サイクルウェア<春夏秋冬>完全コーディネートガイド(2025年最新版)

サイクルウェアはただの服ではなく、ライドのパフォーマンスを担う「機材」のひとつ。だから春夏秋冬それぞれの気候に合わせて柔軟に対応できる組み合わせが、最高なライド体験の鍵となる。
ただ、季節の変わり目に困るのが、どのウェアを組み合わせて着るのかわかりづらいということ。しかもサイクルウェアは年々進化しており、その分アイテムのバリエーションも増えている。
「ジレはいつ使う?」「薄手の長袖ジャージは要るのか?」「ニーウォーマーって何?」など、最初のころは適切な判断が難しいもの。
そこでシーズンごとのコーディネートの基本を紹介していく。気温の変化や強度に応じて、自分にとって最適な組み合わせを見つけよう。

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*記載の気温は目安であり、個々の体感温度によって最適な組み合わせは変化します。

コーデ① 夏(28-40℃)

・夏は半袖ジャージビブショーツの薄着が基本
・肌の露出が増えるので紫外線対策は必須。日焼け止めを塗るか、夏用の薄手の長袖ジャージを着用する
・汗冷えを防ぐためにベースレイヤーを忘れずに

通気性と紫外線対策が重要な真夏コーデ

薄手の長袖ジャージは夏の紫外線対策に

*夏用ベースレイヤーの詳細はこちら↓

 

コーデ② 春秋(18-28℃)

・肌寒い季節は、夏のコーデをベースにアームウォーマージレを重ねる
・冷えるときはジレよりもウィンドジャケット
・膝の冷えが気になる場合はニーウォーマーを着用

真夏コーデ(①)をベースに上から重ねていく

*ジレの詳しい着こなし方はこちら↓

 

コーデ③ 秋冬(8-18℃)

・10℃台になったら長袖ジャージが基本となる
・気温に応じてベースレイヤーは夏用/冬用を選択
二ーウォーマー(またはレッグウォーマー)で脚を防護
・脚回りが寒ければ裏起毛の冬用ビブショーツを着用
・ジレやウィンドジャケットはいつでも活躍するので必ず持っておきたい

長袖ジャージをベースにインナーとアウターで調節

 

コーデ④ 真冬(0-8℃)

0℃〜8℃

・真冬は肌の露出を避けることと、風を完全にシャットアウトすることが最大のポイント
・あまり着こむと汗冷えするため、防寒性能の高いジャケットを選んで、重ね着は最小限に
・ジャケットの厚みによっては長袖ジャージを中に着る必要はない
・夏用ベースレイヤーを下に着ると汗冷え防止になる
・下半身は、起毛素材のビブタイツでしっかりと防寒(お好みで冬用ビブショーツ+レッグウォーマー)
・末端の冷えを防ぐために、ビーニーネックチューブオーバーソックスといった小物は必須

肌を露出させない真冬コーデ

*冬の着こなし関連記事はこちら↓

 

〈春夏秋冬〉着回し全アイテムリスト

紹介したコーデを実践するためには20以上のアイテムを買い揃える必要がある。
「いきなり多すぎ…!」と感じるかもしれないが、すべてをまとめて揃える必要はなく、季節ごとに自分に必要なものを少しずつ買い足していけばOK
そうやって1年で四季のサイクルが一巡すると、自然と着回せるアイテムが揃っていくもの。自分に今足りないものをチェックしてみよう。

*各アイテムの重要度を3段階で記載(★★★絶対必要 / ★★☆持っておいた方が便利 / ★☆☆余裕があれば揃える )
*各アイテム名をクリックするとAmazonの該当ページにリンク

トップス

サイクルウェア:トップス

1. 夏用ジャージ ★★★:トップスで最も出番の多い夏用半袖ジャージ。サイズ感は「少しきついかな?」と思うくらいのものが最適。日焼け防止のための薄手の長袖ジャージ(★☆☆)もある。

2. 冬用ジャージ ★★★:春秋冬の3シーズン使える長袖ジャージ。ベースレイヤーやジャケットとの組み合わせで対応気温の幅が広がる。

3. ジレ ★★★:ベストとも呼ばれ、体幹の冷えを防ぐコンパクトな防寒アイテム。持っていると出番が多い。

4. ウィンドジャケット ★★★:ウィンドブレーカーとも呼ばれ、折りたたむとコンパクトになる薄手の防風ジャケット。バックポケットに入れていつでも取り出せるようにして。

