BSC WMN Initiative:女性のサイクリングを祝福するライド。

Black Sheep Cycling WMN Initiative 2022

毎年3月8日は、国連によって制定された『国際女性デー(International Women’s Day)』。1904年にNYで行われた婦人参政権を求めるデモを起源に、世界中の女性の権利を守り、女性の活躍を支援するために祝われる記念日です。
オーストラリアの「Black Sheep Cycling」(以下BSC)も、この日に合わせて数年前から女性のスポーツ参加を称える取り組みを行っています。
今年も世界中のBSCコミュニティで女性のためのイベントが行われるなか、東京ではBSCアンバサダーのMasayukiをリーダーにライドを開催しました。

今回私たちが走ったルートは、記事の後半にあるリンクからDLすることができます。いつもとはひと味違うライドを体験したい方は、ぜひトレースしてみてください。

Member/MeiSatch, & Anna
Ride Leader/Masayuki@stumsky
Editor & Photographer/Tats@tats_lovecyclist

Peloton de Paris2022春夏コレクション

1. WMN Initiativeが見据える世界

BSCのWMN Initiative(ウーマンイニシアティブ)構想は2019年に立ち上がりました。
目的はシンプルで、どんな形であれ、より多くの女性がスポーツに参加できるようにサポートすること
そのために3つの取り組みが行われてきました。

①女性サイクリストがプロのキャリアを実現できるように支援すること
②アンバサダー主導のライドを通じて、女性のサイクリング参加を増やすこと
③女性による女性のためのコレクションやコンテンツを制作すること

今回のライドも②③の取り組みに通じていて、女性のためのコミュニティとコレクションにフォーカスしています。
※①は、Specialized Women’s Racingや、ARAプロレーシングの立ち上げなどを通して、豪州内を中心に実践されている

女性のサイクリング参加率

日本の現状に目を向けると、公益財団法人日本生産性本部が実施した2017年のサイクリング参加者調査では、男性の参加者が13.1%だったのに対して、女性は5%以下でした。レジャー目的を含むサイクリング参加者の数字なので、うちスポーツサイクリングの分野になると、さらに男女差が広がることは容易に想像ができます。

数字を出すまでもなくわかりきったことですが、「もっと女性に乗ってもらえるようにしたい」という昔からの声(そして私たちもそう考えている)を実現することは、日本だけではなく各国で課題になっていることであり、いくつもある根本的な障壁をひとつずつクリアしていかなければなりません。

たとえば安全性、製品ラインナップ、コミュニティなど、例を挙げれば誰もがその高い壁を思いつくことができますが、どれをとっても、画一的なアプローチではうまくいかないのは明らかです。日本とオーストラリアとイタリアでは事情が違うし、都市部と郊外でもそう。

ではそれに対して私たちは何をするのか。日本におけるWMN Initiative──ライドイベントやコンテンツ制作の影響力はまだ限定的かもしれませんが、業界全体のマーケティングや製品開発にその考え方が浸透していくまで、ひとつひとつ続けていくことが大切だと考えています。

少なくとも、今回「WMN Initiativeライドが日本で初めて実施された」ということ自体が、大きな一歩になりました(2〜3年前では考えられなかった)。

WMN Initiativeライドメンバー

左/Satch@satch_cycle
スポーツバイク歴16年。トライアスロンをきっかけにロードバイクにハマり、その後シクロクロスやMTBなど自転車遊びの幅を次々と広げている。自転車ブログ「Satch Cycle」も運営し、自身のスタイルを発信中。

中央/Anna@anna241.e
スポーツバイク歴2年にしてキャノンボール、エベレスティング、エベレスティング10Kを達成。Strava Japan Award 2020&2021受賞、箱根ヒルクライム2021チャンピオンクラス女子優勝など耀かしい実績を残しながら、3年目の現在もさらなる挑戦を続けている。

右/Mei@meisan_no_yakata
スポーツバイク歴6年。学生時代からLove Cyclistに参画し、モデル、ライティング、広報を担当。現在はデジタルマーケティング会社に勤務。これまでブルベやヒルクライムなどのイベントに参加し、様々な自転車の楽しみ方に触れてきた。今は「ひと山、ひとカフェ」というライドスタイルを確立。

