涼しく、スマートに道を遊ぶ。

いつも軽やかさを手に入れよう。

KASKのニューヘルメット“Valegro(ヴァレグロ)”が2018年にリリースされました。
僕自身、ロードバイクを始めた初期の頃から、RapidoからはじまりProtoneに至るまでKASKヘルメットを使ってきた熱心なファン。

そして例外なく新たにValegroを使い始めているので、その機能性・使い勝手をProtoneとの比較を交えながら詳しくインプレしていきます。

Valegro登場

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Valegroが最初に披露されたのは2017年ツールのチームスカイでした。

KASKの久しぶりの新作に期待しましたが、最初に見たときは、KASKらしくない何か凡庸なデザインだと思い食指が動かないまま。
ただ何度もレース中継を見るうちに見慣れてくるもので、次第にすっきりしたシルエットが良い感じと思えるように。

そしてターニングポイントは2018年5月26日のジロ第19ステージ。コース残り半分を残した登りで単独アタックをかけ大逆転したエースフルームの頭に装着されていたのは、爽やかなライトブルーとホワイトで塗り分けられたValegro。そのときには既にValegroのことが好きになっていました。

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マリアローザを手にした瞬間

Valegroレビュー

KASK Valegro 正面

Highs

・軽くてストレスフリー
・頭部のシルエットがすっきり
・高い通気性で夏にぴったり

Lows

・空力はあまり良くない
・冬は寒いかも

すぐにわかる軽さ

KASK Valegro 重量

まず初めてValegroを手にしてすぐにわかるのが、その軽さ。
誰の手に渡しても「軽っ」という言葉が自動再生されるようにスクリプトが仕込んであるようです。

Mサイズ実測211g(カタログ値200gとの乖離は塗装のためか、個体差があるよう)という重量は、全ヘルメット中でも最軽量クラス。
Protoneも充分軽量ですが、Valegroを被ってみると更に軽く感じます。長時間のライドで着けていることがまったく負担にならないように。

エアフローなんて気にしない

KASK Valegro 側面

フレームだけではなくヘルメットもエアロ化ブームの真っ最中、気流の乱れを抑えて数W節約できることを謳ったヘルメットは多く、またVanquish(Giro)やAERO-R1(Kabuto)のようなセミエアロも人気。

風を思い切り受ける頭部にかかる空気抵抗を削減することがパフォーマンス向上につながることは(実感できるかは別として)確実な話ですが、ただエアロ化は重量とのトレードオフにもなります。

KASK Valegro トップ

Valegroが37個大きく空いた通気孔で手に入れた軽さは、プロユースという観点からは平地を捨てた完全なクライミング用途
実際山岳ステージでProtoneからValegroに替えるフルームの走りを見ても(引用するにもレベルが違い過ぎますが)、この軽量化がクライミングの軽やかさに貢献しているかのよう。

ヘルメットの空力はほとんどのアマチュアサイクリストにとっては微妙なもので、デザイン性・快適性・フィット感が担保される限り、空力よりも軽量化の方が僕らにとって恩恵以外の何ものでもなくなります。少なくともValegroの構造はエアフローも一定考慮されているので、よほどの高速域を維持しない限りProtoneとの差異を感じることはありません。

そこに重みが存在しないかのような着け心地によって、トータルでパフォーマンスを向上させてくれることを感じます。

安全性も抜かりなし

今は空力と重量のバランスをぎりぎりまで切り詰めたヘルメットが多く出ていますが、命を預けるヘルメットに安全性という観点も捨ててはいけないもの。

軽量で帽体が小さくたって、Valegroは多くの信頼できる海外製ヘルメットと同様に、安全性のヨーロッパ基準となるCE EN1078のテストを通過しています。もちろんJCF公認モデル。

KASKヘルメットに他モデルでは定番のMIPS採用はありませんが、代わりにシェル全体をポリカーボネート層で覆う「MITテクノロジー」と、内部ポリスチレン層を外部のポリカーボネートと連結することで衝撃吸収性を高める「インモールディングテクノロジー」によって安全性がちゃんと担保されています。

