いざというとき足がつらないために僕らができること

足がつるヒルクライムしているとき、ロングライドの後半、スプリントで追い込みをかけているとき…ふくらはぎがつる(=こむら返り)というシチュエーションはよくあります。

自転車に乗って足がつるなんて昔は考えられなかったのに、ロードバイクで走り込む場合は想像以上に足に負荷をかけていることがわかります。普段のサイクリングやトレーニングだけでなく、レース本番でも足がつらないためにも、できる対策はしておきたいと思います。

1. 足がつる主な3つの原因と対策

原因① 疲労が蓄積されたため

こむら返りは、ある程度追い込みをかけたあとに起こることが多いです。
ペダリング運動はふくらはぎが伸縮し続けていて、それを走っている間中ずっと繰り返すので、意識していなくても筋肉には疲労が蓄積されていきます。その状況で筋力が持つ力以上の負荷をかけると、伸縮が追いつかず足のつりが起こってしまいます。

対策

・疲労が蓄積し過ぎないように適度な休憩を挟む
・ふくらはぎを伸ばすストレッチを行う

 

原因② 筋力が不足しているため

原因1と連動しますが、根本的に負荷に耐えられるほど筋力が発達していないことが原因として考えられます。

対策

・ペダリング時に筋肉の使い分けを意識して行う
筋肉負荷を分散させることで、筋力不足を補うことができます。お尻や太ももの付け根を中心に使って、膝から下の筋肉は意識しないことも大事です。
→参考記事:3つの使い分けで速くなる!ペダリング術

・ふくらはぎの筋トレをする
ふくらはぎを自宅で鍛えるにはカーフレイズが最適です。まずは15回×2セットを目安に定期的に続けてみます。

↑1:00〜動作を確認できます

 

原因③ 水分やエネルギーが不足しているため

足がつるのは水分が原因だという説は賛否ありますが、水分をはじめエネルギーが全身に行き渡っていない場合は、疲労も早まるので、足がつる間接的な原因にはなり得ます。

対策

  • ・定期的な水分補給
  • ・エナジージェルやパワーバーでの栄養補給

 

2. そのほか有効とされる4つの対応策

① 充分な睡眠をとること

睡眠不足のときに足がつりやすくなるのは経験上も実感しています。
金曜日に仕事で帰りが遅くなってしまったあとの土曜早朝トレーニングは非常に過酷で、普段ならまだ大丈夫な負荷でもふくらはぎが音をあげてしまうこともあります。

コンディションを最適に保つためにも睡眠は何よりも大事です。

② ポジションを正しく調整すること

クリート位置が合っていなかったり、サドルが高すぎたりするとふくらはぎへの伸縮の幅が大きくなってより負荷がかかってしまいます。

もし現在のポジションに少し無理があると感じる場合は、クリート位置を移動したり、少しだけサドルを低くするなどして調整してみると改善する可能性があります。

③ 筋肉を冷やさないこと

筋肉が冷えることもこむら返りが起こる原因のひとつと言われています。夏場は体に水をかけたりしますが、足にはなるべくかけない方が良さそう。

走る前や休憩時にマッサージをして筋肉を温めておくのも有効です。

④ コムレケア

最終兵器「コムレケア」。筋肉の収縮を抑えてくれる漢方薬です。

レースでつってしまったらどうしようと心配な場合は勝負用にひとつ用意しておくと安心です(さすがの小林製薬の広い守備範囲)。

 

3. 足がつってしまったあとの対処法

「あ、つりそう」となったときはダンシングストレッチ

グループライド中で減速できないときによくやる対処法です。
つりそうになるとふくらはぎに違和感が走るのを感じると思います。そうなったら次の手順でストレッチをします。

  1. ペダリングを止め、すぐにサドルから腰をあげてつりそうな方の足を下にする
  2. その姿勢のまま、アキレス腱のストレッチをやるようにカカトをぐっと下げてふくらはぎを3〜5秒伸ばす
  3. 伸ばし終わったら座って、トレインから遅れないようにまたペダルを数回まわしてスピードを維持し、再度立ってストレッチする

2〜3を何回か繰り返すとふくらはぎが通常の状態に戻るので、通常のペダリングを再開します。

「つったぁ」という場合は止まってストレッチ&休憩

それでも治らず、ピキーンとつってしまったらすぐに止まって休みましょう(痛いですよねわかります)。ストレッチしながら筋肉が落ち着くのを待ちましょう。

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足がつらないくらい強靭な筋肉を維持できれば良いのですが、プロではない僕らのコンディショニングには限界があるので、できるところからケアしていきたいですね。