Masayuki@stumsky
Black Sheep Cyclingアンバサダー。富士ヒルシルバーリング獲得、Vエベレスティング達成などの実績を持ち、普段のライドでは変態的に坂道・裏道を追い求める道の探求者。本ライドではルートづくりとライドリーダーを務める。

 

2. WMN Initiativeルートガイド

BSCアンバサダーのMasayukiが引いた、心躍るルートに沿って走ります。
まだコロナの第6波の影響がまだ高い水準を維持しているため、今回はメンバーを限定して開催しましたが、今後情勢が良化したときにオープンなイベントにできればと思っています。

GPXファイルのダウンロードはこちらから

矢野口の「クロスコーヒー」を発着とし、日の出町・檜原村周辺をメインに楽しむ87.4km(獲得標高741m)の中距離ルート。
このエリアは東京のサイクリストにとっては定番ですが、ただ真っ直ぐ目的地を目指すのではなく、いつもとは違う裏道や坂が色とりどりに織り交ぜられており、終始新しい発見のある新鮮なルート。

①クロスコーヒー〜多摩川CR

まずはコミュニティが集うカフェ「クロスコーヒー」で待ち合わせ。参加者にはBSCのビドンが配られます。

「(PWR)3倍以上は出さないよ〜」というライドリーダーの言葉で、朝からチルな雰囲気で走り出します。

②大荷田川〜秋川街道

多摩川上流から脇に逸れ、大荷田川沿いへ。ここは緩やかな上りと静かな林道が重なってロードバイクならではの心地よさが感じられる、ちょっと穴場な道。
「MTBならこっちの道入っていけるね」といった探究心溢れる話をしながら、道の変化を楽しみます。

林道にそそがれる木漏れ日は、日本ならではの美しさがあります。少しずつ気温が上がってきて、太陽を感じながら進んでいく。

③廃校レストラン

小学校に自転車で入っていく不思議

ランチは旧戸倉小学校を活用した地域のコミュニティセンター「戸倉しろやまテラス」へ。廃校になったあとはあきる野市が運営する施設となり、地元の方々が暖かくもてなしてくれます。自転車ラックも常設。

もともと職員室だった部屋を食堂にした「レストラン食飲室」。地域の野菜や川魚を使った定食、うどんだけでなく、学校給食を再現したメニューまで(!)。

なつかしの揚げパン

職員室で嬉々としてビールを飲む(ノンアル)

校内の一部は自由に出入りすることができ、かつて児童たちがいた名残と自分たちの幼少時代を思いながら、時間を往ったり来たり。

④五日市街道〜滝山街道〜浅川CR

ランチを食べたらまっすぐ帰路に着く…わけではなく、復路もルートづくりの妙が五感を刺激します。
「ここに入って行くの?」「ここに出るんだ!」というサプライズが、最後まで飽きることを許さない。

最後は多摩川CRに合流してゴール。
コース全体を通して無謀な激坂はなく、また距離も適度なため、強度を抑えれば脚力に関わらず走破しやすいプロファイルになっています。
心地よい景色や休憩を楽しみながら、たくさん話して、たくさん笑って。女性コミュニティのつながりが深まるような1日になりました。

 

3. “女性のサイクリングを愛する”

BSCがWMN Initiativeで掲げている「Love Women’s Cycling(“女性のサイクリングを愛する”)」という言葉。日本語をそのまま言葉にすると恥ずかしさがあるかもしれませんが、スポーツサイクリングのこの先を見据える上で、性別関係なくサイクリスト全員が考えていきたいテーマでもあります。
そして大切なのが、この考えに対して、ソーシャルネットワーキングやイベントなどを通じコミットメントを続けていくこと。

私たちLove Cyclist(“サイクリストを愛する”)が、サイクリストたちのスタイルにコミットしてきた中で、新たなカルチャーが少しずつ受け入れられてきたように、Love Women’s Cycling(“女性のサイクリングを愛する”)の取り組みは、いつか大きなうねりになっていくものだと信じています。

Black Sheep Cycling – WMNコレクションを見る(CYCLISM)

Member/MeiSatch, & Anna
Ride Leader/Masayuki@stumsky
Editor & Photographer/Tats@tats_lovecyclist
Thanks! Black Sheep Cycling & CYCLISM

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