昨今のサイクルウェアマーケットが以前にも増して魅力的になったのは、世界各国に多数のブランドが存在するようになり、その中から好きな国&好きなテイストのウェアを選べるようになったことが大きいと感じます。
そして国ごとで区切ると似通った特徴があり、中でもスペインのブランドは、これまでLOVE CYCLISTで紹介してきたENDLESS/WEOUTDOOR/The Service Courseなどのウェアからわかるように、すべからく「格好良い」と素直に感じられる雰囲気に集約されるかのよう。
その格好良さのビオトープに含まれるもうひとつのブランドが“DGentrena(ジェントリーナ)”。
バルセロナから届いた、その国のカルチャーが感じられるようなウェアを詳しくレビューしていきます。
※本ウェアはDGentrenaより提供いただいたものです。
‘BARCELONETA’ CYCLING JERSEY
‘Barceloneta’ cycling jersey – €75.00
‘Barcelona’ cycling bib short – €85.00
Barceloneta(バルセロネタ)はバルセロナ市内にある地区の名前。
海岸と海に囲まれた細長い三角形をした区域で、都市計画に基づいて直線的な道と規則的な家屋が並びます。
※Google Mapsより
バルセロネタジャージは、こういった直線が並ぶ街や、近くを走る主要な鉄道駅「フランサ駅」の曲線的な特徴などをモチーフにデザインへ落とし込んでいるよう。
DGentrena自体が、バルセロナの文化に根ざしたデザインとサイクリングを情熱とともに融合することを狙っており、そのコンセプトを代表するデザインとなっています。
またこのエリアは海に面していることもあり、異文化を積極的に受け入れる風土。ジャージのデザインの中には異国のモチーフを取り入れたものもあります。
情熱の国の色彩感覚を味わう
ジャージ&ビブサイズ: S(B86/W74/H90)
まっさらなプロダクトに色を加えようとするとき、その色彩感覚においてヨーロッパ圏の人たちは圧倒的に優れていると感じます。
その中でスペインのブランドは、ヒスパニック系の肌に合う彩度の高い色を使う傾向があります。
深みのあるマリンブルーに、陽気さを感じさせるオレンジイエロー。
なかなか出会えない色彩と柄の組み合わせに、はじめはうまく着こなせるイメージがつかないかもしれません。
でも着てみると絶妙。ドレスシャツのような縦ストライプのシュッとした雰囲気がベースとなって「格好良い」スタイルが自然とつくられ、そこにオレンジイエローのラインが最高のハズしとなっています。
着慣れない色彩は海外ブランドを難しいと感じさせる要素のひとつですが、このジャージのように、優れたデザインへの落とし込みがあれば全然無理なく着こなせるもの。
ベーシックなスタイルで着こなす
サイクルウェアとしての機能に目を向けると、タイトなシルエットなので強度の高い走りを求めるサイクリストにぴったり。どこかが余ることもなく、よく身体にフィットしてくれます。そしてすごく軽い。
素材は吸水速乾性に優れたクールマックス。
苦しさを感じない、丁度良い高さの襟。
ジッパーは下に向けるとロックがかかるYKK製のもの。フラットで扱いやすいです。
袖はトレンドの長さに比べるとちょっと短め。
オーソドックスな3つポケット(4thポケットなし)。
ビブの裾はシリコンで密着させる一般的なタイプ。
パッドは、Isadoreなどのハイブランドにも採用されるイタリアTMF社のもの。かなり厚みがあって、8時間以上のライドに対応できるモデルです。
気負いすぎない、”ちょうどいい感じ”のスタイル
スペインブランドの魅力は、肩を張りすぎていないので抜け感のあるスマートな印象を自然に着こなすことができること。ハイブランドにはない気楽さとちょっと力を抜いた小粋さがあります。
“Lo que será, será”(なるようになるだろう)というヒスパニック系の気質がぴったりに思えるように、「いい感じに作ったぜ」という雰囲気が気持ち良い。
ブランドコンセプト“Pain in Style”が書かれたソックス
暖かい季節を陽気に走りたい気分のときのために、DGentrenaのウェアをうまくコーディネートに加えていきたいと思います。
Highs
- ・ベーシックで扱いやすいシルエット
・求めやすい価格帯
・女性ラインナップも充実
Lows
- ・袖が少し短め