ベストロードバイク12選 – ハイエンドモデルから見る2021年最新トレンド

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2020年は時代そのものの転換点でしたが、自転車界はロックダウンに閉ざされることはなく、新しいトレンドが生み出されていきました。
ディスク化はもとより、この数年で定着した軽量・エアロ・エンデュランスという3カテゴリは徐々に境界を薄め、新たなコンセプトへと舵を切る段階にあります。

それを受けて2021年はどのようになっていくのか。ロードバイクのこの先を知るために、トレンドを表す代表的なバイクを見ていきます。

2021年のトレンドを知る3つの観点

①コロナによる変化の加速

新型ウイルスの流行は社会のあり方を大きく変化させましたが、同時に働き方やコミュニケーションスタイルなど、本来であれば数年後に主流になるであろうものが、2020年から前倒しされることになりました。

これはスポーツバイクでも同じことが言え、もともと進んでいた「ディスク化」「グラベル化」「eバイク化」という転換は、世界的な自転車需要から前倒しに訪れています。メーカー側も、選択と集中のために開発リソースをこれら売れるカテゴリに絞っています(大手であればロードバイク開発の10倍以上のリソースをeバイク開発に割いている)。

国内でも、特に「ディスク化」は僕たちが思っていたよりも早く多くのサイクリストの元に訪れています。

②レースバイク以外のマーケットの拡大

2020年は世界的にレースを中止せざるを得ない状況でした。そのため、先述の「グラベル化」「eバイク化」のように、レース以外のマーケットが必然的に大きくなり、新たなカテゴリのバイクも目立つようになっています

グラフィック面でも、派手なレース色を取り払い、目立たないロゴや彩度を落としたペイントなどが多く見られるようになっています。
一見地味に見えるかもしれませんが、それはあるいは、先の見えない世相と、それに立ち向かう芯の強さを表しているようにも感じられます。

③既存の枠組みを抜け出すライドスタイル

同時にサイクリストの走り方も変化を求められ、レースバイクの分野もレース以外で走ることへとシフトしています(Tarmac SL7のようなピュアレーシングバイクでさえ32cのタイヤクリアランスが設けられ、走り方の余白が与えられている)。
そのため、ロードバイクの特性である「速さ」に加え、ライフスタイルとの関係性がより強くなったライドスタイル──サイクリング、アウトドア、フィットネスなどが注目されるようになりました。

こういった観点を中心に、2021年のトレンドを強く表す12のスポーツバイクをカテゴリ別にピックアップしました。トレンドを追うと、どうしても開発力のある大手メーカーが中心となってしまいますが、ロードバイク(+グラベルロード)が今どういう方向に向かっているかを把握するために、あえてこうしたセレクションをしています

 

1. 新コンセプトロード

2021シーズンに目立つのは、軽量・エアロ・エンデュランス・グラベルといった既存の枠組みに収まらないバイクの出現。
それは、従来の“これで速く走ってください”という一方通行のコミュニケーションではなく、“これであなたはどう走りますか?”という「走り方」そのものをユーザー側にクリエイトさせる新しいコンセプトです。
僕たちは自転車の遊び方を好きなだけ追求できる時代にいると感じさせてくれます。

Specialized – S-Works Aethos

Specialized Aethos エートス

¥1,452,000 (Red eTap AXS完成車)

UCIルールの最低重量を下回る、レース無視のバイク「エートス」(Dura-Ace Di2完成車5.9kg)。
Tarmac SL7の発表から間もなく登場したバイクですが、完全無欠のレースバイクSL7とは大きくコンセプトを変えて、“純粋なサイクリングバイク”(ある意味レース非対応)としてリリースされたことで、賛否を含む大きな話題性をもたらしたことは記憶に新しいと思います。
ルールに囚われずに自転車を楽しむことができるモデルとして、今シーズンのトレンドを最も象徴する1台です。

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Cervélo – Caledonia-5

Cervelo Caledonia-5 カレドニア

¥1,180,000(Red eTap AXS完成車)

Cervélo社内のサーズデーナイトライドという集まりの中でアイディアが生まれ、“モダンロード”という新たなカテゴリーで発表された「カレドニア-5」。

プロツアーのサンウェブも関わり、最終的にはパリルーベでの使用も念頭に置かれたパフォーマンスを秘めています。
“ロードバイクがスピードを出すためだけのマシンとは考えていません”と同社が言うように、理想とするライフスタイルを反映するための1台という絶妙なコンセプトは、これ1台でロードサイクリストの多様化を進めてくれます。

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Cannondale – TOP STONE Carbon lefty 1

Cannondale Topstone Carbon Lefty

¥825,000(Force/X01 Eagle eTap AXS完成車)

TOP STONE CarbonにLeftyフォークが搭載された「トップストーンカーボン・レフティ」。本来はグラベルカテゴリなのかもしれませんが、片持ちのLeftyサスペンションによってさらに荒れたフィールドまで遊べるモデルであることから、楽しみ方を広げる新コンセプトカテゴリに相応しい1台です。

従来のグラベルロードよりも走破性やクリエイティビティで楽しみの幅を増やしたことで、ほかのグラベルモデルとは一線を画す存在が生まれました。

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2. オールラウンドロード

レーシングバイクとして最も汎用性の高い本カテゴリ。Tarmac SL7、Emonda SLR、Supersix Evoなどの北米系ブランドは、もともと軽量系やオールラウンド系として売り出していたモデルに「エアロ」や「コンフォート」などの機能も吸収させており、まさに「全部乗せ」のオールラウンド化が進んでいます。

