GPSサイコン「trimmOne LITE」レビュー:ミドルグレードの有力モデル

trimmOne LITEレビュー

ライド体験をさまざまな角度から可視化するGPSサイコン。かつてはサイコンの上位モデルしか搭載されていなかったGPSチップは、今ではエントリーモデルにまで採用されるようになり、GPSサイコン市場の競争は年々激化しています。
特にここ最近目覚ましいのが、アジアンメーカーの台頭。台湾のBrytonやXplova、中国のiGPSPORTなど、コストパフォーマンスの高さをベースに、欧米メーカーと同じ土俵で勝負を繰り広げています。

今回テストしたのは、韓国のメーカーRatioLLCが2021年にリリースしたGPSサイコン「trimmOne LITE(トリムワン・ライト)」。
カタログスペックを見ると非常にパフォーマンスの高いモデルだとわかりますが、スペックだけではわからない実際の使用感もサイコン選びにとっては重要。そうした点を含めて詳細をレビューします。

text & photo/Tats@tats_lovecyclist)[PR]

Fingerscrossed22

1. スペック比較

trimmOne LITEを使ってみて感じた特徴をざっくり並べると、以下の4点に集約されます。

Wahooに近い使用感(スマホ側ですべて設定)
バッテリーが強力(最大50時間+ソーラー)
モノクロだが大画面なので視認性は高い
薄くて軽く、ロゴのないミニマムな外観が良い

同価格帯モデルとの比較

 モデル
trimmOne LITE

Garmin
Edge 130+
Lezyne mega c gps
Lezyne
MEGA C GPS
Rider750
Bryton
Rider750
iGPsport iGS630
iGPSPORT
iGS630
発売 2021.6 2020.7 2018.6 2020.11 2022.4
税込価格* ¥26,800 ¥28,800 ¥26,400 ¥32,780 ¥27,280
ディスプレイ 3.2インチ モノクロ 1.8インチ モノクロ 2.2インチ カラー 2.8インチ カラー 2.8インチ カラー
重量 59g 33g 73g 93g 90g
本体操作 ボタン ボタン ボタン ボタン+
タッチスクリーン
ボタン
バッテリー 50時間+ソーラー 13時間 32時間 20時間 35時間
地図
ナビ

*センサー等付属しない本体のみの価格

カタログ上のバッテリー持続時間が圧倒的で、これは2022年6月に発売されて話題となったGarmin Edge1040の35時間(+ソーラー)をも上回っています。
GPSサイコンの使い勝手の良さは、まずバッテリーを気にせず使えることが前提となるため、この点trimmOne LITEは競合に比べて大きなアドバンテージがあります。

 

2. 外観・操作性

外観

ロゴがなく、サイコン自体の主張がないのがとても良い

タッチスクリーンではなく、3つの物理ボタンで操作を行う

trimmOne LITE端子

底部に充電コネクタ

trimmOne LITEマウント

マウントはGarminと同じ規格

ボディにロゴの印字がなく、ほかのGPS端末と見比べると非常にシンプル。このミニマム具合はかなり好みです。

trimmOne LITEとGarmin Edge530の比較

Garmin Edge530と比較すると薄さが際立つ

操作性

端末側で行う操作はシンプル。基本は計測スタート&ストップと画面送りのみで、設定はtrimm Cycling Centerアプリ(iOS / Android)で行います。

本体とアプリはBluetoothで接続され、アプリ側で設定を変更するとほぼタイムラグなく端末側に反映されます。このあたりの使用感はWahoo ELEMNTシリーズと同様。
GPSサイコンはGarminやXplovaのように端末側で設定するUIと、trimmOne LITEやWahooのようにアプリで設定するUIに大別され、どちらが優れているというよりも好みの問題になると思います。
正直ストレスなければどちらでも良いというのが個人的な感想で、trimmOne LITEはアプリの使い勝手も良く設定面でストレスはありません。

無料の「trimm Cycling」アプリは、端末設定のほか、ルート作成やライド履歴の振り返りに使う

「プレミアム」という¥120/月の機能があるが、trimmOne LITE本体と接続していれば課金されることなく無料で使える ライド終了後すぐにStravaに自動アップロードできるほか、KomootやTrainingPeaksとも同期OK

 

3. 画面構成・視認性

画面構成

データフィールドは10あるレイアウトから選択 マップ表示画面にも最大3つの項目を表示できる

バッテリーと現在時間がヘッダーに表示されているので、実質表示項目を増やせる

GarminやWahooのようなトレーニング項目はないため、GPSサイコンの機能を使ってトレーニングしたい場合は物足りないかもしれませんが、3秒パワー・TSS・IFなどの基本的なパワーメーター表示項目は備えているおり、ライド中のパワーマネジメントは可能です。

視認性

モノクロだけれどディスプレイはコントラストがはっきりしており、カラーと比べても視認性に遜色はありません。バックライトは自動調節設定OK。

ただしディスプレイは光沢のある強化ガラスフィルムで覆われているため、太陽の角度によっては反射して見えづらいことも。

 

4. 地図・ナビゲーション

ルート作成

ルートまわりの使い勝手は秀逸。基本的には[アプリでルート作成]→[Goボタンを押して端末でナビ開始]という流れでルートをセットします。

ルートはアプリ上で地図をタップしながら引くか、外部ファイル(GPX,TCX.FIT)を読み込むことで作成できる 走りたいルートを選び、右上の「GO」ボタンを押すと、trimmOne LITE本体でナビゲーションがすぐに開始される

アプリのルート作成方法は2つあります。

①アプリでGPXファイルを直接読み込む(iCloudを使用)
②アプリ内の地図で出発地・経由地・目的地をセットする

個人的にナビゲーションを使用するときは、過去ログやRide with GPS等に公開されているルート、また仲間から共有されたGPXファイルを使用することが多いため、①のGPXファイルをスマートフォンに直接読み込むことができる仕組みは便利

