
ガーミンのピコ音。
それはすべてのサイクリストの憧れであり、停車時にピコ音を出してドヤ顔してこそ、一流のサイクリストと言うことができます。
普通のサイコンで物足りなくなったすべてのサイクリストに、最適なガーミンエクスペリエンスをしていただくため、自分のライドスタイルに合った機種の選び方を一緒に見ていきたいと思います。
1. GARMIN Edgeシリーズは何ができるの?
Edgeシリーズでできること
GPSを搭載した高機能サイクルコンピュータとしてトップシェアを占めるGARMINの“Edge(エッジ)”シリーズ。
自分の走りが数値化されるとサイクリングがもっと楽しくなることは、CATEYEなどのシンプルなサイコンを使っている多くのサイクリストが実感していること。
GARMIN Edgeは、GPSやANT+などの通信規格を用いてライド上のステータスをさらに多方面から可視化してくれます。
速度、ケイデンス、心拍が計測できるのはもちろんのこと、パワーメーターで出力を把握したり、ソロライドで仮想のライバルを設定しり、ヒルクライムのペース管理をしたり。
こういったトレーニングの質を高めるための機能が豊富な点がEdgeシリーズの優れたところ。
また、知らないコースを開拓していくナビ機能も充実しているので、いつもと同じコースを走ってマンネリ化しがちなライドに新しい発見をもたらすことが可能です。
GARMINを選ぶ理由
多機能GPSサイコンメーカーは、ガーミンのほかにもXplova、Lezyne、Wahooなどがあります。
機能面で比較すると、各メーカー間でそれほど差異はないにもかかわらず、ガーミンの価格はほかのメーカーに比べてちょっと高め。それでも多くのサイクリストがガーミンに行き着く理由は、ユーザー数の多さと機能の安定性が大きな要因。
ユーザー数の多さは、情報の入手のしやすさであり、ほかの人が使っているから自分も安心して使えるという心理的障壁の少なさがひとつ(ガーミンを選んでおけば間違いない、という仲間の言葉は大きい)。
そしてガーミンはGPSサイコン開発の先駆者なので、トレーニングに必要な機能を率先して備えてきました。他メーカーはそれに追随する形で機能強化しているため(地図機能やStrava連携など)、各機能の安定感はガーミンに利があります。
もちろんそういった点を除けば他メーカーのGPSサイコンも優れていますが、ガーミンのピコ音はガーミン唯一のものであることは間違いありません。
2. 機種ごとの特長は?
ガーミンの高機能GPSサイコンは、従来500系/800系/1000系の3機種ありましたが、2018年6月に新たにエントリー向けの100系が追加。2020年7月には、100系と1000系のアップグレード版がリリースされました。
それぞれの最新機種を比較し、主な機能について説明します。
GARMIN Edge機能比較表
機種 |
![]() NEW Edge130 Plus |
![]() Edge530 |
![]() Edge830 |
![]() NEW Edge1030 Plus |
|
発売 | 2020.7 | 2019.7 | 2019.7 | 2020.7 | |
スペック | サイズ | 41×63×16mm | 50×82×20mm | 58×114×19mm | |
ディスプレイ | 1.8インチ モノクロ | 2.6インチ カラー | 3.5インチ カラー | ||
重量 | 33g | 75.8g | 79.1g | 124g | |
操作 | ボタン | ボタン | ボタン+タッチスクリーン(静電容量式) | ||
バッテリー | 13時間 | 20時間 | 20時間 | 24時間 | |
機能 |
地図+ナビ | △ | ○ | ◎ | ◎ |
トレーニング機能 | ◯ | ◎ | ◎ | ◎ | |
GroupTrack | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | |
事故検出 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | |
メッセージング | – | ◎ | ◎ | ◎ | |
ルート自動生成*1 | – | – | ◎ | ◎ | |
ClimbPro | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | |
バイクアラーム | – | ◎ | ◎ | ◎ | |
価格 | セット*2 | ¥26,800(税抜) | ¥47,800(税抜) | ¥57,800(税抜) | ¥86,000(税抜) |
単体 | ¥20,800(税抜) | ¥37,800(税抜) | – | – | |
特長 | エントリー向け | スタンダード | 多機能 | 大画面&多機能 | |
購入リンク | Amazon(セット) Amazon(単体) |
Amazon(セット) Amazon(単体) |
Amazon(セット) | Amazon(セット) |
*1 Popularity Routing機能
*2 セット:ハートレートセンサー、スピードセンサー、ケイデンスセンサー付属。
GARMIN Edgeの主な機能詳細
地図+ナビ
Edge530, 830,1030plusは標準で昭文社の日本詳細道路地図を搭載しており、その地図を元に目的地までのルート設定を端末で行うことができます(ルート自動生成機能もあり)。
130plusの場合、詳細地図は表示できませんが、ガーミンコネクト経由でルートを転送し、曲がり角のポイントがわかるナビ機能を備えています(複雑な都市部の道だと少し迷うかもしれません)。
また内蔵されている気圧高度計により、現在走っている道の斜度も表示できます(数秒のタイムラグあり)。
トレーニングデータ計測(機能抜粋)
・StravaやGarminConnectのセグメント対応
コース上に設定された特定のセグメント(区間)を走ったタイムをオンラインで競うことができる機能。仲間と一緒に走れなくてもトレーニングのモチベーションを上げることができます。
・バーチャルパートナー
あらかじめ設定した速度や、過去に記録された自分の速度を仮想のパートナーとして一緒に走ることで、自分がパートナーに対して先行しているか遅れているかがガーミン上に表示されます。
自身が以前より速くなっているか、あるいは前より追い込みが足りないかといった点が把握できるので、モチベーションが維持できるドM機能。
・FTP+VO2Max計測
パワーメーターを利用して、パワー出力を示すFTP値(W)を表示可能。
またパワーメーターと心拍計を併用して、自分の持久力を数値化したVO2Max(最大酸素摂取量)を表示し、現在の負荷レベルを知ることができます。
Group Track
同じGroupTrack機能があるガーミン同士の位置情報を、画面内に表示させることができるもの。
グループライドで集団が分かれてしまったときでも、仲間が今どこにいるかわかるため、グループ内の安心感や連帯感が生まれます。
事故検出
端末には加速度計がついていて、事故による衝撃を受けたと判断されると、位置情報を自動的に緊急連絡先に送信するようになっています。事故の可能性も少なくないサイクリングで、家族や知人が心配しないためのきめ細かなサービス。
Climb Pro NEW
Edge530/830以降発売のモデルに追加された、ヒルクライマーたちのための新機能。
コースナビを実行すると、内蔵地図データを元にヒルクライム中の頂上までの残りの距離と平均勾配をリアルタイムで表示するというもの。ヒルクライムのペース管理に役立ちます。
バイクアラーム NEW
同じくEdge530/830以降に追加された機能で、アラームをセットすると振動を検知して本体が警告音を発するもの。
コンビニ休憩や食事時間などを安心して過ごすことができる、うれしい新機能。
3. どれを選べばいいの?

