香りは気持ちのスイッチを一瞬で入れ替える力があります。
気分をアゲるため、落ち着くため、異性を惹き付けるため、お香や香水などで「香り」を意図的に利用する場面は日常でも多々あると思います。
もちろんロードサイクリングにおいても、スイッチを入れる場面がよくあります。
走っている間は、頭の中で音楽を鳴らしたり、掛け声をかけたり、ジッパーを上げたりすることがスイッチになりますが、ライド前後のまさに「走るモード」と「日常モード」の切り替えが必要なタイミングでは、香りのスパイスがとても効果的。
今年から使い始めたエンブロケーションで、その効果を強く実感しています。
Rapha – Summer Embrocation
いつもRaphaのエンブロケーションを使っています。
エンブロケーションはマッサージクリームとして脚に塗って、出発前のウォームアップや帰宅後のクールダウンに用いるもの。
マッサージは、運動前ではパフォーマンス改善やケガ予防のため、運動後は疲労を抜くために欠かせません。
エンブロケーションはその効果を高めてくれます。
普通のマッサージクリームと違って、黒×ピンクのRaphaアイコンを押し出したパッケージは、棚にさりげなく置いておくだけでもちゃんと絵になるのが良いんです。
ナチュラル&スパイシー
蓋を空けるとヒバ、ラベンダー、ローズマリーなどが配合されたハーブの香りがふわっと広がってきます。
この匂い、すごく良い。
人工的なきつい臭いはなく、ナチュラルで少しスパイシーな風味は自然と気持ちがキラキラと沸き立つように。
中に入っているクリームは、溶けたキャラメルのように艶やかなブラウン。
Raphaのエンブロケーションには冬用と夏用があります。冬用はエンブロケーションの本来の目的であるウォームアップと保湿に用いられ、この夏用はメントールが配合されているので、少しだけ爽快感があります。
最初は肌に塗ることに少し抵抗があるような色ですが、比較的粘度の高いクリームで、少量でも薄く広く伸ばすことができ、次第に無色になっていきます。
自然とほぐされる
実際に脚に塗ってマッサージをすると、香りが自分を取り巻く空間に広がっていくのと同時に、肌がしっかりしたクリームの層で包まれます。
滑らかになった肌の表面を、指を使ってゆっくりほぐしていくと、固まっていた筋肉が柔らかく弾力のある筋肉(ニク)へと変化していきます。
大事なのは、スムーズに脚全体に塗り拡げるために、すね毛をちゃんと脚の付け根まで剃っておくこと。毛でクリームが吸収されないようにしておくことで、マッサージ効果が高まります。
数値として示すことはできませんが、そのまま朝日を浴びながら漕ぎ出していくときは、間違いなく脚も心も軽やか。
手首にも少しだけ塗っておけば、走行中にときどき匂ってくるハーブの香りが気持ち良い気分にさせてくれます。
いつもライド前日に持ち物一式を準備しておきますが、そのラインナップにエンブロケーションは欠かせないものになりました。
起床して、ウェアを着る前にさっとクリームを付けて脚をマッサージするだけで、鼻に届くスパイスの効いた香りで残った眠気が徐々に覚めて、柔軟になった脚でこれから走り出すことに対して気持ちが自然と上向いていきます。
ただ起きてウェアを着て出かけるだけよりも、この上なく豊かな準備の時間を過ごすことができます。
リュクスな清涼感とともに過ごす、一連のサイクリング体験
いつも朝ライド前に塗る習慣をつくると、アンカリングのようにサイクリングに対する気持ちのスイッチが自動的にONに入ります。
また脚を酷使したライド後でも、薄く脚に塗ってマッサージするだけで、いい香りに包まれてとてもリラックス。脚の疲れを次の日に残さないためにも、じっくりと丁寧にほぐしていきます。
ロードサイクリング体験はライド中だけでなく、出かける前の準備から、そして帰ってから体を休息させるまで続いているもの。
エンブロケーションはそんな一連の体験の、はじまりと終わりにささやかなときめきを与え、次のライドへのモチベーションへと繋げてくれます。
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ロードバイクは基本的に汗臭さが伴う暑苦しい競技スポーツというイメージですが、こういう小物が使われるだけで、汗の中にほんの少しリュクスな清涼感が加わって、次第にサイクリストたちの爽やかな未来が訪れるかもしれないと思わせてくれます。
>>Rapha Summer Embrocation(公式サイト)
ライド中はMAAPの素敵な財布と。
【レビュー】Bellroy x MAAP Phone Pocket(ロードバイク用スマホケース)
自分の好きなバイクと好きなモノに囲まれて走る。こうして自分だけのライドスタイルを作り上げていくのが、ロードサイクリングの大きな魅力です。