②のアプリ内でルート作成する方法は、出発地と目的地を地図上の最短距離で結びます。自転車走行に最適なルートを選んでくれるわけではないので注意。必要に応じて経由地を細かく設定しながらルートを調整していきます。

いずれもPCを介さずスマートフォン上でも完結できるため、出先でもルート設計が可能。

ナビゲーション

通るべき道は黒いラインで示されていて、モノクロ画面だけれど明確。
ターンバイターンのナビゲーションも、ビープ音と残り距離ではっきりとわかります。

地図の縮尺を変更するには、左側のボタンを3秒長押しします。ただし地図移動はできないため、この先どんな道のりになるか確認したいときはアプリで見る必要があります。

オフラインマップ機能あり

任意のエリアをアプリ上で範囲選択し、ダウンロード 端末内に一定期間保存され、右上の鍵マークをタップすれば消えることはない

選択したエリアをダウンロードしておけば、オフラインのエリアでもナビを使用でき、バッテリーの節約になります。ダウンロードした地図データは通常15日で消えますが、ロックすることで保持できます。

 

5. バッテリー

カタログ記載の“最長50時間”を実現するには、スピードセンサーを連携しているという条件があります。スピードセンサー未使用時は15時間。これは一般的なGPSサイコンの平均値です。

スピードセンサー連携した上での実際の使用感としては、バッテリーの持ちは充分すぎると感じます。個人的には普段100〜120km程度のライドがほとんどで、終わったときの電池残量は70〜80%。バックライトを使用すると減りが早くなるため、夜間走行を含むライドではさすがに50時間は持たなそうですが、日中であれば充電しなくても3回程度ライド可能。もし充電し忘れたとしてもまた使えるのは普通にありがたい。

ソーラーチャージャーを使用した場合

trimmOne LITEソーラー充電

ステムに取り付けて給電するソーラーチャージャー

ソーラーチャージャーはGarmin Edge1040のようにディスプレイに埋め込まれておらず、ステムに取り付けて有線で本体に接続します。
バンドル周りがごちゃつくので好みが分かれるところだと思いますが、ソーラーチャージャーの威力は想定より強力で、晴天時ほとんどバッテリーは減りません(快晴時に2時間走っても残量は100%のまま)。ただし曇天になると少しずつ減っていくため、長距離ライドのときは天候を加味してバッテリーマネジメントをする必要があります。

充電時の注意点

trimmOne LITE充電

マグネット式で充電自体はスムーズだが、独自規格なのでUSBポートをひとつ占領する

防水性を高めるために、充電ケーブルのコネクターはマグネット式の独自規格。
USB-CやmicroUSBではないため、trimmOne LITE専用の充電ポートをひとつ開けておく必要があります。

 

6. サポート体制について

trimmOne LITEの国内販売は、クラウドファンディングから始まっており、現在は公式サイトのほかAmazonで購入可能です。
ファームウェアアップデートは定期的に行われており、記事公開時点のバージョンは3.1.3。表示項目やレイアウトの追加や安定性の強化など、持続的に使い勝手が更新されています。

製品に関する問い合わせや日本語マニュアルのダウンロードはサポートページから行います。
trimm Cyclingアプリにもメールでの問い合わせ導線があるので、不明点・故障などについてはここからも連絡可能。

アプリからもメールの問い合わせ導線がある。動画案内は英語/韓国語のコンテンツがほとんど

 

7. ミドルグレードの有力モデルたる理由

trimmOne LITEは全体的に感触が良い使用感で、特に「外観のスマートさ」「アプリUIの使いやすさ」「バッテリー持ち」は同価格帯の競合の中でも抜きん出ていると感じます。
トレーニング機能は非搭載のため、レース志向のサイクリストには不向きかもしれませんが、それ以外の、長距離ライドを好むサイクリストには有力な選択肢となるモデルです。

どんなサイクリスト向け?

  • ・バッテリー持ちの良いGPSサイコンが欲しい
    ・トレーニングよりもロングライドやツーリングが好き
    ・スマートな外観の端末を探している

Highs

  • ・スマートフォン連携がサクサクでストレスがない
    ・クリアで見やすいディスプレイ
    ・ミニマムな外観(ロゴなし&軽量)
    ・Garminマウント使用可能
    ・バッテリー容量は十分
    ・Varia対応

Lows

  • ・充電が専用コネクター
    ・トレーニング機能非搭載

trimmOne LITEを購入する

trimmOne LITE同梱物

右下はフルパッケージに付属するスピードセンサー(ソーラー電池で動く)

オプション 同梱物 価格
デバイスのみ(Device Only) 本体+マウント ¥26,800
ソーラー充電付き(with Solar Charger) 本体+マウント+ソーラー充電 ¥28,800
フルパッケージ(Full Package) 本体+マウント+ソーラー充電+スピードセンサー ¥32,800

オプションは3つ。
日中ライドしかしないのであれば「①デバイスのみ」でも充分です。スピードセンサーを所有していなければ他メーカーのものを購入すればOK。
夜間走行を含めた長距離ライドを想定する場合は「②ソーラー充電付き」または「③フルパッケージ」を選択します。

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レビュアー

Tats Tats@tats_lovecyclist
編集長。スポーツバイク歴8年。長年Webやデジタルマーケティングのコンサルティング領域で数多くのクライアントを担当してきたことから、スポーツバイク業界においてもマーケティング視点を絡めながら論じることを好む。同時に海外のアパレルブランドと幅広い交友関係を持ち、メディアを通じてさまざまなスタイルの提案を行っている。

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