5. ウィンタージャケット ★★★:冷気をシャットアウトできる厚手の防風ジャケット。真冬のライドには欠かせない。近年は素材の進化によって生地がより薄手になっている。

ボトムス

サイクルウェア:ボトムス

6. ビブショーツ ★★★:半袖ジャージと同様、年中通して着る機会が多いボトムス。まずは黒無地に近いデザインを選んだほうが着回しが楽。裏起毛の冬用ビブショーツ(★★☆)もある。

7. ビブタイツ ★★★:寒さの厳しい季節では、まずは裏起毛のビブタイツ1枚で対処するのが便利。

ベースレイヤー

サイクルウェア:ベースレイヤー

8. 夏用ベースレイヤー ★★★:汗を外に逃がすための吸湿速乾性の高いインナー。肌寒い季節には保温も兼ねる。ノースリーブタイプと半袖タイプがある。

9. 冬用ベースレイヤー ★★★:保温性と速乾性が高い厚手のインナー。半袖タイプ(★☆☆)もある。

ウォーマー

サイクルウェア:ウォーマー

10. アームウォーマー ★★☆:半袖ジャージと組み合わせて使用する防寒アイテム。

12. レッグウォーマー ★★☆:ビブショーツと組み合わせて使用する防寒アイテム。足首までカバーする。

13. ニーウォーマー ★★☆:ビブショーツと組み合わせて使用する防寒アイテム。膝下までカバーする。

アクセサリ

サイクルウェア:アクセサリー

14. キャップ ★☆☆:頭部の冷えを守ったり、汗を吸収するサイクリング用キャップ。

15. ビーニー ★★☆:耳まで覆うニット素材の帽子。冷気で耳が痛くなるサイクリストには必須。気温によってはヘッドバンドでも代用可。

16. ネックチューブ ★★★:首元から風の侵入を防いだり顔を冷気から守るもの。

17. ショートフィンガーグローブ ★★☆:春夏用の指切りグローブ。グローブを着用しないスタイルが一般的になっているが、長距離の疲労防止や落車時の怪我防止になるので必要に応じて着ける。

18. ロングフィンガーグローブ ★★★:秋冬に活躍するグローブ。できれば薄手と厚手の2タイプ揃えたい。

19. サイクリングソックス ★★★:サイクリング専用ソックスは速乾性もフィット感も高い。足元コーデの肝。

20. シューズカバー ★★☆:シューズの上から被せてつま先の冷えを防ぐ。冬では末端の防寒に不可欠。

 

ウェアコーデのTips

ヒルクライムは発熱量が大きくなるため最適なウェアリングが特に欠かせない

行き先の最高気温で服装を選ぶ

寒暖差の激しい春や秋は、1日のどの時間帯の気温に合わせれば良いのか困ることも。
基本的にはジレやウィンドジャケットなど調整しやすいアイテムを持ち運ぶことを前提に、その日の最高気温のときに快適になるコーディネートを考える。
例えば朝8℃→日中18℃となるようであれば、春秋のコーデにウィンドジャケットを羽織っておき、暑くなったら脱いでバックポケットに入れることで調整する。

ライドの強度を考慮に入れる

気温だけでなく、ライドの強度やスタイルによっても組み合わせは変化する。
平坦をのんびり走る場合と、長い峠を高強度で走る場合とでは必要なウェアは大きく異なり、強度が変わるほど細かい調整が必要になる。自身の走り方に応じて最適なコーデを導いていこう。

外に出たときの感覚を大事にする

ときどき天気予報の気温が正しくない場合もあるので、そんなときのためにも自分の肌感覚も大切に。特に夏以外は、外に出たときに「ちょっと寒い」と感じるくらいがちょうどいい組み合わせ。そのまま走り出して体が暖まれば、快適な状態になるはず。
逆に「暖かいな」と感じた場合は少し着込み過ぎなのかもしれないので、後悔する前に家に戻って調整してしまおう。

調整しやすいアイテムで出掛けよう

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著者情報

Tats Tats Shimizu@tats_lovecyclist
編集長&フォトグラファー。スポーツバイク歴12年。海外ブランドと幅広い交友関係を持ち、メディアを通じてさまざまなスタイルの提案を行っている。同時にフォトグラファーとして国内外の自転車ブランドの撮影を多数手掛ける。メインバイクはStandert(ロード)とFactor(グラベル)。

text / Tats@tats_lovecyclist