カリフォルニア州を拠点とする、自転車バッグブランド「ORUCASE(オルケース)」。
創業者は元プロロードレーサーなので、ORUCASEがつくるバッグは、がっつり荷物を積み込んで自転車旅へ向かうためのもの、というよりは、日常のライドをより楽しく便利にする、という観点でつくられています。
だからなのか、どれも新しいアイデアが詰め込まれているプロダクトばかり。
僕はさまざまなスタイルに対応するために、ORUCASEの3つのバッグ「トップチューブバッグ」「ハンドルバーバッグ」「フレームバッグ」を選びました。そのギミックや使い勝手が、いつものライド体験をどのように変えていくのか、詳しく見ていきます。
Text & Photo / Tats [PR]
Contents
1. トップチューブバッグ:マグネットジッパー革命。
オルケース トップチューブバッグ/1.0L(¥9,350)
ORUCASEらしいバッグ、と言えばまさにこの『トップチューブバッグ』が挙げられます。
ORUCASEは社内のデザインラボを通じて、さまざまなアイデアを試しては限定生産するプロセスを繰り返しています。トップチューブバッグもその中で生まれたアイデア商品のひとつで、それは実際に素晴らしいものだったので、本生産へと移行されました。
すっと指が入っていく…!
この動きさえ見れば、何が優れているかがすぐにわかると思います。
マグネットジッパー。手を突っ込むだけで開閉できるORUCASE唯一無二の機構。
もう両手でジッパーを開閉する必要はないし、一度使うとこれ以外は考えられなくなります。
走行中にPOW BARを食べることも手間じゃない。むしろ、積極的に食べてしまう。
バッグの前面にはケーブルポートがあって、モバイルバッテリーを通じてサイコンへの給電が可能
トップチューブのダボ穴に取り付けることができるので走行中安定する。ダボ穴がない場合は、付属のベルクロストラップでも取り付け可能
スマートフォンがすっぽり入る(iPhone 14 Pro Maxのサイズ感でもOK)
開口部が広く、容量1リットルは思った以上にたくさんモノが入ります。個人的にはグミやエナジーバーなどの補給食がメインだけれど、日焼け止めやスマートフォンを入れても余裕があります。
パラコードストラップをステムに固定することで安定する構造
「ライド中に荷物に素早くアクセスする」という目的において、マグネットジッパーを備えたトップチューブバッグは、どんな自転車バッグよりも最短の距離を導きます。長時間走って疲れているときでも、手間が最小限に済むことは大きなメリットで、実際これを使うようになってから補給が本当に楽になりました。
ただ完全防水ではないので、もしモバイルバッテリーを入れる場合は注意が必要です(小雨程度なら中身が濡れることはなかった)。
Highs | Lows |
・マグネットジッパーの利便性(これだけで買う価値がある) ・スマートフォンが入るちょうど良いサイズ感 |
・完全防水ではない ・ダンシングで足に当たる |
オルケース トップチューブバッグ/1.0L(オンラインストア)
2. ハンドルバーバッグ:フォームブロックというアイデア。
オルケース ハンドルバーバッグ スマグラー/2.1L(¥9,130)
サイクリストの定番アイテムとなったバーバッグ。さまざまなメーカーが商品を出しているなか、ORUCASEハンドルバーバッグの最たる特徴を挙げるなら、取り外し可能な「フォームブロック」の存在です。
バーバッグは、取り付け時にハンドル周りのケーブルと干渉することが多々ありましたが、ORUCASEはそれを回避するために、バッグとハンドルの間にスペースを設けるフォームブロックを追加しました。
フォームブロックのメリットはケーブル類が収まりやすくなるだけでなく、サイコンマウントの干渉も抑えられるし、ハンドルバーが握りやすくもなります。
見た目はちょっとゴツくなるけれど、バーバッグの利便性はかなり向上します。
サイコンマウントと干渉しないのでカメラのレンズも出し入れできる
ストラップはワンタッチで付け外しができる。現行モデルは前モデルより頑丈なものに改良された
生地はラミネート加工された素材。YKKのアクアガードジッパーで中身は完全防水
前面にはアイウェアなどを挟めるギアループ
2.1リットルというスタンダードな容量に、小分けできるポケットやループを備え、フォームブロックで使い勝手を高めたORUCASEバーバッグは、似た形状の他社製品と比べても使い勝手の良さが抜きん出ていると感じます。
Highs | Lows |
・フォームブロックのおかげでモノを取り出しやすい ・付け外ししやすいストラップ ・200psiの完全防水仕様 |
・フォームブロックの存在感が強い |
3. フレームバッグ:ペダリングに干渉しない薄型設計。
オルケース フレームバッグ スモール/2.2L(¥15,620)
フレームバッグは往々にしてペダリングにストレスを与えます。あんなに細いトップチューブの幅にバッグを取り付けるのだから当然かもしれません(これまでいくつのビブの内側を毛羽立たせてきただろう)。
ORUCASEフレームバッグは、その課題を解決するために、トップチューブの面積を超えてその存在を主張することを辞めました。
薄型なので本当にペダリングに干渉しません。むしろトップチューブバッグの方が足に当たるくらい。ORUCASEを使うようになってから、ペダリングのストレスが減っています。
上から見るとトップチューブからはみ出さないように作られていることが明らか
その分収容力は控えめ。僕はこれまでカメラのレンズを他ブランドのフレームバッグで運んでいましたが、ORUCASEのフレームバッグには入らないので、レンズの居場所はハンドルバーバッグに変わりました。
代わりに細くて長いものがよく運べます。例えばハンドポンプだったり、川遊びをするためのサンダルだったり、キュウリだったり。
サンダルがすっぽり入るので川遊びが捗る
左側には小型ポケットがあり、日焼け止めを入れるのに丁度良い
計5箇所で留めるので固定力は申し分ない。サドルの上で激しく動いてもズレない
DESIGN LABのタグが可愛い。ベルクロはトップチューブバッグと一緒に取り付けできる位置になっている
Highs | Lows |
・薄型なのでビブが擦れない ・見た目がスマート |
・厚みのあるものは入れられない |
4. ORUCASE = ライドの課題を解決する存在。
ロードバイクにバッグを取り付けるサイクリストは増えてきました。ただスピードを重視するロードバイクに余計なものを追加するのは、ライドの軽快性や快適性を奪うことにつながります。
ORUCASEを使ってみて感じるのは、そういったマイナス面を限りなく減らし、ライド体験をより良い方向へ拡張しようとするブランドの意志。
補給食を取り出すまでの時間をマグネットジッパーが極限まで減らし、モノを取り出しにくいバーバッグの難点をフォームブロックが解消し、ペダリングへの干渉をフレームバッグの幅で解決しました。
トップチューブバッグ、バーバッグ、フレームバッグ、それぞれ取り付ける目的は異なりますが、自分がライドで持ち運びたいものがあって、どういう運び方が最適か悩んでいるのであれば、いずれかがその最適解になるはずです。
特にトップチューブバッグの使い勝手は秀逸なので、補給食やスマートフォンをライド中に素早く取り出したいサイクリストはぜひ試してみてほしいと思います。
Text & Photo / Tats
[PR]提供 / インターテック
著者情報
Tats Shimizu(@tats_lovecyclist) 編集長。スポーツバイク歴10年。ロードバイクを中心としたスポーツバイク業界を、マーケティング視点を絡めながら紐解くことを好む。同時に海外ブランドと幅広い交友関係を持ち、メディアを通じてさまざまなスタイルの提案を行っている。メインバイクはFactor O2(ロード)とLS(グラベル)。 |