LOVE CYCLIST

Cycling & Fashion Journal for Road Cyclists

ロードバイク用サドルの選び方ガイド&おすすめメーカー

サドルの選び方ガイド

人によって正解が違うのでとても難しいといわれているロードバイクのサドル選び。

最初は完成車についているサドルに乗り、それを使い続けていくうちに色々な問題点が見えてくることがあります。一番大きな問題が、接触しているところが痛くなるという点。お尻や尿道などデリケートな部分を痛める可能性もあるので、痛みが出た時点で早めに対処する必要があります。

ほかにも座面が安定せずペダリングがしづらいといった、ロードバイクに乗る上で対処しなければならない問題が出やすいので、自分に合ったものを最短で見つけることができるように、サドルの形状による特徴を見ながら必要な情報をまとめていきます。

 

1. サドルの形状による乗り心地の違い

サドルには様々な形状がありますが、その中でも以下の6つの違いが乗り心地に影響を与えます。
自分が今使っているサドルがどのような形状で、その形状のどの部分が問題を生み出している箇所か、あるいはより良いペダリングのためにどの部分を変更すべきなのかを見つける参考にしてください。

① 縦座面の反り

サドルの縦座面サドルを横から見たときに反っているタイプ(画像上)は、凹んでいる部分にお尻がホールドされます。安定感が高いのでペダリングしやすいというメリットがありますが、股間が圧迫されるため痛みが発生してしまう人もいます。

フラットタイプ(画像下)は前後移動がしやすいため路面状況に合わせてお尻の位置を変えることができますが、ペダリングが安定していない場合は違和感があるかもしれません。股間の圧迫は少なく、特に女性はフラットタイプの方が痛みが出にくいと言われています。

② 横座面の丸み

サドルの横座面座面がフラットになるほど腰の自由度が大きくなってポジションを変えやすくなるため、長距離でも疲れにくい形状になります(画像左)。

逆に丸みを帯びるほど座面が固定されて腰は動かしづらくなるため、ペダリングは安定しますが長距離は若干苦手です(画像右)。

メーカーによってはどちらにも対応できるセミラウンドタイプもあります。

③ 穴空き

穴空きサドル尿道や前立腺などの股間の圧迫を最小限にするための形状が穴空きサドル(画像上)。
その目的の通り股間の中心部の痛みは最も出にくい形状ですが、逆に恥骨や坐骨などほかの接触面に対して余計に加重されるため、中心以外の部分が痛くなる可能性もあります。

④ サドルの幅

サドルの幅幅が広いほど荷重を安定して支えることができるので、ロードバイクをアップライトポジションで乗っている場合はワイドタイプ(画像右)を選択し、深い前傾をとっている場合はナロータイプ(画像左)にします。

また女性は男性よりも骨盤の幅が広いため、ワイドタイプの方がフィットする傾向にあります。

⑤ パッドの厚み

サドルの厚さ薄いパッド(画像上)は、硬くて反発が少ないため高ケイデンスのペダリングに向いています。
逆に厚いパッド(画像下)は、痛みが出にくい点と、反発が少ないためトルクをかけたペダリングでも安定しやすいのがメリット。

またパッドの一切ないカーボン素材タイプもありますが、長距離に向かないため通常はあまりセットされません。

⑥ レールの素材

サドルのレール素材シートポストと接合するサドルのレール部分の素材は大きくカーボン素材と金属素材(チタンやクロモリ)に分かれます。
カーボンは非常に軽く、振動吸収性もほかの素材より優れているので、お尻の痛み軽減にも少し効果があります。金属素材は丈夫で取り扱いが簡単。

カーボンは高価なので、自分に合った形状を見つけるまでは金属レールのサドルで色々な形を試すのがおすすめです。

 

2. サドルのおすすめメーカー5選

ロードバイクのサドルを選ぶとき、自分に合った形状を選択できるように、豊富な種類を取り揃えている5つのイタリアメーカーを、その特徴や製品ラインナップと一緒に紹介します。

1. Selle Italia セラ・イタリア

selle italiahttps://www.selleitalia.com/en/

セラサンマルコとともに「世界2大サドルブランド」と呼ばれるセライタリア。1897年創業と古い歴史を持ち、常に最先端のサドルを開発し続けています。
ちなみにほかのブランド名にも出てくる「セラ」とはイタリア語でサドルの意味です。

セラ・イタリアのラインナップ

セライタリアの代表的なサドルは3つのラインナップに分かれます。

  • SLR … フラットな座面で、骨盤の幅が狭い人向けのレーシングサドル
  • FLITE … ノーズから中央部にかけてのラインが細く、骨盤の幅が広い人向けのサドル
  • NOVUS … ホールド感が高い座面で、オールラウンドなクラシカルサドル

セラ・イタリアのフィッティング方法

セライタリアはオリジナルのフィッティングシステム「idmatch(idマッチ)」を開発し、骨盤の幅と傾き、大腿最上部の周囲長から最適なサドルの形状を導き出すことができます。国内でidmatchを受けられるショップはこちらのページ下部から検索可能。

セライタリアのサドル一覧を見るAmazonWiggle

 

2. Selle San Marco セラ・サンマルコ

selle san marcohttp://www.sellesanmarco.it/en/

1935年創業の世界2大サドルブランドであるセラサンマルコ。
これまで数多くの有名選手に愛用され、今なおトップサイクリストの要望を取り入れながら開発を続けています。

セラ・サンマルコのラインナップ

セラサンマルコのレーシングサドルは4つのラインナップに分かれています。

  • Aspide アスピデ … 様々なポジションに対応可能な最軽量サドル
  • Concor コンコール … くせの少ないスタンダードなレーシングサドル
  • Regale リーガル … ノーズ部分がワイドなのでしっかり座ることができるサドル
  • Mantra マントラ … 股間の圧迫を軽減するために大きな穴空き形状のサドル

