KPLUS『NOVA Mips Air Node』レビュー:揺るぎない地位をモノにする第2世代。

KPLUS のヘルメット『NOVA(ノヴァ)』 は2019年から日本で取り扱いが始まり、瞬く間に国内サイクリストの間で定番モデルとして浸透した。それから4年が経ち、遂に改良版が登場した。
新型NOVAは何が変わったか。また日本人の頭にフィットするNOVAのアイデンティティは変わらないか。初代NOVAとの違いを見ながら詳しくレビューしていく。

レビュアー

Non@_nonpic
スポーツバイク歴6年。ショップ仲間やSNSで繋がったサイクリストとよく走り、脚力を維持するために朝練やローラー練も欠かさない。車の運転が大好きで、バイクを車載してドライブを楽しみつつ、現地では自転車を楽しむというスタイルを特に好む。
●普段使用しているヘルメット:KPLUS NOVA Sand Beige Sサイズ(53-56)
●NOVA Mips着用サイズ:Sサイズ(53-56)
Masanaga@masa_caadondale10
千葉県在住。長身を活かしたスタイリングでシンプル&クリーンな着こなしを好んでいる。昨年車を購入し、ドライブ&ライドを堪能しながら千葉のカフェやグラベルロードを開拓している。
●普段使用しているヘルメット:Sweet Protection Falconer Lサイズ(57-60), POC Omne Air Mサイズ(54-59)
●NOVA Mips着用サイズ:Mサイズ(56-59)

Review / Masanaga & Non
Edit & Photo / Tats [PR]

第2世代への進化

新型NOVAは、初代と帽体の形状に変化はないが、以下の点がアップグレードされている。

Mips® Air Node搭載:インナーパッドがスライドすることで回転衝撃を緩和するMips®の軽量版
K2フィットシステム搭載:ダイヤルを回すと頭を固定するプレートが前後に移動する
新色追加:セメントグレー、ミスティパープル、マスタードイエロー、マットブラック
価格改定:¥24,200 → ¥29,700

NOVA Mips Air Node』 という名前の通り、Mipsが搭載されたことが最も大きな進化だ。内側にMips Air Nodeのインナーパッドが追加され、フィットシステムも最新化されたため、フィット感も若干変わっている。

カラー展開は全8色(うちグレー、パープル、イエロー、マットブラックは完全新色)。初代で一番人気だったサンドベージュも引き続きラインナップされている。

 

普遍的な形状

KPLUSが広く受け入れられているのは、アジアのブランドらしく「アジアンフィットである」という点。特にNOVAの形状は癖が少なく、被ると自然なシルエットに仕上がる。シンプルなウェアやバイクのスタイリングに合わせやすく、欧米ブランドのヘルメットが合わなかったサイクリストに最適な選択肢となっている。

NOVAの形状は欧米ブランドの模倣ではなく、完全にオリジナルなところが良い。どの角度から見てもシルエットが綺麗

Nonの頭部は日本人型の丸形で、キノコみたいに上に乗ってる感が出にくいヘルメットを探していたとき、初代NOVAに出会った。以来NOVAを愛用し続けている

15個のベンチレーションがあるので、かなり通気性が良い。冬はちょっと寒いくらい

背面の反射材の形状がNOVAらしいと感じる。明るいときはデザインに溶け込んで、暗くなるとはっきり目立つ

 

新色がとても良い

NOVAは従来からカラーバリエーションが豊富だ。他ブランドにはない色展開は、コーデに新鮮さを生む。
第2世代の4つの新色も目新しく、もし初代NOVAを持っているなら、次はどんな色を選ぼうかという楽しみが増えると思う。

Cement Grey

Masanagaが選んだグレーは、無機質でミニマルな感じなのでどのウェアにも合わせやすい。サンドベージュに次ぐ王道感がある。

顎紐までグレーなのが統一感あって良い

Mastard Yellow

Nonは初代のサンドベージュを使っていたため、第2世代ではマスタードイエローを選択。イエローは暖色や中性色のウェアに合わせやすい。

サンドベージュのように、どんなコーデにも合わせられる王道カラーをすでに持っているなら、次のヘルメットは色味の強めなものを選ぶと色合わせがさらに楽しくなる。

 

被り心地・フィット感の変化

Mips Air NodeやK2フィットシステムの搭載によって、第2世代は少しだけ被り心地が変化している。

Mips Air Node

Mips Air Node(ミップス・エア・ノード)はインナーパッド自体をMipsのスライドシートにしたもの。
ヘルメット本体とはベルクロで接着し、衝撃を受けたときにベルクロが外れてスライドするという仕組み。従来のMipsよりも軽く、通気性が上がっている

ただしAir Nodeの形状が複雑なので、洗濯したあとの再取り付けが大変になった。安全性と引き換えに手間が増えたことはデメリットとして挙げておく。Nonは使ったあと毎回洗濯をしているが、初代のパッドの方がバラバラだったので洗いやすかった。
*ただしバラバラだったのが一体化したことで、洗いやすくなったと感じる人もいるかもしれない。

Mips搭載によって、被り心地は少し浅くなっている。初代モデルに慣れていると、バックルが前ほど下まで当たらなくて浅く感じるが、長時間着用すると違和感は薄れていく。

K2フィットシステム

ダイヤルを回すと頭を固定するプレートが前後に移動するK2フィットシステム。「トゥールビヨンにインスパイアされた」という精巧なつくりの調整ダイヤルは、中の機構が見えて格好良い。
またダイヤルが大きく太くなり、厚手のグローブをしたままでも回しやすくなった。

ドイツ製で特許を取得した「FIDLOCK®」マグネットバックル。近づけるとカチッとハマるのが楽だ。外すときはスライドさせる。バックルの形状が変わり、ホールド感が強くなったが、顎紐部分の出っ張りは、ほかのメーカーと比べて少し主張が強く感じる

滑り止めが配置されたアイウェアホルダーも搭載

 

アジアンフィット✕ファッションといえば。

「日本人型の頭にフィットして、デザインの良いヘルメットは何か?」と聞かれたときに、今多くのサイクリストがまずNOVAを連想すると思う。“アジアンフィット ✕ ファッション”というキーワードに対して、NOVAは第一想起されるヘルメットになった。

それでも手を緩めずに、KPLUSはNOVAのカラー展開をし続け、さらに安全性を加えた第2世代を投入した。
Mipsが搭載されたことで“安全性”というキーワードも含まれ、NOVAの死角がなくなったと言える。
NOVA第2世代は、日本人向けヘルメットのスタンダードとして、揺るぎない地位をモノにしてきた。

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Review / Masanaga & Non
Edit & Photo / Tats
[PR]提供 / Champion System Japan

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