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スタイリング&寒さ耐性をアップグレード。
サイクルウェアの「ジレ」は、一般的にはベストと呼ばれる袖なしジャケットで、多くはウィンドジャケットのような薄手の防風素材で作られています。
サイクルウェアを揃えていく上でジレの購入は後回しになりがちですが、ジレがあるとないとでは、季節の変わり目の対応力が大きく変わってきます。
ただ、使いどころがちょっとわからない、そんな薄い素材で本当に効果があるのかといった疑問もあると思います。
そこで、ジレの基本的な使い方や、コーディネート方法などを紹介します。
text / Tats(@tats_lovecyclist)
*本記事は2019年公開記事を現状に即して改訂したものです。
1. ジレが愛される5つの理由
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ジレを好むサイクリストは年々増えており、今では広く浸透するようになりました。
多くのウェアブランドもラインナップに取り揃えていますが、これだけサイクリストたちに愛されるようになったのには理由があります。
1. 寒暖差に強い
体幹を守るジレは、気温の変化に対して柔軟に対応できます。寒い時間帯はジッパーを上げておいて、暑くなったらジッパーを開けて風を通すような調整が、走行中でも片手でできます。
朝の冷え込む時間帯に出かけるとき、気温差が大きい山に行くとき、ロングライドでの寒暖差が心配なときなど幅広く活躍します。
2. コンパクトに収納できる
多くのジレはウィンドジャケット同様にコンパクトに折りたたむことができます。ジッパーを開けても暑いレベルであれば、バックポケットに収納すればOK。
3. 走行ストレスがない
ウィンドジャケットは袖周りのバタつきが起きますが、ジレは袖がなく、またタイトなシルエットで作られているので、走行へのストレスをほとんど与えません。
4. 収容力アップ
バックポケット付きのジレであれば、ジャージのポケットと合わせて収容スペースが最大2倍に。
特にロングライドでこの収容力は重宝します。
5. ひらひらさせられる
空気抵抗なんて関係ない。ひらひらさせると格好良いから着る──これが一番愛される理由なんです。
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スタイリング観点でも有能すぎるジレ
2. ジレ気温別コーディネート
ジレをひとつ持っていると着こなしの幅が一気に広がるもの。
「ジレを着るタイミングがよくわからない」という方のために、普段のコーディネートにどのようにジレを足せば良いか、気温別に着こなし例を見てみます。
春秋のコーデ①
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半袖だと早朝に少し肌寒さを感じる春秋の20℃前後。昼になると気温が上がることがわかっているのであれば、半袖ジャージの上にジレをちょい足しすることで走り始めが快適に。
そして日中暑くなったらジッパーを開けるか、脱いでバックポケットへ。
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半袖ジャージ+ジレ
春秋のコーデ②
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私服だと薄手のアウターが必要になる気候の15-20℃。サイクリングの場合は調整しやすい「アームウォーマー」と「ジレ」を追加。
どちらも暑くなったときにバックポケットにしまって調整できます。
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半袖ジャージ+アームウォーマー+ジレ
冬のコーデ
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冬に入ったら長袖ジャージへと衣替え。その上にジレを足せばさらに寒暖差に対応できるようになります。強度によってベースレイヤーは半袖でも良いかもしれません。
さらに低い気温のときは、ジレの代わりにウィンドジャケットやウィンタージャケットを着て調整します。
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長袖ジャージ+ジレ
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このように、普段のコーディネートに1枚足すだけで対応できる気温の幅が広がるので、ジレがどれだけ有能かがわかると思います。
3. ジレを手に入れよう
どんなジレを選ぶ?
ジレには携行しやすく風を防ぐ「軽量タイプ」と、より寒い気温に対応できる「断熱タイプ」があります。走行条件に応じて適切な方を選択してください。最初の1枚を購入するのであれば、万能な「軽量タイプ」を推奨します。
またナイトライドやブルベなど夜間走行が前提の場合は、反射素材が付いたのものを使用してください。
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年中使える軽量ジレ
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真冬に活躍する断熱のジレ
ジレもカラバリが豊富に。
従来ジレの色は黒や蛍光色ばかりでしたが、ここ数年で大幅にカラーバリエーションが増加。ジャージやビブを含めたトータルコーデが考えられるようになり、スタイリング目的でも、もはや欠かせないアイテム。
最初の1枚は黒を選び、2枚目以降で色合わせを考えて選ぶ、という楽しみ方ができます。
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明るい色も増えてきた
軽量タイプのおすすめ
オールシーズン使える軽量タイプを、着回ししやすいダーク系のカラーを中心にピックアップ。価格帯は1万前後のものが一般的になります。
総合サイト取り扱いブランド
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- ・Endura – Pakagilet パッカブルベスト(¥8,270)
・dhb – Aeron パッカブルジレ(¥6,945)
・Kapelmuur – ライトウォームベスト (¥12,100)
AmazonやWiggleなどでは、ノーブランドモノを含めて手頃な価格のジレが揃っています。まずはジレがどんなものか試す場合は、総合サイトから選ぶのが便利。
海外ブランド(軽量ジレ)
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- ・Rapha – Core Gilet(¥12,500)
・Isadore – Debut Wind Gilet($125)
・Pedla – CORE / Classic Gilet($239.00 AUD)
海外ブランドはカラージレが豊富。手持ちのブランドと揃えて統一感のある綺麗な着こなしができます。ハイブランドの中には、RaphaのCoreジレのようにエントリー向けのラインナップも出ているところもあるので、自分に合ったスタイリングを考えたい方はさまざまなブランドから探してみてください。
断熱タイプのおすすめ
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- ・MAAP – Alt_Road Thermal Vest(¥26,000)
・NDLSS – Insulated Gilet(€160)
・Universal Colours – Chroma Insulated Gilet(¥314,00)
真冬に活躍する断熱素材のジレの取り扱いも増えてきました。グラベルにも使えるMAAPのオルトロードジレや、暖かいNDLSSやUniversal Coloursのインサレーテッドジレなどはカラバリも豊富で、全身黒になりがちな厳寒期をさまざまな色合いで着こなすこともできます。
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僕らサイクリストは、寒かろうが暑かろうが外に出て走りたい欲求が収まることはありません。どんな気温でも快適に過ごせるように、うまくウェアを組み合わせてライドしてくださいね。
著者情報
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Tats Shimizu(@tats_lovecyclist) 編集長&フォトグラファー。スポーツバイク歴11年。ロードバイクを中心としたスポーツバイク業界を、マーケティング視点を絡めながら紐解くことを好む。同時に海外ブランドと幅広い交友関係を持ち、メディアを通じてさまざまなスタイルの提案を行っている。メインバイクはStandert(ロード)とFactor(グラベル)。 |