セラ・サンマルコのフィッティング方法

セラサンマルコのフィッティングシステム「DiMA(ディーマ)」は、年齢・痛みの強さ・骨格・ハンドルとサドルの落差・ライディングスタイルの5つの要素から自分に合ったモデルを導き出すことができます。国内でDiMAが受けられるショップはこちら
近くにショップがない方のためにスマートフォンアプリ(iOSAndroid)もあります。

セラサンマルコのサドル一覧を見るAmazonWiggle

 

3. Astute アスチュート

astutehttp://www.astuteitalia.com/

アスチュートは2013年創業で、ベネチアを拠点にイタリア人デザイナーと熟練工たちの経験を元に革新的な製品を産み出している新興ブランド。ほかのサドルメーカーとは一線を画すデザインや構造がアスチュートらしさを体現しています。

アスチュートのラインナップ

アスチュートのロードレース用サドルは主にフラット形状のSKYシリーズラウンド形状のSTARシリーズがあります。

  • SKY CARB スカイカーブ … カーボンを多用したフラット形状最軽量ハイエンドサドル
  • SKY LITE スカイライト … 軽さと強度を両立したフラット形状のミドルレンジサドル
  • STAR LITE スターライト … 2016年から新たに加わった、プロユースに敵うラウンド形状の高機能サドル

アスチュートのサドル一覧を見るAmazon

 

4. Prologo プロロゴ

prologohttp://www.prologotouch.com/saddles/

プロロゴは「touch」というブランドキーワードを元に、サイクリストが触れる部分のアイテムであるサドル・バーテープ・グローブなどの感触にこだわったラインナップを展開しています。

プロロゴのラインナップ

プロロゴのサドルのラインは、丸さに応じて「SCRATCH スクラッチ」「NAGO ナゴ」「ZERO ゼロ」の3タイプがあります(スクラッチが一番丸い形状)。

プロロゴのフィッティング方法

フィッティングシステム「MY OWN(マイオウン)」を使えば、骨盤の幅や柔軟性を計測して最適なラインを選ぶことができます。国内でMY OWNを受けられるショップはこちらから検索可能。

プロロゴのサドル一覧を見るAmazonWiggle

 

5. fi’zi:k フィジーク

fizikhttp://www.fizik.com/

1996年創業のSelle Royal社が展開しているサドルブランド名がフィジーク。パフォーマンスを損なう穴あきサドルは作らないというポリシーが特徴でしたが、2017年10月に初の穴あきシリーズ「OPEN」をリリース。技術革新により性能の高い穴あきサドルの開発が可能になりました。プロロゴと並んで国内で入手しやすいブランドです。

フィジークのラインナップ

フィジークのロードバイク用サドルは3タイプが用意されています。

  • ARIONE アリオネ … フィジークを代表するフラットなオールラウンドサドル
  • ANTARES アンタレス … フラット&ワイドな座面の短距離向きサドル
  • ALIANTE アリアンテ … 快適性重視のロングライド向きサドル

フィジークのフィッティング方法

フィジークのフィッティングシステムは「Spine Concept EVO(スパインコンセプトEVO)」と呼ばれ、乗り手の脊髄の柔らかさや骨盤の回転具合いに応じて最適なサドルの形状が決まるという独自の理論にもとづいて測定されます。
スマートフォンアプリ(iOSAndroid)で計測することが可能です。

フィジークのサドル一覧を見るAmazonWiggle

 

Ex. サドル以外でお尻の痛みを軽減するためのポイント

基本的にサドルによる痛みというのは、我慢しても治らないし慣れるものでもないので、走行時に痛みが出た場合は必ず何らかの対処をする必要があります。サドルを変えて試すというのが根本的な解決への道ですが、そのほかに痛みを軽減するために、以下の対処法も参考にしてみてください。

ポジション調整

ハンドルとサドルの落差が少ないアップライトなポジションだと、体重が後ろ加重になるためお尻に負荷がかかりやすくなります。前傾姿勢になるようにハンドル側を低くしてみるなど、サドルへの荷重を減らしてみるのもひとつの方法です。

またサドルの取り付け方もミリ単位での調整で痛みが軽減できる可能性があります。サドルが地面に対して水平になっているか、座面が真っ直ぐ前を向いているかを確認した上で、座面を前後に動かしながらペダリングしやすいポジションを探してみてください。

体重調整

体重が重い人ほど座面に圧がかかるため、お尻の痛みは出やすいと言われています。そのため重い人が痛みを軽減する手っ取り早い方法は痩せることとなります。

乗り方の調整

乗っているときに痛みの発生を遅らせるために以下のような予防措置があります。

・ギアを重めにする

重いギアほどペダル側に加重される割合が高くなるため、相対的にサドル側への荷重が減ることになります。ただ常に重いギアで回すのは足に負担がかかるため、ときどき重さを変えて調整する程度にします。

・お尻を前後に動かす

お尻の位置を前後に動かせば負荷がかかる場所が変わるため、痛みの発生が分散されます。定期的に前後移動して同じ位置に負荷をかけないように意識します。

・ときどきダンシングをする

ロングライドで一定速度で巡航しているとき、ときどきダンシングをするとお尻が楽になるのを経験している方は多いと思います。痛くなる前に意識的にダンシングを巡航に取り入れることで、痛みの発生を遅らせることができます。

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サドルは形状がさまざまなので最初はどれが合うのかわかりづらいと思いますが、今のサドルの形状をしっかり把握し、新しいサドルで取り入れるべき形状を探すことで、“サドル沼”という状態に陥らないようにしてくださいね。