TREK – Emonda SLR

Trek Emonda SLR

¥907,500(Ultegra Di2完成車)

かつて圧倒的な軽量性能を売りにして誕生した「エモンダ」も、ついにエアロを取り入れたオールラウンドバイクになりました。
ほかのビッグメーカー同様に、傘下ブランドのボントレガーによるパッケージでの完成度の高さは健在。またオーソドックスなフレーム形状は、この時代には逆に新鮮に映ります。価格も魅力。

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Specialized – S-Works Tarmac SL7

Specialized Tarmac SL7

¥1,452,000 (Dura Ace Di2完成車/Red eTap AXS完成車)

“全てをこの一台に凝縮する”と言うキャッチコピーでアップデートされた、スペシャライズドを象徴するモデル「ターマック SL7」。SL7の登場でエアロロードVengeを廃盤にしたことは、今後のレースバイクの方向性を決定づけるほど衝撃を与えました。

国内では発表と同時に予約殺到し、発売当初は品薄になるほどの大人気。レースシーンでもアラフィリップが世界選で優勝しており、実力はすでに証明されています。

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BMC – Team Machine SLR01

BMC Team Machine SLR

¥1,540,000(Red eTap AXS完成車)

第4世代となる「チームマシン」は、剛性・重量・しなりの3要素から最適な設計を探り出すBMC独自のACEテクノロジーに、エアロ化も加えたトレンドど真ん中のモデル。
ほとんど内装されるワイヤー類、造形の美しさはBMCならではのもの。

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3. エアロロード

国内で根強い人気のエアロロード。軽量ロードのエアロ化が進んだり、Specializedがエアロロードの完成形であるVengeを廃盤にするなど、このカテゴリは新たな局面に入っています。
そのため、ただ空力を追い求めるだけでなく、独自のギミックを搭載した新型のエアロロードも今シーズン目が離せません。

Canyon – Aeroad CFR

Canyon Aeroad CFR

¥909,000(Dura Ace Di2完成車)

ハンエンドモデルでも、9170 Di2組で100万を切る破格の値段設定は相変わらずのキャニオン。
エアロード」はエアロロード然とした存在感のあるフレーム形状が特徴。ハンドル幅がボルトで可変できるステム一体型ハンドルや、コラムカットなしで15㎜まで高さを変えられるフォークコラムなど、今までにないギミックが詰まった新世代のエアロロードです。

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Cervélo – S5

Cervelo S5

¥1,518,000 (Dura Ace Di2完成車/Red eTap AXS完成車)

2020年にチームサンウェブのマルクヒルシが跨って大活躍した「S5」。
Caledonia-5のような新しい世界観を内包するブランドらしく、二股のステムなど独自設計が施されたエアロ化の影響は絶大。
2021年は常勝チーム・ユンボヴィズマへの供給でさらに活躍するかもしれません。

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Factor – Ostro V.A.M

Factor Ostro V.A.M

¥1,078,000(Red eTap AXS完成車)

見た目は完全にエアロロードでも、54サイズで780gという軽量性。ONEとO2のいいとこ取りを見事に再現したような「Ostro V.A.M」です。
同社の売りの一つでもあるデザイン性も秀逸で、姉妹会社であるBlack Incのパーツを組み合わせたときの完成度の高さは他メーカーを圧倒します。

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4. グラベルロード

数年前から徐々にマーケットが拡大しているグラベルロードカテゴリ。
2020年のラファプレステージなど、国内のグラベルイベントでは、グラベル車がロードよりも目立つようになりました。その走り方を大きく変えるスタイルは、じわじわとユーザーを惹きつけています。
その分バイク自体も多様性を増していて、ここではコンセプトの異なる3台をピックアップ。

Cervélo – Áspero

Cervelo Aspero

¥363,000(Apex1完成車)

サーヴェロは早い段階から“Cシリーズ”でグラベル系のフレームを煮詰めており、そのノウハウを用いて“より速いグラベルバイク”としてリリースされたのが「アスペロ」。

バイクパッキングのようなゆるりとした乗り方ではなく、純粋なグラベルロードレースを最速で駆け抜けるため高剛性&エアロな仕上がりが特徴的。そしてフロントフォークインサートによるオフセット角の変化や650Bへの対応も含めて万能性が高いモデルです。

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OPEN – WI.DE.

Open WI.DE.

¥687,500(Force eTap AXS 1完成車)

サーヴェロの創業者とBMCの元CEOが立ち上げた「OPEN」は、グラベルロードを中心にオフロードシーンをターゲットにするメーカー。まだ国内ではユーザーが少ないので新鮮。

他社のように大量生産はせず、本当にOPENのコンセプトに合った顧客だけと親密な関係性を作りたいという思いから作られています。だからほかのモデルのように「100%エアロなカーボンロード」は作らず、オフロード走行をベースとした軽量で丈夫なカーボンロードを展開しています。

WI.DE.」は、従来モデルよりもタイヤクリアランスを更に広げ、46mmのグラベルタイヤまで対応。ロードポジションでオフロードをアグレッシブに攻める走破性の高いモデルとなっています。バイクパッキングスタイルにも最適。

詳細を見る(代理店サイト)

Merida – Silex+ 8000-E

Merida Silex

¥548,900(GRX Di2完成車)

グラベルモデルの中でも、スピードや走破性ではなく「ツーリング」という目的を明確にしたコンセプトが特徴の「サイレックス」。
アップライト&ショートリーチのジオメトリは長距離での快適性を重視。バイクパッキング需要が高まる中、フレームバッグやフォークバッグの装着を前提としたつくりは、自転車旅という心躍る体験を共にするために生まれています。

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