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朝のひと踏みへと導く。
防風性・透湿性・保温性など、さまざまな機能が求められる冬用ウェア。特に真冬用となると十分な防寒性能が必要となるため、ライドに必要な品質を担保できるのは開発力のあるブランドに限られます。
年々クオリティを高めているスペインの『NDLSS(Endless/エンドレス)』は、昨年真冬用に「インサレーテッドジャケット」を追加しましたが、今年はラインナップを刷新し、新たに「ディープウィンタージャケット」をリリース。
より暗く寒い季節に抗うために、最も暖かく、最も耐候性の高いジャケット。その実力を感じるために、例年になく厳しい寒さが続く冬の朝を走り出してきました。
レビュアー
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Rin(@f430_lisa_) スポーツバイク歴7年。大学やクロスコーヒーでのアルバイトを通じて一緒に走る仲間と出会い、価値観を共有しながら、自身のライドスタイルを確立。カメラにも造詣が深く、主にスナップを撮影。また昨年はバンクーバーに留学し、現地のコミュニティに入ってライドを楽しむなど、さまざまな視点を絡めながら自転車と向き合っている。 |
Kaho スポーツバイク歴4年。大学で自転車旅行をメインに楽しむツーリングサークルに所属。キャリアをつけ、大学の長期休暇を利用して全国を旅して回っていた。併せてタイを縦断したり、エンデューロレースに出たりするなど、そのスタイルは幅広い。サークル同期の紹介でMeiをはじめとする仲間に出会い、ウェアにも興味を持つ。 |
Review/Rin & Kaho
Edit & Photo/Tats
*本記事のウェアはEndless提供のものです。
1. 真冬専用「Deep Winter Jacket」
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Deep Winter Jacket – Desert(€240)
NDLSS初となるレースフィットの真冬専用ジャケット。その特徴は以下のような点。
- ・-5℃まで対応する防寒性
・防風+耐水性能
・タイトなシルエット
・バックポケット+胸ポケット
・ジッパー式ベンチレーション
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Deep Winter Jacket – Maroon(€240)
カラーは「Desert」と「Maroon」の2色展開。冬の景色にフィットする色味は、上品で落ち着いていてすごく良い…!
Desertは胸ポケットの存在感がアクセントになっていて、Maroonは全体的なまとまりがある印象。
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アースカラーのヘルメットにもぴったり
どちらが優れているというわけではなく、2色とも老若男女問わず着られるように落とし込まれたデザイン力が素晴らしい。
寒さを感じない
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ウィンタージャケットで最も重要な防寒性能ですが、ここは十分なクオリティだと感じます。
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裏起毛の厚手生地
生地自体の厚みがそこそこあり、やや硬めなだけあって、防風性と保温性がしっかり効いています。
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RinもKahoも、厚手のベースレイヤーとジャケットの2枚だけでしたが、0℃前後でも風の冷たさを感じません。
防風+裏起毛なので、太陽が上ってくれば暖かく、関東近郊を走るには十分な性能だと感じます。
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襟も高く、ネックウォーマーと併用すれば「首が寒い!」と思うことはありません。
袖口にもキュッと締まりがあります。
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脇にはジッパー式ベンチレーション
生地が厚く、強度を上げるとどうしても熱が籠もってしまうため、ベンチレーションで熱を逃がす構造は機能的。
胸ポケットがマスク時代に活きる
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バックポケットは深さがあり、右手側にチャック付きポケットもあります。ただ生地そのものがそれほど伸びないため、夏ジャージのように生地を伸ばして大きいものを入れるのは厳しい感じ。
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胸ポケットはスマートフォンがすっぽり入る大きさ。胸ポケットがあると、マスクをすっと出し入れできるのが今の時代に合っていて嬉しい。
サイズ選びの注意点
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サイズはXXS〜XLまでの6サイズ展開。
Rinはレビュー時の在庫の関係で、サイズガイドよりワンサイズ上げた「S」を着用しています。
ただ見てわかるように、サイズ感に違和感はなく、ほかのラインナップよりもタイトめにつくられている感じ。よりタイトに着たいときはサイズガイド通りでもOKです。
生地感や触り心地はやや硬めですが、乗車姿勢で最もフィットするような縫製なので、窮屈さを感じることはありません。
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Kahoも在庫の関係で、ワンサイズ上の「XS」を着用。
身長157cmなので、XSだと袖が長く感じられ、腕の部分がだぼついています。女性の場合はサイズガイド通りが良さそうです。
腕の部分がストレートではなく曲線状なので、腕を曲げた状態で肘がつっぱらず、走っていて快適。
インサレーテッドジャケットとどう使い分ける?
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←Insulated Jacket / Deep Winter Jacket→
色や見た目ではインサレーテッドジャケットのラフなスタイルも好きなので、全体的に強度の低いライドであればインサレーテッドを、それ以外ではディープウインタージャケットを選びたい。
防寒の面ではそれほど大きな差を感じません。ただ重ね着の観点から考えると、ディープウインターは一番上に着て、あとは中に着るもので調整するのが最適。インサレーテッドは1番上にも着れるし、インナーダウンとして1枚上にウインドジャケットを羽織ってもOK。いずれも気温に合わせて色々な組み合わせができます。(Rin)
Insulated Jacket(€200)
※アーカイブ商品となっているためお買い得です
2. オールラウンドな「Thermal Tights」
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Thermal Tights(€180)
下に組み合わせているのは「サーマルタイツ」。防風生地ではないものの、裏起毛なので0℃にも対応できます。
生地感は良いけれど、縫い目が内側に出ているので、気になる人は気になるかもしれません。
全体的な質感はとてもよく、少し脚が長く見えるようなNDLSSのロゴが格好良い。
サイズ感やフィット感
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Rinは166cm/51kgでXSを履いていますが、少し短く感じているのでSでも良さそう。ほどよくタイトでフィット感はGood。
Kahoは157cmでXSを履き、長さもフィット感もジャストです。
パッド
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男性にとってパッドは丁度良い大きさで、欲しいところにサポートがある感じ。1日乗ってもお尻の痛みは気になりません。
ただ女性にとってはパッドの前側が多少心許ない感覚があります。ウィメンズ専用のビブタイツではないということもあり、もうちょっと前側が長く厚い方が100キロ以上のライドでは安心だと感じます。
3. 最も暗く寒い冬に抗うための装備
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真冬のライドは、走る気持ちよさ以上に、凍てつく感覚が身体全体を覆います。
それでも走りたくなり、そして走ってよかったと感じるのが冬ライド。それは、冬でも汗をかくこと、仲間と対話すること、暖かい食事やコーヒーを摂ることといったエッセンスがあるから。
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こうしたライド体験を根底から支えるのは、ホイールやコンポのような機材ではなく、暖かく包んでくれるジャケット。
NDLSSの新しいウィンタージャケットは、着る者を力強く守り、厳しい季節に抗う最初のひと踏みを後押ししてくれます。
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※プロモーションコード「LOVECYCLIST」を入力するとサイクルウェアが15%OFFになります。
Review/Rin & Kaho
Thanks/Ihara
Edit & Photo/Tats