各モデルの特長を紹介。自分に合った1台を見つけるためのマイルストーンにしてください。
Edge130 Plus – 優れたGARMIN体験を身近に

従来ラインナップにあった「130」が進化し、2020年7月に「130 Plus」が発売されました。ソフトウェア面が強化されているにも関わらず、価格が¥3,000ほど下がっており、エントリー向けとしてはコスパ含めて強力な高機能モデルとなっています。
上位モデルの530と比較すると、メリットは「価格」と「重量」の2つ。
逆に主に不足している部分は、モノクロの小型ディスプレイ・簡易なナビ・計測項目が一部限られる(パワーが平均/ラップ/最大のみ)といった点。
ただしほとんどのサイクリストにとっては十分な機能が備わっているので、Edgeモデルが欲しい場合はまず130plusが検討すべき選択肢となっています。
130→130 Plusの大きな変更点
- ・値下げ(¥23,800→¥20,800)
・加速度計の追加によって正確な測位が可能に
・電動コンポーネント対応
・Climb Pro機能追加
・事故検出機能追加
Amazon価格
Edge130 Plusセット*
Edge130 Plus単体
*スピードセンサー/ケイデンスセンサーが付属
Edge 530 – すべてのサイクリストに。超進化したスタンダードモデル

「Edge520J」から4年の時を経て、2019年7月に500系が進化。
530は標準で地図が搭載されるようになり、ナビまわりが強化。ディスプレイサイズやバッテリーの持ちもアップし、さらに新機能“Climb Pro”や“バイクアラーム”も搭載するなど、スタンダードモデルとして十分過ぎる機能を持っています。
830との大きな違いは、タッチパネルの有無とナビゲーション機能差(本体側で目的地設定不可)。ただし前モデルからの変更点は大きく、旧くからの520Jユーザーにとってはリプレイス価値を見いだせるモデルとなっています。
520J→530の大きな変更点
- ・ディスプレイ大型化(2.3→2.6インチ)
・画像解像度アップ(200×265px → 246x322px)
・重量微増(60g→75.8g)
・バッテリー駆動時間アップ(15時間→20時間)
・拡張バッテリー(¥16,000)で40時間まで駆動
・地図標準搭載
・新機能Climb Proとバイクアラーム
・価格変更(セット¥49,800→¥47,800、単体¥36,000→¥37,800)
Amazon価格
Edge 530 セット*
Edge 530 単体
*スピードセンサー/ケイデンスセンサー/心拍センサーを持っていなければセットを購入します
Edge 830 – ナビ強化で死角のないフラッグシップ

「Edge820J」から3年経ち、2019年に大幅にアップグレードした800系。
530と同様に、830もディスプレイとバッテリー性能が向上。そして従来は少し鈍さを感じていたタッチスクリーン操作がサクサクになり、グローブをはめていても操作できるように感度が上がっています。
またこれまで1030だけにあったルート自動生成機能(Popularity Routing)が830にも移植され、ナビ周りも強化されたことによって、Edge全モデルの中で最も死角のないモデルとなりました。
820J→830の大きな変更点
- ・ディスプレイ大型化(2.3→2.6インチ)
・画像解像度アップ(200×265px → 246x322px)
・タッチスクリーンの感度アップ
・重量微増(67.7g→79.1g)
・バッテリー駆動時間アップ(15時間→20時間)
・拡張バッテリー(¥16,000)で40時間まで駆動
・Garmin Connectに蓄積された走行ログからサイクリング用ルートを自動生成(Popularity Routing)
・新機能Climb Proとバイクアラーム
・価格変更(セット¥59,800→¥57,800)
Amazon価格
Edge 830 セット
※830はセット販売のみ
Edge1030 Plus – 開拓精神溢れるサイクリストに

Edgeのハイエンドモデル1000系。
その強みはまずボディサイズにあり、小型のスマートフォンに近い3.5インチは視認性抜群。地図の見やすさやバッテリー持ちの良さが加わって、未踏の地を開拓するサイクリストにとって欠かせない存在です。
2019年に530/830が登場したことによって従来の1030を選ぶメリットが少なくなりましたが、その差を埋めるモデルとして2020年に「1030 Plus」が価格据え置きのまま登場。ハード面もソフト面も強化され、全GPSサイコン中でも“ハイエンド”の名に相応しい機種となっています。
1030→1030 Plusの大きな変更点
- ・バッテリー駆動時間アップ(20時間→24時間)
・ボディデザイン変更(白→黒)
・CPU強化により処理速度向上
・ワークアウトサジェスチョン機能追加
・ナビの一時停止機能追加
楽天価格
Edge1030 Plusセット*
*1030はセット販売のみ
* * *
ガーミンをつけるとサイクリストとして一歩階段を登った気分になります。いつものライドがはるかに楽しくなるので、上記を参考に自分に合った機種を選んでくださいね。