Love Cyclist Journal Vol.10【2021年1月号】- 続けることと、変わること。

text by Tats@tats_lovecyclist

こんにちは。僕が普段感じていることや最近のトピックなどを書く不定期企画“Journal”の第10号です。

LOVE CYCLIST(最近は「ラブサイ」と言われることが多くなった)は今年1月で6年目に入ります。一人で小さくスタートしたブログメディアが、今こうして同じ目線を持つ仲間が集まり、そして多くの方に読んでもらえるようになったことは本当に幸運だと思います。

僕のように新年のタイミングでなにかを始めようという人は多いと思いますが、今回はスタートから5年間経った今感じていることについて書いてみたいと思います。

続けることと、変わること。

ロードバイクを始めたばかりのころ、「いつまでも続けられるから本当に良いスポーツを選んだよ」と先輩サイクリストに言われたことを覚えています。
確かにほかの多くのスポーツと比べると、自転車は怪我のリスクが少ないし、乗る時間の融通が効きやすい。またライフステージの変化に合わせて、ポタリングから競技レベルまで走りの質を変えながら乗り続けることができる。
当時から6年ほど経った今も、「いつまでも続けられる」という思いは変わりないし、「好きなようにスタイルを変えられる」素晴らしいスポーツだという発見もありました。

逆に競技者がスタイルを変化させず、身体やメンタルが限界に来て自転車を辞める以外の選択肢がなくなるという例もあるように、「続けること」と「変化すること」は、多くの場合切り離すことができない要素です。

そしてこの5年間で感じているのが、自転車と長く付き合うために必要な2つの要素は、情報を発信するにも同じことが言えるということ。

グリット(Grit)」という有名な言葉があるように、成果を出すためには、才能や知性やルックスに優れていることではなく、グリット(=長期的にやり抜く力)の有無が最も重要だと言われています。
それはホームランを狙うような派手なバットの振り方ではなく、コンパクトに丁寧にバットを振って、安打と凡打を繰り返しながら点を重ねていくやり方。

僕が「成果を出した人」というにはまだまだ足りていないかもしれませんが、ひとつ自信を持って言えるのは、5年間休むことなく一定ペースでコンテンツを配信し続けているということです。
その間に色々な出来事も起こっていますが(転職したり、重い病気になったり、アクセスが激減したり、家族が増えたり、コロナ禍になったり)、どんなときもただバットを振ってコンテンツを出し続けてきました。

そうして、ものごとは浮き沈みを繰り返しながらも、長期的には確実に良い方向に進んでくれました。
特にここ1年は、メンバーの存在も大きく、企画や見せ方など、ある程度コンテンツの「型」のようなものができてきて、メディアとして表現したいことや伝えたいことがイメージに近い形で発信できるようになったと感じています(より成果も出るようになった)。

5年でその状態になることができたのは素直に嬉しいし、おかげで今までと同じカロリーでより濃密なコンテンツを作れるようになりましたが、それと同時に、その「型」に埋もれてしまってマーケットや世界情勢の変化に気づかなくなるのではという恐れもあります。

僕らサイクリストが「定期的に走らないと死んでしまう」と思うのと同じように、メディアとしても「新しい価値を提供し続けないと死んでしまう」と。それは自分自身やメディアの成長のために欠かせない姿勢です。
だから型がある今も、それを元にただ「続ける」だけでなく「変化する」ことも同じくらい大事にしたいと思います。

そういうわけで、新年らしく今年ラブサイでやりたいことを書きます。

スタイルを広げること

「ガチすぎず、ゆるすぎず」という微妙な(?)立ち位置にいるラブサイ的ライドスタイルですが、それだけ楽しみ方の余白はたくさんあります。

これまで“ひと山ひとカフェ”、“ロードバイク×カメラ”、“ハンドルバーバッグを使った+αのライド”などをコンテンツ化していますが、今後もコロナ禍でなかなかできなかった「#わたしのライドスタイル」の続編や、ライフスタイルとのさらなる融合、自転車の枠を越えた遊びなど、さらに幅を広げたいと思っています。

海外との取り組みを増やすこと

このメディアで海外ブランドのウェアをレビューする価値は、ただデザインや機能に言及するだけでなく、それを着たときの体験やスタイルまで提案できることだと思っています(それが最終的には購買行動につながっている)。

昨年はレビューで構築してきた信頼関係を元に、Black Sheep CyclingやPeloton de Parisとさらに一歩進んだ取り組みをしました。
ただコロナがなければまだやろうとしていたことがいくつかあったため、心残りは今年に持ち越されています。

こればかりは自分たちの力だけではどうしようもできなかったことですが、リモートでも進められることがわかったことは大きな収穫でした。今年は絶えず変化する環境に適応しながら、新しい企画やモノづくりなどの取り組みを実践していければな、と思います。

 

今号のカフェ

お気に入りのカフェについて。

Hagi Cafe(谷中)

Hagi Cafe』は築60年の木造アパートを改修した複合施設「Hagiso」の1Fにあるカフェ。

冬の間だけはテラス席に自転車を置かせてもらえるので、ライド中に立ち寄ることができます。

「旅する朝食」というテーマで、半年ごとに食材を変えて地域の風土を活かした朝食を出してくれます。今期は東京の食材を使用。
青梅や奥多摩など、サイクリストには馴染み深い地域から取り寄せた豆腐や卵・豚肉などが丁寧に調理され、冷えた身体を美味しく暖めてくれます。

普段ライドでは洋食ばかり食べていますが、たまにこうして和の朝ごはんを食べると本当にほっこりして、ライドもなんだかふんわりとしたいい感じになります。

 

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