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「走りたい」気持ちに沿うヘルメット。
典型的なアジア人頭の私にとっては、アジアンフィットのヘルメットしか合わないと言っても過言ではありません。
だから昨年にKPLUSの『NOVA』を被るようになってから、初めて「あぁこれがジャストフィットというものなのね…」という感覚を味わっています。
そんな私の頭にぴったりなKPLUSから、新作『ALPHA(アルファ)』がリリースされました。NOVAのころっとして優しい感じとはまた違って、スタイリッシュでキリッとしたヘルメット。NOVAとの違いを含めてレビューしたいと思います。
レビュアー
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Tae(@t804_orca)
「しろたえさん」の愛称で親しまれるトライアスリート。2016年にロードバイクを始め、スイムやランと並行してサイクリングを楽しんでいる。2021年9月にはエベレスティングを達成。またトークショーのゲストやライドイベントのリーダーを務めるなど、自転車に関わる幅広い活動をしている。
Review/Tae
Edit & Photo/Tats [PR]
*本レビューのヘルメットは、Champion System Japan提供のものです。
1. KPLUS ALPHA
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カラー | ホワイト、ブラック、チタニウムグレー、オーロラブルー、ラーヴァレッド |
重量 | S(53-56cm / 268g) M(56-59cm / 295g) L(59-62cm / 350g) |
価格 | ¥29,700(税込) |
安全基準 | JCF公認(日本)、CE-EN1078認証(欧州) |
商品詳細 | ALPHA – KPLUS公式サイト |
KPLUSの2021年最新モデル『ALPHA』は、“新世代のオールラウンドモデル”という位置づけ。NOVAがスタイル重視モデルとすると、ALPHAはもう少しパフォーマンスに寄せたつくりです。
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前方から後方にかけて斜めのラインがクロスするAPLHAの形状。
前から見ると太めのラインが印象的で、横から見ると空気の流れるようなラインがレーシーな雰囲気。
スタイリッシュだしレーシーだし、より「走りたい」という気持ちに沿うようなフォルムだと感じます。
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私が選んだALPHAのカラーは「オーロラブルー」。
冬に多いダークトーンのジャージに合うと思ったのと、今まであまり見たことのない綺麗な色にビビッときました。
マットカラーが最近はトレンドだけれど、ALPHAのようなレーシーな雰囲気にはグロスカラーの存在感がぴったり。
2. 強化されたアジアンフィット
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台湾メーカーのKPLUSを選ぶ一番の理由が、スタイルを重視した唯一のアジアンフィットヘルメットだから。
これまでデザイン面から欧米メーカーのヘルメットを色々試してきましたが、なんとなくしっくりこない感じのものがほとんどでした。
欧米メーカーは縦長なのに対して、私は横幅の広い典型的な日本人頭。周長で選ぶとこめかみが当たるし、サイズを上げるとキノコみたいになってしまう。
その点、KPLUSだと無駄な遊びがなくぴっちりハマります。全然ズレない。
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ALPHAの場合、NOVAよりも少し深めに被れるので、しっかり保護されているという感覚もあります。
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「トゥールビヨンにインスパイアされた」という精巧なつくりの調整ダイヤル
またALPHAのフィット感をさらに高めているのが、このモデルから搭載されるようになった「K2フィットシステム」。
NOVA以前のモデルにあった「K1フィットシステム」を進化させたもので、ダイヤルを回すと、頭を固定するプレートが前後に移動します。日本人頭にも色々な形状がありますが、この動きがあるおかげでどんな日本人頭でもちゃんとフィットしてくれる。
ダイヤルも大きくつかみやすくなっていて、指がかじかんでいるときもちゃんと回せます。
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ちなみに、ダイヤルとヘルメットの空間にポニーテールの結び目を通すと、より頭にフィットします。見た目も可愛くなるので、積極的に通していきたい(笑)。
3. Mips Air – 安全性の進化
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フィット感と合わせてALPHAで特筆したいのが、KPLUSヘルメットでは初めて「Mips」が搭載されたということ。
Mipsは、落車するときに加わる回転性の衝撃を緩和して、脳障害のリスクを軽減するための機構。落車時のリスクはできるだけ減らしたいので、以前よりも安全性を考慮した設計になっている点は普通にうれしい。
ALPHAに搭載されているのは「Mips Air」というモデルで、Mipsシステムの中で最も軽く通気性に優れたもの。だからヘルメットの重量や通気性を損なうことなく、安全性を高めるような設計になっています。
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安全基準については、欧州の厳格な安全規格「CE-EN1078」の認証のほか、国内の「JCF認証」も取得しているためレースでも使用できます。
4. ヘルメットの機能性
エアロダイナミクス&エアフロー
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前から後ろへ流れるようなフレームラインは、見るからにエアロダイナミクスを意識した形状(心なしかNOVAより空気抵抗が少ない気もします)。
ベンチレーションホールが17個あるので頭も蒸れません。ただ冬はこのままだと寒いので、キャップと組み合わせればOKです。
重量
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重量はSサイズで268g。NOVAが255gなので少し重くなっていますが、最初着けて走ったとき「軽くなった!?」と錯覚しました。
そう感じたのは、ALPHAの重心位置が頚椎の上にくるように設計されているからだと思います。おかげで重さを感じにくいし、長時間のライドでも苦にならない。
アイウェアホルダー
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NOVAと同様に、滑り止めのついたアイウェアホルダーもあります。
ちょっと幅広なので、ぐっとテンプル部分を広げて入れる必要はありますが、しっかりホールドされるので休憩やトンネルに入るときは安心。
5. ALPHAとNOVAに恋をして
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よりレーシーで、より安全で、よりフィットするALPHA。
これまで愛用してきたNOVAに加えて、ALPHAはスタイルにもうひとつの選択肢を与えてくれます。
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NOVAとALPHAを使い分ける
おしゃれにキメたい時や女子ライドの時はNOVA、速い人達とがんばるときやエクストリームなライドのときはALPHAのように、走り方によって選べるようになりました。
もともと色々な走り方をする私にとって、スタイルの異なる2つのヘルメットがしっかり自分にフィットするというのがとても助かる…!これからもALPHAとNOVAをがっつり使い倒していきたいなと思います。
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Highs
- ・レーシーで格好良い外観
・MIPS搭載で強化された安全性
・より増したフィット感
Lows
- ・NOVAのような後頭部の反射材がない
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