ちなみに知人がおろしたてのValegroを着けているときに落車して側頭部を打撲しましたが、Valegroが身を挺して守ってくれたことでライダーは何ともありませんでした(Valegroは儚く粗大ゴミに…)。

Valegro vs Protone

KASK Valegro vs Protone

比較対象となるKASK Protoneは、多くのヘルメットの中で最もスタンダードの地位を確立したモデル。
特にアジア圏ではProtone+Jawbreakerの組み合わせが近年「お手本ロードコーデ」となっているほど(僕も例外なくその1人)。それだけアジア系の頭の形にフィットし、見た目もすっきりしている本当に素晴らしいヘルメットです。

並べて比較すると、アウターシェルのサイズ感やシルエットはほぼ同じ。Protoneを好んで使っている方はValegroも間違いなく似合います。もちろん、キノコになんてならない。

内側を見ると、Protone(右)が肉厚なつくりなのに対し、Valegro(左)は空気の通り道が前から後ろにかけて確保されていることがわかります。その分Valegroの方がほんの少しだけ内側が幅広なつくり。

またストラップはいずれも全く同じエコレザー製。この紐は固めですが、使っていくうちに顎に馴染んできてすごく快適に。

KASK Valegro 額

インナーパッドの形状でProtoneと大きく違うのが、額の部分にパッドがないこと。僕個人はサイクルキャップを常用しているため特に問題ありませんが、直接ヘルメットをかぶる場合は額から汗がしたたるケースが増えるかもしれません(通気性とどっちを取るかという話で答えは見えていますが)。

KASK Valegro バックル

アジャスターはProtoneと少しだけ形状は変わるものの、使い勝手は全く同じ。頭を下方向からも支える構造はKASKならではの抜群のフィット感です。

2つのヘルメットはその重量とエアフロー性能の違いから、脚質で例えるのであれば、Protoneがオールラウンダーで、Valegroはクライマーというのがぴったり。ちなみにスプリンターは新作のUtopiaになると思います(未発売)。

ライド内容に応じて2モデルを使い分けるのもアリですが、暑い日が続く季節ではいつもValegroに自然と手が伸びてしまいます。
僕の首から上はすっかりValegroの快適さに甘やかされてしまったよう。

アイウェアとの相性

KASK Valegro and eyewear

ヘルメットとアイウェアの相性は気になるところです。装着したときにお互い干渉しないかどうかはとても重要なポイント。

もちろん同じKASKブランドのKOOとの相性が最高に良いのは間違いありませんが、個人的に大好きなSpeedcraft(100%)、Jawbreaker(Oakley)、Delta(AlbaOptics)の3つのアイウェアは、いずれも実際に着けたときValegroに干渉することなく装着することができます。

アイウェア×Valegro

その中でも見た目という観点からは、Jawbreaker(左)とDelta(右)との相性が抜群。SpeedcraftはProtoneの方が似合う感じ。
またValegroのフラットな額の形状は、サイクルキャップのつばとも相性が良いんです。

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ウィグル・ハイファイブの與那嶺選手はValegro×KOO Open Cubeの同一ブランドで組み合わせ。

夏を遊ぶクライマー専用機(でも万人にウケるスタイル)

KASK Valegro

軽さと通気孔は夏のライドにもはや欠かせない快適性を担保してくれて、出掛けの気温がうだる暑さの場合、一度涼しさを体験したValegro以外の選択肢が浮かばなくなる状態に。

山を登るとすぐに頭が火照るような季節に、少しでもパフォーマンスを損なわないクライムをするために側にあるべきValegro。

そういった機能性はもちろんのこと、ファッションアイテムとしても、カラバリが豊富で好きなモデルが必ず選べるKASKはいつも期待を裏切らないでいてくれます。

動向を見る限りProtoneほどのシェアを獲ることはなさそうなので、人と被りにくい、そして優れたヘルメットであるValegroと一緒に、この夏を遊び倒していきます。

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