
イタリアのシューズブランド『Udog』が、グラベルシューズの新モデル「FORZA(フォルツァ)」をリリース。UdogはCIMAやCENTOなどロードシューズが広く知られているが、グラベルシューズのラインナップはDistanzaに続く2モデル目となる。今回はWataruがFORZAを試したので、その詳細をお届けする。
レビュアー
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Wataru – ワタル | 仙台
広告代理店勤務。レースに向けて過酷なトレーニングライドをしたり、愛車のJEEPとドライブしたり、息をするようにXで日々の思いをつぶやいたり、常にアクティブ。うさぎと暮らしている。 BMC Teammachine R01, Cannondale SuperX @watastagram178 |
review / Wataru(@watastagram178)
text & photo / Tats(@tats_lovecyclist)
*本レビューのFORZAはUdog提供のもので、レビュー内容はLOVE CYCLISTオリジナルのものです。
Udog FORZA

UDOG(ユードッグ)というブランド名は、競技において勝ち目がない「underdog(噛ませ犬)」に由来する。元FizikのブランドディレクターであるAlberto Fonte氏が立ち上げたブランドで、その反骨精神はプロダクトの設計思想にも表れている。
グラベルライディングについて、Udogは「競うものではなく、バランスを取るための手段」と捉えている。実際グラベルライドは舗装路とは違って、野性的な感覚が強い。それは自然の一部に自分を置いてうまくやりくりするような感覚だ。近年はグラベルの世界もレーシングに寄っているが、相変わらず僕たちのライドは、レースではなくアドベンチャーだ。仲間たちと悪路に叫び声を挙げながら、ひと踏みずつ前進していく。Udogのグラベルシューズは、その感覚に寄り添うものとして設計されていることが頼もしい。

FORZAは、オフロードラインナップの中で、過去にレビューした Distanzaと並ぶ2モデル目となる。グラベルライダー、アドベンチャーサイクリスト、バイクパッキングライダーたちのために、「フィット、快適性、スタイルに妥協しない」という設計方針のもとに開発されている。
Udogグラベルシューズラインナップ

FORZA | DISTANZA | DISTANZA CARBON
FORZAはDISTANZAのデザインを継承しているが、クロージャーとアウトソールのラインナップが異なる
| FORZA NEW | DISTANZA | DISTANZA CARBON | |
| サイズ | 38〜48(ハーフサイズなし) | ||
| カラー | ブラック / グレー | ホワイト / グレー | ブラック |
| アッパー | 撥水性エンジニアードメッシュ | ||
| クロージャー | Twist Techダイアル | フラットレース(TWS) | |
| アウトソール | ナイロンカーボン | フルカーボン | |
| 重量 *42サイズ | 320g | 330g | 315g |
| 税込価格 | ¥35,200 | ¥30,800 | ¥42,900 |
FORZAのアウトソールはナイロンカーボン一択で、フルカーボンモデルはない。クロージャーは、Twist Techダイアルを用いて足全体を均等に包み込む設計となっている。各モデルどれが優れているというわけではなく、フィットや使い勝手へのアプローチが異なる。

ナイロンカーボン複合コアのFORZA Outsole 7.0、撥水性エンジニアードメッシュのアッパー、Twist Techダイアルによる1ダイアルクロージャーを採用している
悩み多きシューズ遍歴

Wataruはこれまでロードバイクをメインに走ってきたが、2026年にCannondale SuperXが納車され、グラベルも駆けるようになった。グラベルロード歴は短いものの、コロナ禍にはMTBも楽しんでいたため、未舗装路にはすっかり慣れている。だからSuperXをメインにする今は、舗装路/未舗装路を問わずさくさく駆け抜けるスタイルだ。

ただシューズのフィットには、典型的な日本人の幅広&甲高な足型のため、一貫した問題がある。ヒールカップと土踏まずのフィット感、指先の動きにくさ、甲から指先にかけての高さ、小指の圧迫感。高性能なシューズほどナローに作られていることが多く、これまでのロードシューズ遍歴で「スペックは申し分ないのに足が微妙に合わない」というケースがいくつかあった。

その中で、UdogのロードシューズCIMAを履いたときは、ちゃんとフィットすると感じた。つま先にもかかとにもストレスがなく、長時間履いていても問題がない。それならばグラベルシューズもUdogで問題ないだろうと思った。
FORZAレビュー

レーシー過ぎないFORZAのデザイン。グレーのアッパーがスマートで都会的

深めのヒールカップにかかとがしっかり収まる感覚があって、ズレや不快感はない。SpecializedやShimano XCシリーズと比べて「劇的にいい」とは言えないが、ヒールカップが特殊な形状をしていないため、足型を問わず安定する設計になっている。

トーカップは広く、つま先は当たらない
Twist Techダイアルは1つのみで、2ダイヤルのように細かく締め上げるというよりは、一捻りで足全体を均等に包み込む仕組み。カッチリしたフィット感はないものの、Distanzaのフラットレースと比べると、ライド中に素早く調整できるので、グラベルのように路面状況が変わる環境では使い勝手がいいと感じる。

甲が高めでも窮屈さを感じない。エンジニアードメッシュのアッパーが足に馴染んで圧迫感がないので、数時間のライドで足がむくんできてもゆとりがあるのがいい。

カーボンソールのレーシングシューズを多く履いてきた経験からすると、FORZAのナイロンカーボンソールは板を踏んでいるような硬さはない。ただ柔らかいかと言われたらそうでもなく、1000W程度でもがいても撓みは感じられないので、剛性感は充分。
また長距離になると感じ方も変わってきて、ライド後半の消耗感が従来のレーシングシューズより少ない。Distanzaにはフルカーボンの選択肢があるが、FORZAのナイロンカーボンが物足りないかといえば、グラベル用途においてはそうでもないことがわかった。


ラバーソールで歩行もしやすい
僕らのグラベルライドにバランスを。


“グラベルライディングはバランスを取るための手段”というUdogの言葉は、FORZAを履いてみると腑に落ちる。
ナイロンカーボンソールは、純カーボンと比べると板感がなく、ダイアルクロージャーは1つしかない。スペックだけ見るとエントリーモデルっぽい印象だが、長距離を走った後の脚の残り方を感じると、これが意図した設計なのだろうと思う。速さだけを追求した道具ではなく、長く、楽しく走り続けるための道具として作られている。
新しい砂利道をディグりながら、叫び声を上げながら冒険するグラベルライドには、そういうシューズが要る。そもそも日本のグラベルには、流行りのグラベルレーシングのようなスピード感を楽しめる場所は少ない。レースよりもアドベンチャーとして、自然の中で自分をうまくやりくりしながら走る——そういう僕らの生のグラベルライドに、FORZAはよく合っている。



review / Wataru(@watastagram178)
text & photo / Tats(@tats_lovecyclist)
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