持久力はエンデューロレースなど長時間高出力でペダルを回し続けるときや、ロングライドやブルベで疲れを最小限にするために必要な力。
ヒルクライム力やスプリント力と比べると華やかさには欠ける領域ですが、一緒に走っていて高出力をずっと続けられるサイクリストは頼もしい。何となく、持久力があるサイクリストには安心感や包容力を感じます。
持久力はサイクリングのベースとなる部分なので、比較的地味ながら鍛えるためのヒントをお伝えします。
1. 基礎編
持久力は一夜にしてならず
長距離を走って肉体的に負荷がかかっているときでも、ずっと笑っていられるようにするための方法に近道や魔法はありません。ただ幸いなことは、どんなサイクリストでも100kmやそれ以上走ることができる能力を本来備えているということです。
一夜漬けで持久力が上げるということはまず忘れます。即強化できると思って取り組んでしまうと、成果がすぐに見えてこないため、モチベーションは維持できず、無理だと諦めてしまうことになります。あるいは無茶をしてケガにつながることも。
自分の限界は自分も含めて誰も知らない。だから長期的な目線で持久力を強化するプランを立てることが唯一の近道となります。
相対的に距離を伸ばしていく
持久力を伸ばすには、まず自分がどれだけ走ることが出来るのか、基準値を知ることが大事です。
例えばまず一度60km走ってみて、どの時点で体が疲労や不調を訴えるかを把握しておきます。次に走る時はその時点の距離を少しだけ伸ばします(+5〜10kmくらい)。60kmの次にいきなり100kmといった無理は避けます。そうやって少しずつ距離が伸びていけば、自然と100km越えはできるようになります。
可能であれば同じくらいの体力を持ったサイクリストと一緒に走れば、お互いを励まし合えるのでおすすめ。
2. 応用編
なるべく平坦にこだわる
持久力強化を考えるのであれば、LSDと呼ばれる長距離の心拍トレーニングが効果的です。
これは最大心拍数の60〜70%あたり(だいたい125bpmくらい)を長時間維持し続けるというメニューで、持久力に必要な心肺機能が強化されます。
そのためにはできる限り平坦な地形を選んで走るほうが有益です。
125bpmの状態でサドルの上をいかに長く過ごすことができるか、というところに注力するのがLSDの効果を高める方法なので、アップダウンが多い地形は心拍も激しく上下してターゲット心拍数を大きく逸脱してしまい、LSD効果を減衰させてしまいます。なるべく平坦を淡々とこなすのがコツ(坂嫌いにはうれしいトレーニングです)。
また走行距離にはあまりこだわらず、自分ができる範囲で行って時間を調整してください。
1人でやるのが効果的ですが、ただ平坦を同じ負荷で走っているとすぐ飽きるんですよね。。同じ力の仲間がいれば一緒に走ります。
インターバルトレーニングを組み込む
LSDだけでなく、高出力なインターバルトレーニングを織り交ぜてやるとさらに持久力強化につながります。
インターバルトレーニングは心拍出量の増大、リカバリー力の強化、速筋の発達などに効果的なメニュー。
メニュー例
- ・1分全力もがき×2分休憩走×3〜4本
・5分高出力走×3分休憩走×5本
インターバルトレーニングは身体へのダメージが大きいので、週1回程度にとどめておきます。
市街地に住んでいるとなかなか道路事情が許さない場合も多いと思います。ローラーを使えればベストですが、あるいはジムのエアロバイクでも効果はあります。
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その他の走りを強化する
参考ページ:How to build the perfect cycling body(cyclist.co.uk)